OnePlus は、長年同社のスマートフォンの特長であったアラートスライダーを廃止し、新たに「Plus Key」と名付けられたカスタマイズ可能なボタンを導入することを発表しました。この変更は、AI 機能の大幅な強化と合わせて行われます。
「Plus Key」とは?
「Plus Key」は、従来のサイレント・バイブ・着信を切り替えるアラートスライダーの機能を引き継ぎつつ、AI 機能のショートカットとしての役割も担います。この新しいボタンは、まずインドで発表される OnePlus 13s (中国市場での OnePlus 13T) に搭載され、その後、今年発売される全ての OnePlus スマートフォンに展開される予定です。

AI 機能「Plus Mind」との連携
OnePlus は、「Plus Key」を通じて利用できる AI 機能の一つとして「Plus Mind」を発表しました。これは、画面上の重要な情報(スケジュール、イベント詳細、予約情報など)を保存・整理し、必要な時に呼び出すことができる機能です。
ユーザーは「Plus Key」を押すか、3本指でのスワイプアップでこの機能を利用できます。Nothing の「Essential Space」と同様のコンセプトの機能と考えられます。
なお、「Plus Mind」はハードウェアショートカットなし(スワイプ操作による呼び出し)の形で、既存の OnePlus 13 および 13R にも将来的に提供される予定です。
Gemini 統合と新しい AI 機能
OnePlus は、「Plus Key」の導入に加え、Google の AI モデル Gemini を自社アプリに統合するなど、多数の AI 機能の開発を進めています。これは、Oppo が先週発表した内容に続く動きです。
OnePlus デバイスに搭載予定の主な AI 機能は、次のようなものがあります。
- AI VoiceScribe (インド市場のみ): 通話や会議の録音、要約、翻訳をメッセージングアプリ、ビデオ会議アプリ内で直接行える機能。
- AI Call Assistant (インド市場のみ): OnePlus 13s のダイヤルアプリで、通話の自動要約やリアルタイム翻訳を提供。
- AI Translation: テキスト、音声、カメラ、画面翻訳など、全ての翻訳機能を一つのアプリに統合。
- AI Search: 自然言語での会話形式による検索が可能になり、ローカルファイル、設定、メモ、カレンダーから関連性の高い情報を検索。AI Plus Mind と連携し、生産性を向上。
- AI Reframe: 写真のシーンを解析し、被写体を認識して構図を調整。複数のクリエイティブなフレーミングオプションを提案。
- AI Best Face 2.0 (今夏 OTA アップデートで提供予定): グループ写真で目つぶりや不自然な表情を自動的に検出し修正。最大20人までの画像に対応し、他のデバイスで撮影された写真にも適用可能。
OnePlus によれば、これらの AI 機能に関して信頼できる環境でのオンデバイス処理を優先し、より負荷の高いタスクについては「プライベートコンピューティングクラウド」を活用するとしています。
これら OnePlus の新しい AI 機能については、AI Best Face 2.0 が今年の夏とされている以外、具体的な提供開始時期については明らかにされていません。

まとめ
OnePlus も OPPO に続いて AI 機能の強化に進むことは自然流れですが、Nothing の Essential Key と Essential Space のような機能を導入するとは考えていませんでした。i
「Plus Mind」機能は OnePlus 13 シリーズの他の機種にも展開される予定であるとのことですが、日本では OnePlus デバイスが正規販売されていないため、これらの機能を正規の手段で試すことは (少なくとも現状では) 難しい状況です。
今後、OnePlus シリーズが日本でリリースされるかはわかりませんが、手頃な価格からハイエンドまで様々なカテゴリーのデバイスをリリースする OnePlus のデバイスも、登場してくれると日本市場でも選択肢がさらに広がることが期待できます。
出典: OnePlus, 9to5Google, The Verge