Poly Voyager Free 60+ UC を実機レビュー。マイク性能を重視したビジネス向けワイヤレスイヤホン

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今回の記事では、現在はHP傘下となっている Poly (元 Plantronics)のビジネス向けワイヤレスイヤホン「Poly Voyager Free 60+ UC」の実機レビューをお届けします。なお、本レビューにあたり実機の提供を受けています。

2024/09/12 更新 : 2024年10月31日まで本製品が41%オフ(値引き後、28,644円)で購入できる限定クーポンリンクが提供されました。以下のリンクから製品ページにリンクすることで、購入時に割引されます。


この Poly Voyager Free 60+ は、Voyager Free 60 シリーズのうち最上位に位置する製品で、PCとの接続を安定させるための BT700 Bluetooth USB アダプターが同梱されていることが特長です。さらに Voyager Free 60+ はタッチスクリーン付きの充電ケースとなっていて、ケースからイヤホンの設定を変更したり、会議中のスピーカーやマイクの操作を行うことができます。

この他にも同梱されている3.5mm to USB-C コネクタを利用することで、ケースを Bluetooth トランスミッターの代替としても使用でき、飛行機内でもワイヤレス接続が利用できるといった便利機能も備わっています。

Poly Voyager Free 60+ UC の主な特長とまとめると次のとおり。

  • 3つのアレイマイクと WindSmart テクノロジー搭載
  • 2台の Bluetooth デバイスとのマルチペアリング(最大8台記憶)
  • ANC と トランスペアレントモード
  • タッチスクリーン搭載スマート充電ケース
  • USB-A または USB-C Bluetooth アダプター同梱 (BT700)
  • 3.5mm コネクタ経由で Bluetooth トランスミッター機能
  • バッテリー駆動時間
    • イヤホン : 通話最大5.5時間/音楽最大8時間
    • ケース : 通話最大11時間/音楽最大16時間
  • USB-C またはワイヤレス充電対応
  • Microsoft Teams または UC 認証モデル

また、Voyager Free 60 シリーズの主な違いをまとめると次のとおりです。

Voyager Free 60+ UCVoyager Free 60 UCVoyager Free 60
タッチスクリーンありなしなし
USB アダプターありありなし
トランスミッター機能ありなしなし
カラーカーボンブラック
ホワイトサンド
カーボンブラックカーボンブラック
希望販売価格51,150円43,450円

発売から1年以上が経過していることもあり、大手メディアを含めて多数レビューが公開されています。そのため、ここでは細かい仕様やデザインに関してはあえて取り上げず、実際に使ってみてどうだったかをまとめていきます。

目次

ケース

Voyager Free 60 シリーズは3つのラインナップがありますが、いずれもUSB-C 経由の充電とワイヤレス充電の両方に対応しているため、充電に関する不満はありません。ベースモデルのみ PC との接続に使う USB アダプターがなく、上位モデルはベースと同じ充電ケースかつ USB アダプターが付属しています。

今回レビューしている最上位モデルは USBアダプター とタッチスクリーンが搭載されており、いくつかの操作をケースからできることがメリットです。

USB アダプターは USB-C と USB-A の2種類があり、パソコンなどに差し込めば設定なしですぐにイヤホンとペアリングすることができます。今回の最上位モデルはケース内に収納しておくことができます。

ケースからの操作についてですが、ノイズキャンセリングやトランスペアレントモードの切り替えや音量の増減、ミュートのオン・オフといった操作ができます。イヤホン側からもタッチ操作を行うことができますが、やや小ぶりなセンサーエリアのため、ケース経由で操作するほうが確実でした。とくに会議中など誤操作がなくなるので便利です。

とは言え、音量やミュートなどはPC側でもショートカットを使えば同じことができるため、ケースのタッチスクリーンが必須とまでは言えません。操作についてはあれば便利ですが、なくても困ることはないと思います。

一方、ケースのスクリーンからケース本体と左右イヤホンのバッテリー残量を確認でき、長時間通話後や一定以上充電できない状況が続いたときに、さっとバッテリーを確認できることも便利でした。ペアリングモードもスクリーンから操作でき、Fast Pair にも対応しているので Android デバイスであればワンタップで接続することができます。

