「Amazfit GTS 4」は、Amazfitが日本国内で2022年10月12日に発表、翌日13日より販売を開始したスマートウォッチの新モデルです。発表では本体形状が円形の「GTR 4」と今回紹介するスクエアの「GTS 4」の2モデルがあります。なお、以前レビューしている「GTS 4 Mini」の上位機種となっています。
ということで今回は実機を提供していただく機会を得ましたので、スマートウォッチ「Amazfit GTS 4」の実機レビューをしていきたいと思います。
デザイン
「Amazfit GTS 4」の本体は金属製ボディにアルミニウム合金製のフレームとなっていて、サイズは42.7×36.5×9.9mm、重さはストラップを含めて約46gとなります。装着するとやや大きめに見えますが、重さはさほど感じないためつけ心地は悪くありません。
側面にはステンレススチール製のクラウンが備わっていて、これを押し込むことでアプリを表示したり長押しでショートカット(カスタマイズ可能)、回転させることで項目のスクロールすることもできます。なお、反対側には通話や音声アシスタントで使うマイクとスピーカーがあります。
バンドは細かく12穴があるタイプで、シリコンではなくフッ素ゴム製、交換用バンドは含まれず1本のみが同梱されています。これまでのシリーズ同様にピンで交換できるタイプのため、バンド幅とピン構造が合えば純正品以外にも交換可能です。あとバンドの端部分を手首側にしまうタイプです。
裏面のセンサ部分の盛り上がりは大きくなく、長時間装着していても負担になりにくいデザインです。なお充電はUSB-Aコネクタ付きの専用マグネット式充電器を使うことになりますが、過去シリーズと同じ形状の充電器を流用できるため、これまでにAmazfit(Zepp)スマートウォッチをお使いであれば無駄なく利用できる点はメリットです。
ディスプレイは1.75インチAMOLED、390×450解像度を採用しています。常時表示ディスプレイにも対応し、ウォッチフェイスは最大200以上、編集可能なウォッチフェイスも最大10個に増えています。この他にはアニメーションやインタラクティブダイヤルも追加されました。
過去シリーズをずっと使っていますが、少しずつウォッチフェイスのデザインも改良されているように感じ、表示する統計情報などのカスタマイズもそれなりに自由にできるようになりました。以下はアプリから設定できるウォッチフェイスの一例です。
そのため過去モデルよりもクセの強いウォッチフェイスは減り、使いやすいものが増えたと思います(凄いガラのやつとかはまだある)。ところどころ、どこかで見たことがあるデザインもありますね。
測定機能・アプリ
スポーツやエクササイズに関する測定機能は前シリーズより進化しており、150以上のモードやスポーツの自動認識機能こそ変わりませんが、筋トレやトラックラン、インターバルトレーニング、仮想ペーサー機能などが追加されています。
またGPS機能も強化されていて、6つの衛星測位システムに対応(GPS、GLONASS、GALILEO、QZSS、Beidou、NAVIC)し、業界初となるデュアルバンド円偏波GPSアンテナを搭載したことで性能と精度が向上しています。これによって電波が遮断されやすい屋外地区や建物が密集して干渉が多い地域、曇天であっても測位と追跡に高い精度を発揮するようになりました。
健康測定機能においても前モデルから機能が向上しており、新しいBioTracker 4.0センサを搭載することでデータ検出の成功率や精度が前モデルから向上しています。「GTS 4」も24時間365日の心拍モニタリングや運動時の心拍、血中酸素レベル測定、24時間ストレスモニタリング、呼吸数検出、PAI健康評価システム、呼吸エクササイズ、睡眠の質モニタリングなどに対応しています。
それとZeppのスマートウォッチはアプリから細かく機能の有効・無効やモニタリングのタイミングなどを設定できる点もメリットですね。
筆者的なポイントとしては睡眠の質モニタリングの機能改善で、これまで夜間のみ睡眠測定が機能していましたが、睡眠スケジュールを昼夜問わず作成できるようになり、スケジュールに一致した睡眠状態は主な睡眠として記録されるようになります。
このため夜勤などによって日中睡眠を取るようなユーザーでも睡眠の質をモニタリングすることできるようになりました。またスケジュールに基づいて自動でオンになる設定も可能です。昼寝でもOKなので、短時間でどれだけ休めているかを確認できるのも便利です。ちなみに睡眠の質モニタリングでは、睡眠段階(深い眠り、浅い眠り、レム睡眠)や覚醒時間、総睡眠時間、入眠・起床時間を記録し、分析レポートや睡眠スコアが提供されます。
