この記事では、2025 年 8 月 2 日から 8 月 8 日までの間にあった Chromebook / ChromeOS および関連サービスの主な出来事をまとめる「週間まとめ」です。
今週の大きな話題では、Chromebook 向け Steam のサポートが 2025 年末で終了すること、開発中の MT8189 を搭載する新機種の追加とベンチマークの登場、ChromeOS 138 の 2 回目のマイナーアップデートといったニュースがありました。
Chromebook 向け Steam サポート、2026 年 1 月 1 日に終了
Google は 2022 年に Chromebook 向け Steam のサポートを正式に発表し、それ以降はアルファ版、ベータ版と開発に取り組まれていましたが、2026 年 1 月 1 日にベータ版のままサポートを終了することが確認されました。
サポート終了後は、Chromebook にインストールされている Steam のゲームをプレイすることができなくなります。
「Chromebook 向け Steam」のサポートは長らく開発が行われており、機能自体はベータ版のままでしたが、ChromeOS 安定版でも利用できるようになるなど、少しずつ進んでいる印象でした。
しかし、ゲーミング PC として成り立たせるには外部 GPU やより高性能な CPU の導入は必須になり、結局のところ Chromebook の良さが活きないというのは想像に難くありません。
また、Chromebook と相性の良い GeForce Now や Xbox Cloud Gaming といったクラウドゲームサービスも拡充されているため、Chromebook のローカル上であえて Steam を動かすメリットはほとんどなかったことも事実です。
ユーザーとしては少々残念ですが、ChromeOS と Android の統合なども控えているため、今後はブラウザやクラウドゲームサービス、Android アプリでゲームをプレイすることが主体になっていくものと思われます。
MT8189 搭載の Chromebook の新機種追加とベンチマーク
現在、Google は MediaTek の未発表チップ「MT8189」を搭載した Chromebook の開発に取り組んでおり、これまでに 6 つの開発ボードが確認されていましたが、さらに 2 つの機種の開発がスタートしました。
MT8189 を搭載する Chromebook はスター・ウォーズシリーズに関連したコードネームがつけられており、今回追加された 2 つも「Tarkin」と「Phasma」という名前が付けられています。
現状ではこれらデバイスの詳細は明らかにされていませんが、ここ最近になって MT8189 を搭載する「Yoda」というコードネームのモデルが Geekbench に登場しました。
当初、パフォーマンスの向上が期待されていましたが、今回発見されたスコアはシングルコア 1,031、マルチコアは 2,227 となっており、現行の MT8188 (Kompanio 828) と同等のスコアであることが分かりました。また、コア構成やクロック周波数にも変更はなく、基本的にはマイナーアップデートである可能性が示唆されました。
まだ開発段階のため、今後最適化などで改善される可能性もありますが、現行 Kompanio 838 から大きな変更点はないかもしれません。
ChromeOS 138 の 2 回目のマイナーアップデートが展開
Google はサポートされる ChromeOS / ChromeOS Flex デバイスに向けて、ChromeOS 138 の 2 回目のマイナーアップデート (138.0.7204.221) を展開しました。
アップデートの詳細は公開されていませんが、定例のセキュリティやバグ修正が含まれているものと思われます。
既知の問題として、「一部の Chromebook から Play ストアが消えるバグ」はまだ解消されていません。一方、いくつかの細かい問題は発生していますが、ユーザーに大きな影響を与える問題は特にないようです。
なお、ChromeOS 138 の新機能となる「デスク同期」についてですが、個人の Google Workspace アカウントでは確認できなかったものの、Google Workspace アカウントでは管理コンソールから有効にすることで、機能を利用することができます。
この機能については、改めて記事で紹介する予定です。
その他の Chromebook に関連するニュース
上記以外にも、Chromebook 関連では次のようなニュースがありました。
Chromebook Plus 向け新壁紙とスクリーンセーバー「木星」の正式発表
前回の「週間まとめ」でも紹介しましたが、Chromebook Plus 限定の壁紙とスクリーンセーバー「夜明けから夜更けまで」シリーズに、新たに「木星」テーマが追加されたことを Google が正式に発表しました。
Google Cloud、2 件の ChromeOS 導入事例を紹介
Google Cloud は、海外企業 Cake と Wayfair が ChromeOS を導入した事例を紹介しました。
- 関連記事:
1 つのハウツー記事を公開
今週は、以下のハウツー記事をを公開しました。
今後もこのようなハウツーや解説記事などを投稿していく予定です。
まとめ
今週は、Chromebook 向け Steam サポートの終了が決定、MediaTek MT8189 搭載新機種のベンチマークが現行チップと同等レベルだったこと、ChromeOS 138の2回目マイナーアップデート展開(Workspaceアカウントでの「デスク同期」機能利用可能)、Chromebook Plus向け新壁紙「木星」発表、Google Cloudによる導入事例紹介、Chromebook Plus AI機能「文書読解サポート」ハウツー記事公開などのニュースがありました。
Chromebook の週間まとめ一覧はこちら。