Google と Samsung は、Android デバイス間のファイル共有体験を向上させるため、それぞれの共有機能「ニアバイシェア」と「クイック共有」を統合し、名称を「Quick Share」に統一しました。
この統合は現在も進行中であり、新たに Google の Quick Share が Samsung のクラウド共有リンクを直接開けるようになる可能性が報告されました。
この情報は Android Authority と AssembleDebug 氏が、Google Play 開発者サービス ベータ版 v25.23.30 の APK 分解によって確認したものです。
Quick Share の統合と現状
Google と Samsung は2024年初頭に、Android の標準機能であった「ニアバイシェア (Nearby Share)」と Galaxy デバイスに搭載されていた「クイック共有 (Quick Share)」を統合し、ブランド名を「Quick Share」(一時期、日本語環境ではクイック共有またはクイックシェアなどと表記されていましたが、現在は英語表記)に統一することを発表しました。
これにより、Galaxy デバイスとその他の Android デバイス間でのファイル共有がよりシームレスになりました。最近では、両社の Quick Share のユーザーインターフェース (UI) も似たデザインに再設計されるなど、さらなる連携強化が進められています。
Samsung Cloud 経由のリンクを直接処理
Samsung の Quick Share には、Wi-Fi や Bluetooth を使った直接的なファイル転送だけでなく、ファイルを一時的に Samsung Cloud にアップロードし、ダウンロードリンクを発行して共有する機能があります。このリンクは 48 時間有効で、相手が近くにいない場合でも簡単にファイルを共有できる便利な機能です。
Android Authority によると、Google Play サービス v25.23.30 ベータ版のコード内に、Google の Quick Share がこの Samsung Cloud のダウンロードリンクを検知し、ブラウザを介さずに直接アプリ内で処理するための記述が見つかりました。
実際に機能を有効にできたとしており、テストの結果以下のような動作が確認されました。
- Samsung の Quick Share から発行されたクラウドダウンロードリンクをタップする
- 通常はブラウザが起動するところ、Google の Quick Share アプリが直接起動する
- Quick Share の受信画面が表示され、ファイルのダウンロードが自動的に試みられる
ただし、この機能はまだ開発の初期段階にあるようです。UI 上のテキストが「QR code scan」と誤って表示されたり、ファイルのダウンロードが実際には完了しなかったりと、いくつかの不具合が確認されています。
まとめ
もしこの機能が正式にリリースされれば、Galaxy ユーザーから共有されたクラウドリンクを他の Android ユーザーが受け取った際、ブラウザを開いて手動でファイルをダウンロードする手間がなくなり、リンクをタップするだけで、より直感的にファイルを受け取れるようになります。
まだ開発途中の機能ではありますが、Android エコシステム全体の利便性を向上させるアップデートとして、今後の正式なリリースが期待されます。