ASUS JAPANは、最新ゲーミングスマートフォン「ROG Phone 6」および「ROG Phone 6 Pro」を9月30日に国内投入を発表しました。すでに東京ゲームショウ 2022のROGブースでは実機が展示されていたり、国内投入を公式サイトで予告していましたのでリリースはほぼ確実でした。
ということで、今回も実機をお借りする機会をいただきましたので、ASUSの最新ゲーミングスマートフォン「POG Phone 6」と「ROG Phone 6 Pro」を試していきたいと思います。
なお、「POG Phone 6」と「ROG Phone 6 Pro」のどちらも10月7日から日本発売となり、すでに公式ストア等で取り扱いが始まっています。
実機レビュー
その前に、「ROG Phone 6」と「ROG Phone 6 Pro」のどちらもおそらく多くのメディアで取り上げられ、ゲーミングパフォーマンスなどは詳しく紹介されると思いますので、今回も筆者的な使い方における使用感としてまとめていきますのでご了承ください。
デザイン
まずはディスプレイですが、見た目は「ROG Phone 6」と「POG Phone 6 Pro」での違いは見られません。性能面でも同一で、どちらも6.78インチのAMOLEDディスプレイを搭載、上下にわずかに広いベゼルがあります。また HDR10+やDelta-E<1、DCI-P3 111%色域カバー、ゴリラガラス Victusなどを備えています。
どちらも同じというのがポイントで、「ROG Phone 6 / 6 Pro」には業界最高水準となる最大165Hzリフレッシュレートと720Hzのタッチサンプリングレートをサポートしています。よくある「Pro」モデルだけでが最高水準ではないところが嬉しいですね。この機能はパッと見ただけではわかりませんが、ゲームプレイ時の描画の滑らかさやタッチレスポンスの良さに現れてきますので、スマホでゲームプレイを突き詰めるのであれば重要な性能です。
日常で使う場合にも、リフレッシュレートが高いほどヌルヌルとスクロールするので快適に感じると思います。ちなみにタッチ操作へのレスポンスが良いのも操作性の良さに一役買っていると思います。
ディスプレイそのものの色もキレイですし、写真閲覧や動画視聴にも十分過ぎるほどでゲーム以外の用途でも困ることはありません。
続いて背面のデザインですが、こちらは似たデザインでも「6」と「6 Pro」で大きく違う点があります。
「ROG Phone 6」はAURAライトという色や点灯パターンなどをカスタマイズできるLEDライトとが搭載されています。一方で「ROG Phone 6 Pro」には、ROG VISIONと呼ばれるカラースクリーンが搭載されていて、こちらも表示させる内容や色などをカスタマイズすることができます。ただし、カスタマイズは用意されている60種類以上のアニメーションや色から選択するスタイルです。
なお、AURAライトとROG VISIONの設定は専用アプリ(プリイン)の「ARMOURY CREATE」から設定&カスタマイズができ、このアプリではゲーミングの設定やアタッチメントの管理、AirTriggerの設定などを行うことができます。
あとさわり心地も違い、「6」はガラス感があってツルっとした感じですが、「6 Pro」は加工がされているためか少しザラっとした感じです。そのため「6 Pro」のほうが指紋も目立たず滑りにくいです。
見た目と機能、触り心地からすると筆者的には「ROG Phone 6 Pro」が好みです。カッコいい。
側面部分は、ボタンやSIMトレイなど一部のカラーリングが異なるだけで共通していて、短辺下部にはUSB-Cポートと3.5mmジャック、長辺にはもう一つのUSB-Cポートが搭載されています。USB-Cポートが2つあるのもゲーミングスマートフォンの特長です。
有線イヤホンを使うこと長辺部分のUSB-Cポートは横持ちでゲームプレイしながら充電しても邪魔になりませんし、アタッチメント(クーラー)のコネクタとしても利用されます。
今回も専用クーラー「AeroActive Cooler 6」とコントローラー「ROG Kunai 3 Gamepad」といったゲーム向けアタッチメントが用意されていて、ゲームプレイをメインとして考えているユーザーはぜひ一緒に購入しておくと良いでしょう。