あと、Voyager Free 60+ にはケースを Bluetooth トランスミッターとして利用できる機能もあります。これは飛行機や Bluetooth 接続非対応の機種などで、3.5mmジャックからケース本体の USB-C に接続(ケーブルは同梱)すると、ケースをレシーバー代わりに使えるためワイヤレスで音楽などが聞けるというものです。ケーブルを持ち歩く必要はありますが、Bluetooth 非対応の機種でも使うことができるので便利です。

Voyager Free 60+ UC を自宅、外出時に使ってみたうえで、ケースにタッチスクリーンがあると確かに便利だと思いますが、その分ケースのサイズが大きくなっているのが最大のネックかもしれません。また、会議参加で使うことが多ければ、PC上から操作したほうが早いのでケースの機能も宝の持ち腐れ状態になります。

Bluetoothトランスミッターとしての機能を使わず、操作はスマホ/PCやイヤホン側で十分というユーザーは、価格も下がるため通常ケースの Voyger Free 60 UC のほうが思います。ただ、通常ケースの画像を見るとドングルを収納する場所がなさそうなのが気になります。

イヤホン

イヤホンはカナル型で見た目は少し大きく、しっかりとしたステム(軸)があります。また、ステムのシルバーの部分は上下にスワイプ操作することができ、下部には物理ボタンもあります。

ステムの部分はつい触ってしまったときに、スワイプ操作として認識されてしまうことがありました。デフォルトではANCとトランスペアレントモードの切り替えなので大きな影響があるわけではないですが、例えばイヤホンの装着を微修正するときなどに注意が必要です。

装着感については、本体部分が少し大きいせいかデフォルトのイヤーピースだと「フィットしている感じ」がなかなか掴めず、少し違和感がありました。これはイヤーピースを小さいものに変えたところ改善したので、他のイヤホンでデフォルト(おそらくMサイズ)のイヤーピースがちょうど良いと感じているユーザーは Voyager Free 60 だと大きく感じるかもしれません。調整次第ですが、長時間の装着でも負担に感じることはありませんでした。

音質に関してですが、ドンシャリではなくしっかりとした音が出るものの、全体的に軽めです。一応、アプリの設定からイコライザーをフラット、バス、ブライトの3つのプリセットから切り替えることができますが、細かい調整ができないことで音楽を聴くには少し物足りないと感じました。どちらかと言えば、声がベースの動画やポッドキャストなどを視聴するのがちょうど良いくらいです。

Poly Voyager Free 60 シリーズは、どちらかと言えば音質よりマイク性能を重視している印象で、左右それぞれに3つのマイクと WindSmart テクノロジーにより屋外にいても騒音を抑える(ノイズリダクション)機能が搭載されているため、よりクリアな音声を相手に伝えることができます。

実際にいくつかのシーンで録音をしてみましたが、録音アプリを使うとやたらと音が小さくなってしまうなどの現象が発生していたため、いつものテストとは異なる環境で録音しています。

自宅 / MacBook Pro 16 M2 Pro / ボイスメモ / USB-C
自宅 / HP Elite Dragofly Chromebook / Google Meet / USB-A
カフェ / HP Elite Dragonfly Chromebook / Google Meet / USB-A

静かな場所であれば会議でも問題はなく、カフェでも若干音がこもることと音量が不安定になりましたが、周囲の音はかなり抑えられていることはわかります。これまでいくつか試してきたワイヤレスイヤホンのなかでも、とくにマイクとノイズ低減の性能は優れていると思います。

また、外でスマートフォン経由の会議通話やカフェで Chromebook からの Google Meet での会議などを行いましたが、相手から聞き返されることはありませんでした。とは言え、本当に騒がしい場所や人の出入りが激しいオープンオフィスなどではアームマイク付きヘッドセットを使うべきで、使う場所と使い方次第になります。