もちろん運動測定の機能改善も魅力的ではありますが、本格的なスポーツをするユーザー向けと言え、私のように健康管理がメインのユーザーには少々やりすぎな感じは否めません。そのため付加価値として、どこまでこれらの機能を使い込めるかが「GTS 4」を選択する1つのポイントになるかと思います。健康管理機能は地味ですが便利になったと思いますので、このあたりをどう評価するかですね。
細かい追加・変更
測定機能に限らず、「GTS 4」ではZeppOSのアップデートに伴いいくつかの変更や追加が行われています。
- ショートカットリストのスタイル変更
- アプリ一覧のレイアウト変更
- モーニングアップデート機能の追加(有効にすると毎朝決まった種類の情報がポップアップで表示され、確認しやすくなる)
- 会員証表示機能(ただしQRコード形式のみ、アプリから設定可能)
- アレクサ対応(オンライン)、オフライン音声アシスタント対応(※日本語非対応)
- Bluetooth音楽コントロール対応、ストレージ内蔵、Wi-Fi接続対応
- Bluetooth接続による電話の受発信、会話対応
- スリープモードと省電力モードの改善
- ウォッチ上で利用できるミニアプリのサポートとゲームの追加
- スマートウォッチ上からのOSアップデート対応
いくつかの既存アプリや設定ではレイアウト変更や改善が加わり、過去のモデルでは「Pro版」のみが搭載していた機能などが追加、新たなアプリケーションや機能などの追加も行われています。
もともと動作もスムーズですし、GoogleのWear OSライクな操作方法とデザインに変更されたことで、より使い勝手は改善したように思います。またアプリケーションの一覧表示が、これまでのリスト表示(アイコンとテキスト)だけでなく、Apple Watchライクなアイコンのみのグリッドスタイル(3×3)に変更できるようになりました。
ただ、新機能として追加された会員証表示機能も面白いと思いますが、田舎ではこういったQRコード形式の会員証を発行しているところはほぼないため恩恵はありません。さらに追加されたミニアプリも便利そうなものがあるものの、まだ日本語翻訳されていないものがほとんどです。
新機能が追加されること自体は良いことだと思いますが、今回追加された機能は実用的か使う機会があるかどうかで評価がわかれるポイントかと思います。
あと筆者的に今後の追加機能として期待したいのは、FelicaやGoogleアシスタントへの対応ですかね。このあたりを埋めることができれば、これまで以上に使いやすいデバイスになると思います。
バッテリー駆動時間
最後にバッテリー駆動時間についてですが、機能向上などの影響のためか前モデルに比べて最大駆動日数が8日となっています。
筆者が実際に使ったところで言えば、23:00〜07:00はおやすみモード、各測定機能はデフォルトでオン、通知は1日100件程度、45〜1時間程度のウォーキング測定(GPS測位あり)といった恒例の条件で、1日(約24時間)あたり大体20〜25%程度のバッテリー消費といったところでした。
この使い方であれば4〜5日程度は持つため、ほぼ平日は充電しなくても利用可能となります。もちろん測定頻度を変えたりGPS機能をよく使うのであればこの限りではありません。前モデルほどバッテリーは持たなくなりましたが、高機能なスマートウォッチとして考えれば十分かと思います。
まとめ
「Amazfit GTS 4」は前モデルよりも機能追加と改善、精度の向上がポイントとなりますが、それが実用的かどうかはユーザー次第となります。
スポーツやエクササイズで利用するユーザー向けのアップデートという印象ですが、健康管理も検出精度の向上や機能調整が行われているため、より使いやすいスマートウォッチになりました。そのため、使いやすさに加えてより高い精度で活動量を測定したいユーザーにはオススメのモデルだと思います。
現在、Amazonや楽天市場などでは販売価格31,900円(税込)となっています。iOSとAndroidの両方に対応して自由度の高いスマートウォッチですし、測定機能やカスタマイズのしやすさなどを考えても十分価値はありますので、スマートウォッチの選択肢として検討してみていはいかがでしょうか。