Fitbit デバイスや Pixel Watch では不整脈・心房細動の兆候を検出することができますが、Google はこのようなデータを医師や看護師といった医療従事者と簡単に共有できるようにすることを発表しました。
現在、静止時または睡眠中でも心拍測定を行うことができ、不整脈・不規則な心拍パターンが検出されると通知を受け取ることができます。しかし、これまで測定されたデータのエクスポートと医療従事者への共有はユーザー自身が行う必要がありました。
今回、Google は Fitbit Web API を通じて、ユーザーの同意があれば医師、看護師などの医療従事者がユーザーの心房細動データにアクセスできるようになりました。新しく追加された Afib エンドポイントを利用することで、パートナーが独自のアプリを構築する必要がなく、iOS と Android の両方で Fitbit デバイスから取得したデータを患者のケアや研究に使用できるようになるとしています。
Fitbit Web API の使用例について、次のようなケースが挙げられています。
- 病院は、このデータを心臓の健康プログラムに組み込むことができます。患者が不整脈通知を受け取ると、病院はイベント モニターや心エコー図などの適切な検査を実施して正式な診断を行い、根本的な問題を調べることができます。
- 健康保険では、心房細動のリスクがある大規模な集団を対象にした集団健康プログラムを開発できます。これにより早期発見と治療が促進され、脳卒中の予防に役立つリスク層別化が向上します。JAMA の独立分析では、このアプローチは費用対効果が高く、特に150 ドル以下のデバイスでは効果的であることがわかりました。
- 研究者はこのデータを研究に組み込むことで、不整脈通知が結果に与える影響を理解しやすくなります。
なお、新しい IRN エンドポイントを使用している患者や医療機関の従事者の場合、Fitbit アプリでデータ共有を促す通知が送られるとしています。
この機能のアップデートはユーザー向けというよりも医療機関向けになるため、ほとんどのユーザーに大きな影響があるものではありません。そもそもこういった機能が日本でも利用できるのかどうかわからないですが、医療機器としてではなく、あくまで情報提供のためであれば可能なのかもしれません。
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