今回の記事では、GEEKOM のミニPCのなかでもハイスペックな1台となる「GEEKOM NUC GT1 MEGA」の実機レビューをお届けします。なお、レビューにあたり実機の提供を受けています。
これまでに何度か GEEKOM のミニPCをレビューしていますが、この「GEEKOM GT1 MEGA」はそのなかでも最上位クラスの性能を備えています。例えば、Core Ultra プロセッサと AI Boost NPU、Intel Arc グラフィックス、USB4 規格の2つの USB-C ポート、6つの USB-A ポート、2つの 2.5Gbps Ethernet ポートなどパフォーマンスだけでなく周辺機器の拡張性、Wi-Fi 7 と Bluetooth 5.4 のサポートによる高速な通信を提供、それでいてコンパクトな筐体で静音性も高いことが特長です。
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今回レビューしている「GEEKOM GT1 Mega」の実機スペックです。
スペック
OS | Windows 11 Pro |
---|---|
CPU | Core Ultra 9-185H (Core Ultra 7-155H) |
Graphics | Intel Arc Graphics (Intel Arc iGPU) |
RAM | 32GB (最大64GB) |
内部ストレージ | 2TB M.2 2280 PCIE Gen 4 (最大1TB M.2 2242 SATAIII) |
外部ストレージ | SDカードスロット |
前面ポート | USB-A (3.2 Gen 2) ×4 3.5mm ヘッドセットジャック |
背面ポート | USB-C (USB4) ×2 USB-A (3.2 Gen 2) ×1 USB-A (2.0) ×1 HDMI 2.0 ×2 Ethernet (RJ45 2.5Gbps) ×2 |
ネットワーク | Intel Wi-Fi 7 Bluetooth 5.4 |
サイズ | 135×132×46.9mm |
今回の実機は Intel Core Ultra 9-185H と 32GBRAM、2TB SSD を搭載した上位モデルで、グラフィックスこそ内蔵の Arc Graphics ですが簡単な動画編集や Steam で軽めの 3D ゲームなどであれば十分にこなせる性能を持っています。
なお、RAMはデュアルチャネル DDR5 5600MHz で最大64GB(1モジュールあたり32GB)に増やすことができます。ストレージも標準では M.2 2280 PCIe Gen 4 SSD がささっていますが、最大1TB のM.2 2242 SATA SSD ポートもあるため、こちらも使うことで合計3TBまでストレージを拡張可能です。
デザイン
筐体はアルミニウムを採用しており、色合いもグレーがかった落ち着いた色で自宅でもビジネスでも扱いやすいデザインです。
本体はしっかりと作られており、傷や指紋も目立ちづらくなっています。また、VESAマウントでモニターなどの裏に取り付けることもでき、今回も取り付けキットは同梱されています。コンパクトサイズなので卓上でもスッキリして見えます。
前面には4つの USB-A ポートがあり、キーボードやマウスのレシーバー、有線ヘッドセット、外付けストレージなど様々なデバイスを接続しやすくなっています。左側面には SD カードスロットがあり、写真や動画の取り込みなどでハブやアダプターが必要ないことは Good です。
背面には USB4 規格に対応した2つの USB-C ポートがあり、どちらのポートも最大8K出力や最大 40Gbps の転送速度、 最大15W PD をサポートしています。また、HDMI 2.0 ポートも2つあり、これら4つのポートを使うことで最大4Kで4台までモニターに出力することができます。この他には2つの USB-A ポートがありますが、1つは 2.0 規格となっています。また、2.5Gbps のEthernet ポートも2つ搭載されています。
安定したネットワーク接続が必要で、複数のモニターに出力することがあるならこのモデルはなかなか良い感じです。DP/HDMI ではなく HDMI ×2 というのも使いやすいですね。ポートに関しては特に不満はありませんが、できれば前面にも USB-C ポートが1つあればさらに便利だったと思います。
実機レビュー
実際に「GEEKOM GT1 Mega」を使って、いくつかのベンチマークソフトにおける CPU 回りのベンチマークスコアを測定しました。
ベンチマークソフト | スコア |
---|---|
Geekbench Single | 2,522 |
Geekbench Multi | 13,805 |
Geekbench OpenCL | 39,544 |
Geekbench Vulkan | 38,968 |
PCMARK 10 | 7,036 |
PASSMARK | 7,543 |
Octane 2.0 Plus Single | 88,564 |
