当サイトでは何度も紹介しているコスパ抜群のイヤホンをリリースする「EarFun」から、新作の独自ANC技術搭載の完全ワイヤレスイヤホン「EarFun Air Pro SV」が3月末より発売されました。
「EarFun Air Pro SV」は、独自のハイブリット型アクティブノイズキャンセリング(ANC)技術によって最大40dbという高いノイズ低減性能を実現し、φ10mmウール複合素材ダイナミック振動板を採用して低音品質にもこだわったモデルです。
今回はメーカーより実機を提供していただく機会に恵まれましたので、「EarFun Air Pro SV」の実機レビューをしていきたいと思います。
基本仕様と外観
「EarFun Air Pro SV」の基本仕様と特長を公式サイトから引用しておきます。
製品名 | EarFun Air Pro SV |
ドライバー | ダイナミック型 (φ10mm ウール複合素材振動板) |
ノイズキャンセリング | ハイブリッド (ANC/ヒアスルー) |
マイク | 6基(片側3基) |
通信 | Bluetooth 5.2 |
対応コーデック | AAC, SBC |
左右独立 | 対応 |
再生時間 | (ANCオフ) 6時間 (ANCオン) 4.5時間 充電ケース込みで最大24時間 |
充電方式 | ワイヤレス充電 USB-C 有線充電 |
耐水性能 | IPX5 |
重さ | イヤホン片側 5g ケース込み 53g |
・独自ANC技術「QuietSmart™ 2.0」採用
・最大40dBという高いノイズ低減性能、風切り音低減効果
・φ10mmウール複合素材ダイナミック振動板
・有線による急速チャージとワイヤレスチャージに対応した充電ケース
・左右同時伝送技術「MySync」による音途切れ防止、省電力性能の向上
・左右片側での利用に対応
・片側3基のマイクアレイによる高品質な音声通話
・EQ & タッチ操作の機能変更に対応した独自アプリ(無料、iOS/Android対応)
仕様と特長からみると、1万円以下で購入できる完全ワイヤレスイヤホンとして、ANCとヒアスルー対応、低音がしっかりと出て、左右独立で使用可能、専用アプリによるイコライザーの調整可能など、機能が豊富な点が「EarFun Air Pro SV」の利点だと思います。
ケース外観
さっそくケースの外観をチェックしていきます。
フタ部分は少々独特なデザイン?と思いましたが、蓋を開けるとイヤホンの軸部分が見えるようになっていたため、このように見えます。ユニークなデザインだと思いますが、ここから何か操作できたり確認できるわけではありませんでした。
手前の側面にはUSB-Cポートと通知LEDがあり、ここからバッテリー残量やペアリングなどのステータスチェックをすることができます。また充電中も点灯して状態を教えてくれるため、バッテリーが充電できたかどうかも確認しやすいです。
ケースはUSB-Cによる有線充電だけでなくワイヤレス充電に対応していますので、取り回ししやすく使い勝手は良いと思います。
ケースのサイズは短辺が約4.5cm、長辺が約5.6cm、厚みは約2.2cmといったところで、「AirPods Pro」のケースと似たようなサイズ感です。
イヤホンの外観
続いてイヤホンです。重さは片側約5gと軽量で、装着感も悪くありません。
本体のデザインは「AirPods Pro」のような雰囲気ですが、軸は三角形に近いストレートの棒状になっています。
軸部分でフラットになっている部分がタッチセンサーとなっていて、ここをタップ操作(押し込む必要はない)することで、既定の操作を行うことができます。
基本操作でできることは、再生/停止、次の曲に送る、音量の増減、電話を受ける/切る、着信を拒否する、2つの通話を切替、音声アシストの起動、モードの切替(ANC/ヒアスルー/ノーマル)、低遅延モード(ゲームモード)のオンオフとなっています。
押し込む動作ではなく触れるだけで良いため、モード切替のときにも不便はなく扱いやすいと思います。
使用感
では実際に「EarFun Air Pro SV」を使っての評価をまとめていきます。
音質とANC
音質については、低音がしっかりと出ていて過去のシリーズ同様に音は良いと思います。ただ高音部分がやや軽めに聞こえてしまう点が気になったので、もしかしたら低音が強調されるようになったことが裏目に出た可能性はあります。とは言え、この体感には個人差があることも重々承知ですし、明らかに問題というわけではありません。
ANCについては、低音はきれいにカットしてくれると思いますが、高音域では少し物足りなさを感じました。例えば、空調や加湿器、車の排気音などは気にならないレベルですが、人の話し声や外で流れている音楽、キーボードのカチャ音などは割と聞こえます。しかし音楽を聞き始めればノイキャンされてるなと感じるレベルではありますので、実用上には特に問題はなく、価格を考えれば十分効果はあると思います。
ヒアスルー(アンビエント/外音取り込み)モードも十分実用レベルで、音楽を聞いていても話かけられた声に反応することはできます。
全体的に音も機能もまとまっており、1万円以下のANC付き完全ワイヤレスイヤホンとしては良い選択肢です。
マイク
「EarFun Air Pro SV」と「Pixel 6 Pro」のレコーダーアプリを使って、自宅で静かな部屋とカフェでのマイクテストを行いました。
静かな部屋で使っている場合には実用的だと思いますが、カフェで作業をするときには周りの音がかなり入ってしまうのが気になります。
通話したときにはまた違いが出るかもしれませんが、この感じからWeb会議用などとしてマイクの品質を目当てにはしないほうが良さそうです。しかし急にかかってきた電話を受けたり、静かな場所で通話・会議をする場合には十分だと思います。
アプリ
アプリでできることは非常にシンプルで、イヤホン名の変更やイコライザーの調整やモードの切り替え、タッチコントロールのカスタマイズができます。
イコライザーは低音、アルト、高音の3つを”-10″から”10″までの段階を1つずつ調整可能となっています。またタッチコントロールのカスタマイズができる点は便利で、左右それぞれのトリプルタップと長押し時の操作を変更することができます。
変更できる項目は限られていますが、こういったタッチコントロールを変更できないイヤホンも多いので、アプリ必須とは言え変更できる点は悪くありません。
バッテリーや気になったこと
このレビューを書くために、2〜3時間ほどカフェでANCをオンにした状態で音楽を聞いていましたが、問題なくバッテリーは持続してくれましたのでちょっと外に行くとか通勤・通学で使うのであれば十分です。
また10分で約2時間の再生時間まで充電できる急速充電にも対応しているため、バッテリーで困ることはさほどないと思います。ケース自体の充電もUSB-Cとワイヤレス充電に対応していますので汎用性があり使いやすかったです。
全体的にバランスが取れているので悪くはないと思いますが、困ることと言えば「EarFun Air Pro SV」はマルチポイントペアリングには対応していないため、複数のデバイスを使い分ける際には手動で切り替える必要があります。
この辺はユーザーによりけりだと思いますが、例えばPCとスマホの2台を使い分けていて、イヤホンも1つで使い分けたい…と思っていても少々不便だったことがネックでしょうか。
まとめ
「EarFun Air Pro SV」は全体としてかなり良くできたANC付き完全ワイヤレスイヤホンで、1万円以下の選択肢としては悪くありません。ただ、そうは言っても9,000円近い価格ですので、そこまでの予算が出せるかどうか次第だと思います。
通学や通勤、普段使いで1万円以下のANC搭載完全ワイヤレスイヤホンを探していて、通話の頻度はさほど多くないユーザーであれば検討する価値はありますので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。