特にクーラーは長時間プレイするユーザーには必須ですし、ゲームパッドもSwitchのような感覚でプレイできるので、コンシューマー機のような使い勝手を求めるのであれば欲しくなるはず。実際、私もゲームしてるときにあれば便利だなと欲しくなりました。
なお、これらアクセサリーについては数に限りがあるとされていますので、必要な人は早めに購入することをおすすめします。
また、横持ちしたときに側面上部(USB-Cポートがある長辺と反対側)にはAirTriggerと呼ばれる超音波タッチセンサーが備わっています。これは過去モデルと同じです。
単純にボタンとしてタップ操作(L/Rボタン)だけでなく合計9つの動作が設定が可能なため、一般的なゲーム機やコントローラのような操作だけでなく必要な操作方法を割り当てることができます。
操作を割り当てるためには「ARMOURY CREATE」アプリを使う必要がありますが、これはゲームプレイ中にウィンドウを呼び出すようにして設定を行うことができます。
またAriTriggerだけでなくモーションコントロール機能が備わっていますので、それも含めると最大14の機能を割り振れるだけでなく、さらにAeroActive Coolerの4つの物理ボタンも合わせて合計18つの操作を割り振ることが可能です。コンシューマーのゲーム機以上の柔軟性があることこともROGスマートフォンのメリットですね。
性能(スペック)
ここでスペックを紹介しておきます。「6」と「6 Pro」はデザイン面だと背面部分に違いがあるだけでほぼ共通ですが、実は性能面でも大きな違いがあるわけではありません。
ROG Phone 6 | ROG Phone 6 Pro | |
OS | Android 12 (ROG UI) | Android 12 (ROG UI) |
ディスプレイ | 6.78インチ ワイドAMOLED 2448 × 1080 165Hzリフレッシュレート | 6.78インチ ワイドAMOLED 2448 × 1080 165Hzリフレッシュレート |
CPU | Snapdragon 8+ Gen 1 | Snapdragon 8+ Gen 1 |
RAM/ストレージ | 12GB / 256GB 16GB / 512GB ※LPDDR5 / UFS 3.1 | 18GB / 512GB ※LPDDR5 / UFS 3.1 |
リアカメラ | 50MPメイン 13MP超広角 5MPマクロ | 50MPメイン 13MP超広角 5MPマクロ |
フロントカメラ | 12MP | 12MP |
ネットワーク | 5G/4G Wi-Fi 6 Bluetooth 5.2 NFC(A/B) | 5G/4G Wi-Fi 6 Bluetooth 5.2 NFC(A/B) |
ポート | USB-C ×2 3.5mmジャック | USB-C ×2 3.5mmジャック |
バッテリー | 6,000mAh 最大65W急速充電 | 6,000mAh 最大65W急速充電 |
その他 | 画面下内蔵指紋センサ 顔認証 IPX4防水 超音波センサ(AirTrigger) | 画面下内蔵指紋センサ 顔認証 IPX4防水 超音波センサ(AirTrigger) |
サイズ | 173×77×10.4mm | 173×77×10.4mm |
重さ | 239g | 239g |
どちらもSnapdragon 8+ Gen 1を採用し、「6」は12GBRAM/256GBストレージもしくは16GBRAM/512GBストレージ、「6 Pro」には18GBRAM/512GBストレージが搭載されているため、現状では最高峰の性能となっています。
カメラスペックや機能も含めて基本的に共通していますので、どちらを選ぶかは単純にRAM容量が多いか少ないかとなります。と言っても「6」のベースも12GBRAMを搭載していますので日常使いにはまず問題はなく、ゲームプレイの頻度やプレイするゲームのタイトル(負荷)次第です。
私も実際に原神とCall of Dutyをプレイしてみましたが、少なくともこの2つのアプリを軽くプレイするぐらいであればベースの「ROG Phone 6」でも問題ないかと思います。
プレイできないような処理落ちには遭遇せず、ほぼすべてをスムーズにこなすことができました。当然、上位モデルになるほど余裕は増えますし今後リリースされるであろう高負荷のタイトルでも対応できると思います。しかしライトゲーマーであればほとんどの場合、ベースモデルでも十分な気がします。
