「TicWatch Pro 5」を実機レビュー。バッテリー駆動時間の長い Wear OS スマートウォッチ

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今回の記事では、今年5月から国内で販売を開始しているMobvoiのWear OS 搭載スマートウォッチの新モデル「TicWatch Pro 5」の実機レビューをお届けします。なお、レビューにあたり実機を提供を受けています。

この TicWatch Pro 5 は、ウェアラブルデバイス向けの最新チップセットとなる Snapdragon W5+ Gen 1 が搭載されたことで性能や電力効率が改善されており、シームレスな接続性など前モデルから性能が向上していることが特長です。前世代から比べると、電力効率が50%以上改善、2倍以上の性能になっています。

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特にTicWatch シリーズはバッテリー駆動時間の長さがウリで、前モデルもWear OS スマートウォッチとしては非常に長いバッテリー駆動時間でしたが、新しい TicWatch Pro 5 も同じように長いバッテリー駆動時間を備えています。スマートモードでは80時間、エッセンシャルモードを利用することで最大45日という駆動時間です。さらに30%で最大65%まで充電することができ、15分の短時間充電でも1日分のバッテリー充電が可能です。

また、前モデルと同じくOLEDディスプレイの上に超低電力ディスプレイを備え、時計や心拍数、血中酸素、カロリー、歩数といった情報は電力消費をかけずに確認することができ、時計としての機能を長く使えるような工夫がされています。

TicWatch Pro 5 は健康管理機能もしっかりと備えており、心拍数、血中酸素、呼吸数、ストレスレベル、心拍の以上な高低、皮膚温などの検出、睡眠モニタリングを行うことができます。さらに気圧や高度の変化を測定することができるため、日常生活での利用からスポーツ、アウトドア、登山など幅広く役立つスマートウォッチです。

目次

実機レビュー

TicWatch Pro 5 は、前モデルと同じく少し大きめで厚みのあるデザインを採用していますが、見た目で受ける印象ほど重さはありません。今回も米軍調達規格 MIL-STD-810H に準拠した堅牢性を備えているため、かなりしっかりとした作りになっています。

ディスプレイは1.43インチ(466×466)のOLEDに加え、超低電力ディスプレイを搭載、Corning Gorilla Glass と耐指紋コーティングが施されています。はっきりとした色合いで見え、文字もくっきりと見やすいことが特長です。

スクリーンへの反応も良くスムーズで、画面サイズが大きめなことから見やすくタッチ操作もしやすくなっています。また、縁の部分が画面よりもわずかに高い位置にあるため、平面の場所に画面を下にして置いたとしても画面が傷つきにくくなっています。

超低電力ディスプレイ表示では、日付と時間、歩数、心拍数、バッテリー残量などが表示されており、わずかにバックライトで照らされるため暗い場所などでも安心して確認することができます。

本体の側面にはクラウン(リューズ)が搭載されており、これを回転させることでスマートウォッチのスクロール操作を行うことができます。押し込むことでアプリの一覧にアクセス、またはホームに戻ることができます。なお、もう一つのボタンは最近アクセスしたアプリを開くことができます。

底面もゴツいデザインですが、センサー部分の盛り上がりも控えめのため長時間装着していても手首への負担は少ないです。ただ、全体的なサイズが大きいため腕が細い人だと少し存在感が強くなるかもしれません。なお、デフォルトでは24mm幅の固形シリカゲルバンドが装着されていますが、ピンによる着脱のため同幅のバンドに簡単に交換することができます。

TicWatch Pro 5 は Wear OS を搭載しているため、対応する Android アプリを利用することができます。上から下にスワイプしてアクセスできるクイック設定、下から上にスワイプして通知履歴を表示、左右にスワイプすることでタイルを表示することができます。

独自OSのタイプと違って Wear OS だと Spotify の操作ができるので個人的にはありがたいですね。また、最近のGoogleのアップデートによって、GmailやGoogleカレンダーもウォッチ上から利用できるようになったため、簡単な確認であればスマートフォンを取り出さずに行えるようになりました。

この他にも TicWatch Pro 5 で着信を受けることや電話をかけることができる(スマートフォンは必須)ため、スマートフォンをすぐに取り出せない状況での通話なども手軽に行えます。LINEなども使うことができる点は Wear OS のメリットですね。

一方、Wear OS スマートウォッチなのに Google アシスタントを利用することができません。アシスタントを介したメッセージや電話、Homeアプリなどの操作ができず、アシスタントを使ってタイマーやアラームなどのちょっとした操作や天気の確認などを毎回手動で行う必要があり、手間が増えることがネックです

ただし、音声入力に対応しているため、アプリ側が対応していれば途中の操作は手動ですが、メッセージ本文は音声で作成することはできますのでアシスタントを常用していなければそこまで問題はないと思います。

健康測定とワークアウトの測定にはデフォルトでは「OneTap Measurements」や「TicHealth」、「TicExercise」を使い、結果はアプリを使って確認することができます。一部の測定データはGoogle Fit とも連携することができ、アプリで結果を見れなくなりますが Wear OS アプリをインストールすることで他の測定アプリも利用することができます。

