Google は、Android デバイスや互換性のあるトラッカーを探すための「デバイスを探す (Find My Device)」ネットワークが、サービス開始当初と比較して 4 倍高速になったことを明らかにしました。これにより、紛失したアイテムの発見や位置情報の更新が速くなります。
この改善は、Google が行った「継続的なアルゴリズムと技術的な内部改善」によるものだと説明されています。主にデバイスとトラッカー間の通信を容易にするため、Bluetooth スキャンの頻度や時間を調整したとのことです。さらに、Google は、ネットワークのプライバシー設定をデフォルトの「トラフィックの多いエリアでのみ」から「すべてのエリア」に変更するユーザーが増えていることも、改善の一因として挙げています。
Google は昨年、この設定変更を促す通知をアプリ内で表示しましたが、現在もデフォルト設定は「トラフィックの多いエリアのみ」となっています。
UWB 対応も「間もなく」登場か
Google はまた、「デバイスを探す」ネットワークにおける UWB (超広帯域無線) のサポートに関する詳細情報を間もなく発表すると述べています。これにより、対応デバイスやトラッカーを使えば、より正確な位置特定が可能になることが期待されます。
現時点では、Motorola の Moto Tag が UWB ハードウェアを搭載した唯一の「デバイスを探す」ネットワーク対応トラッカーです。Google I/O の開催も近づいていることから、近いうちに UWB に関するさらなる発表があるかもしれません。
今後の展開と日本での状況
「デバイスを探す」ネットワークは着実に改善されていますが、一部のテストでは、依然として Apple の「探す (Find My)」ネットワークの方がアイテム発見能力において優れているとの指摘もあります。
The Verge によるテストでは、Android のネットワークはプライバシーを重視する設計(デフォルト設定など)が、Apple のネットワークと比較して機能面で劣る一因となっている可能性が示唆されています。これは、ネットワーク自体のパフォーマンスの問題というよりは、設計思想の違いによるものと考えられます。
加えて、日本国内では、現状ではネットワークに対応したトラッカーの選択肢が海外に比べて少ないことが普及の課題として挙げられます。Apple の AirTag ほど気軽に購入できる状況にないことや、ネットワークや対応製品自体の認知度がまだ低いことも、普及を限定的にしている要因と考えられます。ちなみに筆者は Google ストアで購入した(現在は Amazon でも販売されている)、「Pebblebee Clip」を使っています。
とはいえ、Android の「デバイスを探す」ネットワークが世界的に高速化し、改善が進んでいることは確かです。今後の UWB 対応や、日本国内での対応トラッカーの増加、入手性の向上なども含め、さらなる機能向上と普及に期待されます。
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出典: The Verge, 9to5Google