そのため性能だけで考えるとライトゲーマーに「ROG Phone 6 Pro」はやりすぎな気がしていて、「6 Pro」は長期的にゲームプレイを考えている人やより快適なプレイをしたい人、妥協を許さない人に向いたデバイスかと思います。あとは背面のカスタマイズして光らせたい人(筆者のように)でしょうか。
なおプレイ中の発熱に関してですが、熱くはなりますが心配になるような発熱ではありませんでした。このあたりは「ROG Phone 6」シリーズで向上した冷却システムとSnapdragon 8+ Gen 1の影響があるように感じます。心配な場合や性能の低下を防ぎたい場合にはAeroActive Coolerを併用すれば解決です。
とは言え、充電しながら使う場合は結構熱くなりますので、長時間プレイしたり充電しながらプレイすることが前提であれば、AeroActive Coolerも購入しておくほうが良いでしょう。
気になった点
ゲーム目的で購入するのであれば特に不満がないどころか、オーバースペックかも?と反対に心配すらできるデバイスです。ただ日常使いと考えた場合、NFCは搭載されているもののFelica(おサイフケータイ)が非対応なので、これも使えたらもっと便利だと思いました。
とは言っても、例えばクイックペイを使わずにQRコード決済を使うなら「ROG Phone 6」シリーズでも問題はありませんし、Suicaであればスマートウォッチで対応しているものを使えば良いだけなので、致命的な欠点というわけではありません。
あとは普段使いと考えるとちょっと大きめ&重たいというくらいですかね。「6」の方は背面ガラスなので滑りやすいということもありますが、ゲームパッドを着けてゲームするのであればこのあたりはほぼ気にならないと思います。
価格
最後に価格についてですが、今回は「ROG Phone 6」が12GBRAM/256GBストレージと16GBRAM/256GBストレージの2モデルがあり、それぞれホワイトとブラックの2色ずつの展開ですが色による価格差はありません。「ROG Phone 6 Pro」はホワイトの18GBRAM/512GBストレージのみの展開となっています。
- 12GBRAM/256GBストレージモデル : 129,800円
- 16GBRAM/512GBストレージモデル : 149,800円
- 18GBRAM/512GBストレージモデル(Pro) : 169,800円
いずれも税込価格で、ベースの「ROG Phone 6」が129,800円、RAMとストレージが増えて149,800円、「ROG Phone 6 Pro」は169,800円で販売されます。正直、いまの円安を考えてももう少し高めの価格設定になるかと思いましたが、13〜17万円の範囲で収まるようです。
またゲーミングアクセサリー類の価格は以下のとおりです。
- ROG 65W ADAPTER &1.2M USB-C CABLE : 4,580円
- AeroActive Cooler 6 : 12,480円
- ROG Kunai 3 Gamepad for ROG Phone 6 : 12,080円
- ROG Phone 6 Glass Screen Protector : 3,480円
ゲーム本体だけでなくクーラーとゲームパッドを合わせて購入するとプラス24,560円となりますので、その場合はベースモデルでも154,360円、194,360円となります。ちなみに筆者は本体のみでもこれくらいの価格になるんじゃないかと思っていました。
高性能かつ高機能な分、お値段も当然高くなってしまいますが、スマホ兼どこでもプレイできるゲーミングデバイスとして考えれば悪くはないと思います。
まとめ
ということで今回はASUSの最新ゲーミングスマートフォン「ROG Phone 6」と「ROG Phone 6 Pro」の実機レビューをしてきました。
私のようにほとんどゲームをしないユーザーにとってはオーバースペックかもしれませんが、日常生活における作業も非常に快適ですので、スマホゲームで上を目指したい人はもちろんとして、とにかく普段使いでもゲームでも快適な動作を求める人にはおすすめできるゲーミングスマートフォンだと思います。
アクセサリ類などの概要も含めた詳細はASUS Storeの「ROG Phone 6 Series」特設ページをご覧ください。
また冒頭でもお伝えしたように、発売予定は10月7日(金)となっていますが、すでに公式ストアやAmazon等でも取り扱いを開始しています。興味のある人はぜひ一度チェックしてみてください。