私の場合、外出時に外から会議参加が決まっているときにはアームマイク付き軽量ヘッドセットを持っていき、予定はないが参加する可能性がゼロではない日に Poly Voyager Free 60+ UC を持っていくという使い方がハマっています。また、自宅でも机の上に置いておき、突発的な会議や通話用として使うことも便利でした。

一方、ANC に関しては低音を薄くマスキングするような印象で、一気に静かになるような切り替わりはありません。いくつかの場所で試してみましたが、自宅や少し静かなカフェ、オフィスであればエアコンやファンなどの低めの駆動音がカットされていることがわかります。また、音楽を流しているとメカニカルではないキーボードのタイピング音などはあまり気にならなくなりました。

しかし、人の話し声が多いカフェや電車といったある程度騒がしい場所ではANCの効果はあまり感じられませんでした。正直に言えば、同じようなカナル型イヤホンかつ同価格帯のものと比べると ANC はそこまで効果が高いとは感じません。とは言え、音楽を流せば周りの音は気にならなくなるため、全く効果がないわけではありません。

ANCの性能は価格を考えてしまうと物足りなさを感じますが、通話やオンライン会議中などにはサイドトーンもあってむしろ快適ではあるため、ヘッドセットとしての利用がメインであれば妥協できます。

そのため、音楽を聴いたり集中するためのイヤホンではなく、セミナーや動画、ポッドキャストを視聴したり、会議用のコンパクトなヘッドセット代わりとして割り切る使い方が合いました。あるいは、ANCの効果が高いイヤホンやヘッドホンとともに持ち歩き、偶発的に参加する必要のある会議で使うためにバッグに忍ばせておくという使い方もアリです。

ちなみにアプリに関してですが、Poly は PC やモバイルアプリだけでなくウェブアプリ(PWA)の Poly Lens Web App も用意されています。これを使うことで Chromebook でもイヤホンとドングルのファームウェアアップデートなどを行うことができました。しかし、ケースについては USB 接続をしても反応しなかったので、ケースのアップデートは非対応の可能性があります。

まとめ

最後に価格についてですが、公式ストア価格で Poly Voyager Free 60+ UC は51,150円と、高級ラインのヘッドホンやヘッドセットも購入できる価格設定になっています。これはなかなか勇気のある価格だと思います。

現時点では、例えば Jabra からは軽量でブームマイクのついてヘッドセット Jabra Evolve2 65 Flex があり、こちらは価格が4万円台となります。口元により近いマイクなので、Voyager Free 60 よりもしっかりとした声を届けることができます。

また、Jabra Evolve2 Buds も USBアダプタを同梱し、ANC は他の高級ラインには劣るものの Voyager Free 60 よりも効いていると感じられます。反面、マイクは Voyager Free 60 が優位ですが、Jabra Evolve2 Buds の音楽性能はコンシューマーの Elite シリーズと同等なので会議以外でも使いたいのであれば、トータルバランスは Jabra が優れていると感じました。

とは言え、何を優先するかで変わります。例えば、職場や出先など持ち運ぶことが多く、ヘッドセットではなくコンパクトなワイヤレスイヤホンが大前提で、音楽やANCよりもマイクの性能を重視するのであれば Poly Voyager Free 60+ UC は良い選択肢になると思います。とくにワイヤレスイヤホンとしてこのマイクの性能はイチオシです。

しかし、ビジネスで利用するとは言えタッチスクリーンケースなしでも4万円代前半、ありだと5万超えという価格設定はなかなか辛い。もう少し手頃な価格であればより良かったかもしれません。

2024/09/12 更新 : 冒頭でもお伝えしたように、2024年10月31日まで本製品が41%オフ(値引き後、28,644円)で購入できる限定クーポンリンクが提供されました。以下のリンクから製品ページにリンクすることで購入時に割引されます。

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著者情報

Masahide Omuraのアバター Masahide Omura Product Marketing Manager

Professional ChromeOS Administrator 取得者。これまでに40台以上の Chromebook を試し、業務でも Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行う。本業はアクセス解析や広告運用、ときにPMM。プロフィールはこちら

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