今回の記事では、Apple 製品との相性の良さで人気のある Twelve South のノートパソコンスタンドの1つである BookArc Flex の実機レビューをお届けします。
Twelve South BookArc Flex は、いままでの BookArk とは違って MacBook やノートパソコンのサイズに合わせてインサートを変える必要がなく、最大16インチ、厚さが2.5cm以下まで対応することのできる縦型のスタンドです。Mac であれば MacBook Air から Apple Silicon の MacBook Pro 16 を置くことができ、サイズが収まれば Chromebook でも Windows PC でも幅広く使えることもメリットです。
BookArk Flex のデザインも BookArk とは違いよりシンプルになっていて、本体はアルミニウム製でサイズは214(L)×93(W)×55(H)mm、重さは約240gです。カタログでは通常の BookArk よりも少し大きく重くなっていますが、サイズに関しては並べてみると大きく変わらず、むしろ BookArk Flex のほうがスッキリとして見えます。
インサートはありませんが、デバイスと触れる部分にはちゃんと傷防止のためのシリコンが敷かれています。
スタンドにデバイスを置くとデバイスの重さでアーチ状のサポートが内側に傾き、立てたデバイスをしっかりと支えるようになります。
この機構のおかげで MacBook に限らず、様々なサイズの Chromebook や Windows ノートPC を置くことができるため、以前の BookArk に比べて自由度が高くなりました。また、インサートのタイプと違って、デバイスを置いたり取り出しがしやすいこともメリットです。
しかし、実際にいくつかのデバイスで試してみたところ、ある程度の厚みや重さがないとサポートがしっかりと傾かずフィットしないといった問題がありました。
例えば、16インチ MacBook Pro や Acer Chromebook 516 GE などある程度の厚みと重さのあるデバイスであれば問題はありません。13.5インチの HP Elite Dragonfly Chromebook や14インチの Acer Chromebook Plus 514 なども特に問題はありません。
一方、より軽量な11インチの Samsung Galaxy Tab S9 FE を置いてみたところ、軽すぎるためかサポートが傾かず、グラグラして支えられません。また、ある程度の重さがあっても薄いデバイスはしっかりと挟みこめないようで、やや不安定になりました。
また、BookArk とは違いインサートでしっかりと固定されるわけではないため、机が揺れたり引っかかったりしたときに倒れやすいというデメリットがあります。特に軽くて薄いデバイスはこのリスクが高いように思いました。
海外のレビューでは M2 以降の MacBook Air 13インチや15インチが不安定という意見も多々あり、実際に使ってみた印象などから1kg以下のデバイスや軽くて薄い15インチなどの場合は別のスタンドを選ぶほうが無難かもしれません。もしくは MacBook Air 15インチなどであれば、壁際などの倒れてもリスクが最小限で済む場所に置くことが決まっているのであれば問題はないと思います。
私は13.5インチ、重さ1.3kgのデバイスや M2 Pro MacBook Pro 16 などを置いて数日使ってみましたが、昇降デスクの上げ下げや普通に使っていて倒れてしまうということはなかったので、そこまで神経質になる必要はなさそうです。とは言え、BookArk よりも不安定に感じることは事実なので、収納と取り出しのしやすさか、置いたときの安定性のどちらを重視するかによります。
持ち出す頻度が多い場合や一時的に置きたい場合などには BookArk Flex がちょうど良いですが、基本据え置きのように使う場合は BookArk のほうが安心です。また、MacBook であれば BookArk で十分だと思いますが、それ以外のデバイスも置きたいのであれば BookArk Flex がおすすめです。
なお、価格も通常の BookArk と比べて高いわけではなく Apple Store では9,800円(税込)で販売されています。そのため、使用するデバイスに幅を持たせたい場合には BookArk Flex をおすすめします。
ただし、記事執筆時点でのネックは Apple Store 以外にすぐ購入できるショップがほぼないことで、色も Black、White、Chrome の3色があるものの、Apple Store だと Black しか選ぶことができません。Amazon にもあるにはありますが、正規代理店ではなく価格も倍以上しますので、購入経路が限られていることだけ注意してください。