モトローラは、米国時間の 2025 年 4 月 24 日、縦折り型スマートフォン「Razr」シリーズの最新世代を発表しました。今回の発表では、グローバル市場向けに「motorola razr 60」と「motorola razr 60 ultra」の2モデルが明らかになりました。なお、米国市場向けには「motorola razr 2025」と「motorola razr ultra 2025」として展開されます。
最上位モデルの「razr 60 ultra」は、Qualcomm のフラッグシップチップ Snapdragon 8 Elite を搭載し、カメラ、AI 機能、デザイン、耐久性において大きく進化しています。スタンダードモデルの「razr 60」も AI 性能が向上し、Ultra モデルよりも手頃な価格設定となっています。
Razr 60 シリーズ共通の変化:AI、デザイン、耐久性
今回のRazr新シリーズは、両モデル共通で以下の点が大幅に進化しました。
- 大型カバーディスプレイとチタン強化ヒンジ: 両モデルとも大型のカバーディスプレイを搭載。ヒンジはチタンで強化され、前世代よりも耐久性が向上。折り目もより滑らかになりました。
- IP48 等級の防塵・防水性能: シリーズで初めて IP48 防塵・防水性能を備えました。これは粉塵の侵入を防ぎ、水深 1.5m の真水に最大 30 分間耐えることができます。
- 搭載されている AI 機能(moto ai)の強化と新機能導入
- 既存機能の進化: Catch Me Up (通知要約)、Pay Attention (重要情報フォーカス)、 Remember This (情報記録) がユーザーフィードバックに基づき改善。
- Next Move: 画面上の情報(レシピ、旅行日程など)を認識し、次のステップ(詳細保存、関連プレイリスト生成、関連画像生成など)を提案。
- Playlist Studio: テーマに合わせた音楽プレイリストを生成。
- Image Studio: テキスト指示に基づき画像、アバター、壁紙、ステッカーを生成。
- Smart Connect with AI: 音声やテキストコマンドでスマホのコンテンツをTVやPC/タブレットにミラーリング。
- Gemini / Gemini Live: Google の AI「Gemini」をカバーディスプレイから直接利用可能。
- カメラの新機能:
- Pantone Validated / Pantone SkinTone Validated: 折りたたみ式スマートフォンとして世界で初めて、ディスプレイとカメラの両方でPantone認証を取得。
- AIによる画質向上: Photo Enhancement Engine がダイナミックレンジ改善、ノイズ低減、ディテール向上を自動で行います。Signature Style はユーザーの好みを学習し、自動で写真のテイストを調整します。
以下は Razr 60 および Razr 60 Ultra のそれぞれの特長と仕様をまとめて紹介します。
「Razr 60 Ultra」の特長と仕様
シリーズ最高峰となる「razr 60 ultra」は、性能、デザイン、機能のすべてにおいて、折りたたみ式スマートフォンのなかでは最高峰のレベルとなっています。
- チップセット: Snapdragon 8 Elite を搭載。CPU 性能 45% 向上、GPU 性能 40% 向上。
- RAM / ストレージ: 16GB LPDDR5X RAM / 最大 1TB ストレージ
- バッテリー: 4,700mAh、68W TurboPower 有線充電、30W ワイヤレス充電, リバースワイヤレス充電も対応
- ディスプレイ:
- メイン: 7.0インチ pOLED (Super HD)、Pantone Validated。前世代より高解像度化、ベゼル幅縮小。
- カバー: 4.0インチ pOLED – 他社より40%大きい。Corning Gorilla Glass Ceramic 採用 (Razr史上最も頑丈)。
- カメラ: リアカメラは 50MP メインカメラと 50MP 超広角カメラを搭載し、フロントカメラにも 50MP を採用。moto aiによる強化機能 (Group Shot, Action Shot) 搭載。Dolby Vision での動画撮影・編集・視聴に Motorola として初対応。Dolby Atmos サウンド 対応。
- 耐久性: IP48防塵防水、チタン強化ヒンジ。
- デザイン・素材: スマホ初採用の Alcantara (イタリア製)、Real Wood (木材, FSC認証)、サテン調仕上げ、ヴィーガンレザー仕上げの4種類。PANTONEカラー採用。
- AI 機能: 専用AIキー 搭載、スタンド/テントモードでの Look & Talk 機能 (視線だけでAI起動)。
- その他: BMW/MINIのデジタルキー対応 (NFC/UWB)。
価格については、米国内では1,299.99ドル(約 18.6 万円)からとなっています。
「Razr 60」の特長と仕様
手頃な価格ながら十分な性能と最新機能を備えたスタンダードモデルです。
- チップセット: MediaTek Dimensity 7400X を搭載し、AI 性能が前世代比 15% 向上。
- RAM / ストレージ: 8GB RAM / 256GBストレージ
- バッテリー: 4,500mAh、30W 有線充電,、15W ワイヤレス充電。
- ディスプレイ:
- メイン: 6.9インチ pOLED (HDR10+)
- カバー: 3.6インチ pOLED
- カメラ: リアカメラは 50MP メイン + 13MP 超広角/マクロを搭載。Pantone Validated カラー/スキントーン対応。
- 耐久性: IP48 防塵・防水、チタン強化ヒンジ。
- デザイン・素材: ヴィーガンレザー仕上げ、ナイロン調仕上げ、アセテート仕上げの3種類。PANTONEカラー採用。
米国における価格は699.99ドル(約 10 万円)からとなっています。
Razr 60 シリーズのスペック比較
Razr 60 | Razr 60 Ultra | |
---|---|---|
OS | based Android 15 | |
メインディスプレイ | 6.9インチ 2,640×1,080 120Hz pOLED | 6.96インチ 2,992×1,224 165Hz OLED |
カバーディスプレイ | 3.6インチ 1,056×1,066 120Hz OLED | 4インチ 1,272×1,080 165Hz OLED |
CPU | Dimensity 7400X | Snapdragon 8 Elite |
RAM | 8GB 12GB 16GB | |
内部ストレージ | 128GB 256GB 512GB 1TB | 256GB 512GB 1TB 2TB |
外部ストレージ | – | |
リアカメラ | 50MP メイン 13MP 超広角 | 50MP メイン 50MP 超広角 |
フロントカメラ | 32MP | 50MP |
バッテリー | 4,500mAh 30W 有線充電 ワイヤレス充電 | 4,700mAh 68W 有線充電 ワイヤレス充電 |
ポート | USB-C | |
ネットワーク | 5G/4G-LTE Wi-Fi Bluetooth | 5G/4G-LTE Wi-Fi Bluetooth |
その他 | 側面指紋センサ IP48 防塵・防水 | 側面指紋センサ IP48 防塵・防水 |
サイズ | 171.3×73.99×7.25mm | 171.48×73.99×7.29mm |
重さ | 188g | 199g |
日本における展開は未定
記事執筆時点では、米国市場とグローバル市場での発売はアナウンスされていますが、日本市場向けにはまだ発表されていません。昨年の Razr 50 シリーズが発売されていることから、後継となる Razr 60 シリーズが発売される可能性は非常に高いと予想されます。
これまでの展開のペースから、海外発表から数ヶ月遅れで登場することが多く、例えば昨年は 6 月に中国・グローバルで発表され、日本では 9 月に発表となりました。そのため、日本での発表は2〜3ヶ月は待つ必要があるかもしれません。
出典: Motorola News