Snapdragon 8 Elite 2、前倒しで9月に発表される可能性。性能向上の一方で値上がりも懸念

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Qualcomm が開発中とされる次期フラッグシップチップセット Snapdragon 8 Elite 2 (仮称) に関する新たなリーク情報が登場しました。

この情報は著名なリーカー Digital Chat Station によるもので、Snapdragon 8 Elite 2 (仮称) は 2025 年 9 月末に発表され、これを搭載するスマートフォンは早ければ 10 月にも登場する可能性があると伝えました。これは、前世代の Snapdragon 8 Elite が 2024 年 10 月に発表されたことと比較すると、発表スケジュールがわずかに前倒しされる動きとなります。

Weibo で Digital Chat Station が投稿した Snapdragon 8 Elite 2 のリリース時期に関する投稿のスクリーンショット
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大幅な性能向上が期待される Snapdragon 8 Elite 2

Snapdragon 8 Elite 2 は、現行の Snapdragon 8 Elite から大幅な性能向上が見込まれています。リークされた主な情報は以下の通りです。

  • 製造プロセス: TSMC の第3世代 3nm プロセスを採用すると予想。これにより、クロック速度を変更せずに、前世代と比較して電力効率が約 9 %向上するとされています。
  • CPU: 第 2 世代の自社開発 CPU アーキテクチャ (Oryon コア) を採用し、ベース周波数は 4.4 GHz に達する可能性があります (前世代は 4.32 GHz)。コア構成は、2 つのプライムコアと 6 つの高性能コアという噂もあります。
  • GPU: 専用キャッシュが前世代の 12 MB から 16 MB に増量され、グラフィック性能の向上が期待されます。全体的なパフォーマンスは約 30 % 向上するとも言われています。  
  • その他: より高速なメモリのサポートや、マルチメディア・グラフィックス処理を効率化する Arm64 アーキテクチャの一部である新しい SME 命令セットの統合などが噂されています。

また、以前リークされた AnTuTu ベンチマークでは、シングルコアで約 4,000 ポイント (前世代は約 3,200 ポイント)、マルチコアで約 13,000 ポイント (前世代は約 10,300 ポイント) を記録したとされており、これらの情報が正しければ、前世代から大きな性能向上が実現されることになります。  

性能だけでなく、価格も上がる可能性

一方で、昨年の Snapdragon 8 Elite もそうでしたが、Qualcomm はチップセットの性能だけでなく価格も着実に引き上げており、スマートフォンの価格への影響が懸念されます。

さらに、米国の関税の影響もコスト増の要因となる可能性があり、これらのコスト上昇分がスマートフォンメーカーによって完全に吸収されるとは考えにくいため、2026年に登場するフラッグシップスマートフォンは、さらに価格が上昇する可能性があります。

なお、昨年の Snapdragon 8 Elite は、Snapdragon 8 Gen 3 から約 20 〜 30 %の値上がりであったとの情報もあり、新世代も同様の値上げ傾向になる可能性があります。

MediaTek も同じようなタイミングでリリースを計画

一方、Qualcomm の競合となる MediaTek も、次世代のフラッグシップチップ Dimensity 9500 (仮称) の開発に取り組んでおり、こちらも前世代の Dimensity 9400 から前倒しして発表される可能性があると言われていました。

当初の噂では、MediaTek は Dimensity 9500 を 2025 年中頃に発表すると言われており、このときには Qualcomm の Snapdragon 8 Elite 2 は 10月初旬に発表されることが示唆されていました。

関連記事: Snapdragon 8 Elite 2 と Dimensity 9500、少し早めに登場する可能性がある

今回の情報から、Qualcomm は Apple や MediaTek の新チップの予想されるリリース時期に合わせて、前倒しという調整を行った可能性も考えられます。とくに MediaTek は Android デバイスにおいて Qualcomm の最大のライバルとなるため、先手を取られることを嫌ったかもしれません。

まとめ

現状では、Snapdragon 8 Elite 2 に関する細かな仕様などはわかりませんが、少なくとも現行の 8 Elite からパフォーマンスの大幅な向上は期待できそうです。一方で、性能向上に伴う価格上昇は、ユーザーにとっては懸念材料となります。メーカー側次第ですが、来年のフラッグシップスマートフォンはさらに高価になる可能性を考慮しておく必要があります。

とくに日本国内のユーザーにおいて、価格上昇は最近の円安傾向も相まってスマートフォンの価格をさらに押し上げる可能性があります。まだしばらく先の話ですが、次世代の購入を検討しているユーザーは、今後の価格変動や現行モデルの値下がりなどにも注意しておくほうが良さそうです。

なお、これまでの噂では、Snapdragon 8 Elite 2 を搭載すると予想されるデバイスには、Xiaomi 16 および Xiaomi 16 Pro、Redmi K90 Pro、Realme GT 8 Pro、OnePlus 14、iQOO 14、Xiaomi 16 Ultra、Vivo X300 Ultra、Oppo Find X9 Ultra などがあると言われています。

出典: Weibo (Digital Chat Station), Android Headlines, Gizmochina

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著者情報

Masahide Omuraのアバター Masahide Omura Technical Writer

月間平均130万PVの当サイトを8年以上運営している 尾村 真英 です。これまでに 50台以上の Chromebook をレビュー しており、主に小規模事業者を対象に Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行っています。
現在は、Chrome Enterprise 公式ユーザーコミュニティのモデレーターとしても活動中で、Professional ChromeOS Administrator 資格を保有しています。

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