Qualcomm と MediaTek は、2025 年 9 月にそれぞれ次世代のフラッグシップ向けチップセットを発表すると予想されています。Qualcomm が 9 月 23 日から 26 日にかけて開催される Snapdragon Summit で「Snapdragon 8 Elite 2」を発表すると見込まれる一方、MediaTek はそれより早く「Dimensity 9500」を発表すると噂されています。
こうした中、信頼性の高い情報筋であるリーカー Digital Chat Station 氏が、MediaTek Dimensity 9500 の Geekbench における目標のベンチマークスコアに関する情報を明らかにしました。
Dimensity 9500 の目標ベンチマークスコア
Digital Chat Station 氏によると、Dimensity 9500 は Geekbench 6 のベンチマークテストにおいて、シングルコアで 3,900 以上、マルチコアで 11,000 を超えるスコアを理論上の目標としているようです。

これは、現行の Dimensity 9400 が記録したシングルコア 2,900 以上、マルチコア 9,200 以上というスコアから大幅な性能向上を示しています。また、以前のレポートでは、AnTuTu ベンチマークにおいて 400 万点を超えるスコアを達成できる可能性も示唆されていました。
Dimensity 9500 のスペック詳細
最近の報告によれば、Dimensity 9500 は TSMC の N3P プロセスで設計されるとされています。これは第 3 世代の 3nm ノードであり、電力効率と性能のさらなる向上が期待されます。
CPU は、新設計の「オールビッグコア」レイアウトを採用した 8 コア構成になるとのことです。その内訳は以下の通りです。
- Travis コア (Armの新しいCortex-X9ベース) × 1
- Alto コア (Armの新しいCortex-X9ベース) × 3
- Gelas コア (Armの新しいA7シリーズベース) × 4
Travis コアと Alto コアは Arm の最新CPUコアである Cortex-X9 シリーズを、Gelas コアは同じく最新の A7 シリーズをベースにしており、Dimensity 9400 で採用された Cortex-X4 から大きく刷新されています。
GPU とその他の仕様
GPU には、新たに「Immortalis-Drage GPU」が搭載されます。この GPU はアーキテクチャが変更されており、より低い消費電力でレイトレーシング性能が向上していると伝えられています。
また、データ処理能力を向上させるために 16MB の L3 キャッシュと 10MB のシステムレベルキャッシュを搭載すると言われています。メモリは 10,667Mbps の 4 チャンネル LPDDR5x RAM を、ストレージは 4 レーンの UFS 4.1 をサポートし、8K 動画撮影や高度なマルチタスキングといった要求の厳しい作業にも対応できる仕様となるようです。
搭載が噂されるスマートフォン
この高性能な Dimensity 9500 を最初に搭載するスマートフォンについては、9 月に発表される見込みの「Vivo X300」シリーズが有力な候補として挙げられています。また、同月に発売すると言われている「Find X9」シリーズにも、このチップが搭載されると推測されています。
まとめ
今回リークされた Dimensity 9500 の情報は、ベンチマークスコアだけでなく、CPU や GPU のアーキテクチャにおいても改善されていることを示唆しています。特に、Arm の最新コアを採用した CPU 構成は、前モデルからの大きく性能を向上させることが期待されます。
なお、ライバルとなる Qualcomm の Snapdragon 8 Elite 2 も高い性能が予測されており、2025 年後半から 2026 年にかけてのフラッグシップスマートフォン市場は、両者の性能競争はさらに激しくなりそうです。