Octane 2.0 Plus Multi | 934,687 |
JetStream2 | 307 |
Speedometer 3 | 24 |
参考までに Octane 2.0 Plus の測定結果のスコアとその前後の CPU のスコアの比較です。
結果としては、CPU はノートPC向けでは最上位クラス、デスクトップでもハイエンドと言って差し支えのない性能を備えているため、これについてほぼ文句はありません。ベンチマーク中もファンはかなり回りますが、負荷が下がるとかなり静かになり、発熱もそれなりにあるものの、触れないほど熱くなることもありませんでした。高負荷でも安定して動作しているため、この小さな筐体でも冷却システムはしっかりと機能しています。
ファンの音については、ブラウザベースで作業をしているときは負荷の少ない作業をしているときなどは、ファンの音はほぼ聞こえなくなります。静かなときにはエアコンや PS5 などの駆動音のほうがよく聞こえます。ファンが回り出せとそれなりに音はしますが、低い駆動音ではなく少し高めの風切音なので、頭に響いてくるようなこともありません。ノイズキャンセリングイヤホンやヘッドホンをつければほぼ気にならなくなります。当初、GEEKOM IT13 のようなファンの回り具合を想像していましたが、実際には常に回るようなことはなく、静音性は高めだと思います。
グラフィックス性能については外部GPUではなく内蔵GPUの Intel Arc Graphics が搭載されていますが、これがまた良い仕事をしてくれます。こちらもいくつかのベンチマークとゲームを試してみました。
ベンチマークソフト | スコア |
---|---|
FF14 最高品質 FHD | 4,096 (普通) |
FF14 高品質 (ノートPC FHD) | 7,571 (やや快適) |
FF14 標準品質 (ノートPC FHD) | 7,852 (やや快適) |
3DMARK (Night Raid) | 36,210 |
3DMARK (Fire Strike) | 8,728 |
3DMARK (Steel Nomad Light) | 3,155 |
3DMARK (TimeSpy) | 3,546 |
内蔵グラフィックスとしては上位の性能で、比較的軽めなゲームであればプレイは可能です。また、実際に Steam で PS4/PS5 あたりのゲームをプレイしてみましたが、ゲーム内設定を変更すればある程度のゲームはプレイ可能です。最近発売された EA SPORTS FC25 であれば、ムービーになるとガクッと落ちますがゲームプレイ中は45〜60fpsで、オフラインであればまずまず快適にプレイができます。SO2RやSO6 なども同様にプレイできたので、Steam でも最近の重たいAAAタイトルでなければ十分遊ぶことができます。
USB4ポートがあるため、外付けてGPUを接続するという方法もありますが、予算やゲームによっては Xbox Cloud Gaming や GeForce Now でプレイするほうが手頃&快適なこともあるため、適宜選択できる点は魅力ですね。Windows PC なのでコントローラーは Xbox 純正や互換品も多数あるため困ることはありません。
フルHDの動画編集であったり、Lightroom による写真編集や Photoshop による画像編集などでも十分快適に作業することができ、ブラウザベースや一般的な事務用途といったレベルであればほぼ不満なく使うことができます。動作の面では特に不満はなく、ミニPCながらグラフィックス性能やパフォーマンスの安定性はとても高く満足できる1台です。
気になる点は特にありませんが、Core Ultra の NPU の使いどころがまだそこまで多くないことが悩ましいですね。あと、Windows Studio Effects をサポートしているはずですが、なぜか表示されず使うことができませんでした。こういった機能をうまく使うことができれば、個人用のデバイスとしてだけでなくビジネスでも便利になるため、今後に期待です。
まとめ
今回は GEEKOM の新しいハイスペックミニPC「GEEKOM GT1 Mega」を試しましたが、パフォーマンスと静音性、グラフィックス性能、コンパクトさと高いレベルでまとまっていて、かなり使いやすい1台でした。性能よりも静かさを取りたい場合には AMD 搭載モデルなども選択肢になりますが、どちらかと言えば性能を重視したいユーザーにおすすめできるモデルです。
高性能なだけでなく Windows 11 Pro が搭載されている点も魅力で、それでいて10万円台前半で購入できるためコストパフォーマンスは優れていると思います。とにかくミニPCで高性能なモデルを求めているユーザーは一考の価値ありです。
なお、現在は2024年11月30日までの期間、公式ストアと Amazon にて6%オフクーポンが提供されているため、さらに安価に購入することができます。クーポンは次のとおりです。
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