位置情報は5つの衛星測位システム(GPS+北斗+グロナス+ガリレオ+QZSS)で測定、気圧計やコンパス機能、5ATM耐水設計になっており、オープンウォータースイミングを含む100以上のスポーツ測定に対応しています。日課のウォーキングで何度か試したところ、位置情報を測位するまでに時間はかかる印象ですが位置情報はほぼ正確でした。

日常生活のウォーキングやランニングだけでなく、水泳や登山、アウトドアなど幅広い活動をするユーザーにより向いた Wear OS スマートウォッチです。

なお、運動測定機能を使ったあとにはアプリで[回復時間]という項目が表示されており、様々なデータから次の運動までの準備時間(クールタイプのような)を教えてくれます。これにより無理な運動をせず休むべきときは休む必要があることを確認できます。

睡眠測定では、その日の睡眠時間や睡眠段階、心拍数や血中酸素、呼吸数などを確認することができます。また、睡眠に関するインサイトも簡単な内容が表示されます。

アプリに関してですが、今回の TicWatch Pro 5 ではアプリが「Mobvoi」ではなく「Mobvoi Health」に変更されている点に注意が必要です。ただしアプリでできることは大きく変わっておらず、各種測定データを見ることや最低限のスマートウォッチの設定、文字盤やタイルの変更などを行うことができます。

これは Wear OS だから仕方ないかもしれませんが、アプリ上から測定機能の細かい調整(測定間隔や機能のオンオフ)などができないことは少々不便なのが残念です。

なお、ウォッチフェイス(文字盤)ですがデフォルトで使えるもの以外でも「TimeShow」アプリを経由してインストールして使うことができます。もちろん、Wear OS アプリでウォッチフェイスをインストールすることもできるので、独自OSのスマートウォッチに比べて自由度は比較的高いと思います。

デフォルトのウォッチフェイスはどうにもクセが強いので好みが分かれますが、他のアプリでカバーできるので Wear OS である強みがこういった点で活かされています。ちなみにTimeShowは無料もあれば有料もあり、検索もし辛いので使い勝手はあまり良くはありませんでした。

TicWatch Pro 5 の使い勝手としては、Wear OS で自由度は高いもののいくつかの制限(サイレント/おやすみモードのスマホ同期、ワークアウトの自動検出など)があることやアシスタントが使えないといった点が少し使いづらいと感じました。

また、Suica(Felica)が利用できないため、これをスマートウォッチで利用したいユーザーには向いていません。NFCには対応しているためスマートウォッチでGoogle Walletのタッチ決済に対応しているカードを使っていれば、コンビニなどでの決済はクリアできます。

問題となるのはそれくらいで、それ以外の健康測定機能やワークアウト測定、堅牢性、操作性などは十分に扱いやすく、超低電力ディスプレイで時計としての機能は確実に果たし、何よりバッテリー駆動時間が他のWear OS デバイスよりも長いという点が魅力です。

筆者の使い方であれば、だいたい2〜3日は充電せずに使うことができました。条件は23:00〜07:00におやすみ時間モード、常時表示はオフで通知は1日50件程度です。以下が大まかなバッテリーの変動です。

  • 1日目
    • 09:00 : 89%
    • 13:00 : 86%
    • 14:00 : 78% (約45分 ウォーキング/GPSあり)
    • 18:00 : 75%
    • 23:00 : 71%
  • 2日目
    • 09:00 : 62%
    • 11:00 : 60%
    • 12:00 : 59%
    • 20:00 : 48%

決まった時間帯に確認できなかったのが残念ですが、私の使い方であれば24時間で約27〜30%というところでした。GPSを利用した1時間未満のウォーキングを含んでこれくらいの時間持てば十分かと思います。

一般的なWear OS スマートウォッチは24時間ほどしか持ちませんが、TicWatch Pro 5 はその2〜3倍の駆動時間が期待できます。1泊の出張や旅行、充電できない状況がしばらく続く場合などに安心して持っていくことができ、この点が TicWatch Pro 5 の最大のメリットです。

まとめ

ということで.、今回は Wear OS スマートウォッチ「TicWatch Pro 5」でしたが、最大の特長であるバッテリー駆動時間、Wear OS ならではのアプリの自由度といった点に魅力を感じればとても良い選択肢になります。機能も特定のデバイスに縛られないため、Android スマートフォンで広く使うことができる点も見逃せません。日常使用だけでなく、キャンプや登山などアウトドアで利用するユーザーにもオススメできる1台です。

一方で、Wear OS の痒いところに手が届かない点やSuica(Felica)に対応していないことがネックになります。Wear OS は TicWatch Pro 5だけの問題ではないため仕方ないとして、Suicaが必須でなければデメリットにはなりません。

筆者としては Wear OS かつバッテリー駆動時間の長さという点だけでも検討する価値はあると思います。なお、価格に関しては通常価格49,999円(Amazon)と少し高めですが、定期的にセールやクーポンが提供されていますので、そのタイミングを狙うとお得です。

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著者情報

Masahide Omuraのアバター Masahide Omura Product Marketing Manager

Professional ChromeOS Administrator 取得者。これまでに40台以上の Chromebook を試し、業務でも Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行う。本業はアクセス解析や広告運用、ときにPMM。プロフィールはこちら

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