「Microsoft Surface Laptop 5 13.5インチ」のCore i5モデルを実機レビュー

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Microsoftのスタンダードなノートパソコン「Surface Laptop」シリーズの最新モデル「Surface Laptop 5」は、2022年10月末から日本国内で販売を開始しています。新しいモデルとなりますが、外観に大きな違いはなく、CPUが最新のインテル第12世代へとアップデートされていることが主な変更点です。

今回も日本マイクロソフトより実機をお借りする機会をいただきましたので、「Microsoft Surface Laptop 5」の13.5インチモデルの実機レビューをしていきたいと思います。ちなみに後日、15インチモデルのレビューも投稿予定です。

目次

スペック

まずは今回紹介する「Surface Laptop 5」の13インチモデルと15インチモデルのスペックを改めて掲載します。

13.5インチ15インチ
OSWindows 11 HomeWindows 11 Home
ディスプレイ13.5インチ
2256×1504
60Hz
15インチ
2496×1664
60Hz
CPUCore i5-1235U
(Core i7-1255U)
Core i7-1255U
RAM8GB
(16GB)
8GB
16GB
32GB
内部ストレージ512GB
(256GB)
256GB
512GB
1TB
外部ストレージ
Webカメラ720p
Windows Hello
720p
Windows Hello
ポートUSB-C(TB4) ×1
USB-A ×1
Surface Connect
3.5mm Audio jack
USB-C(TB4) ×1
USB-A ×1
Surface Connect
3.5mm Audio jack
ネットワークWi-Fi 6E
Bluetooth 5.1
Wi-Fi 6E
Bluetooth 5.1
バッテリー最大18時間最大17時間
サイズ308mm x 223mm
x 14.22mm
339.5mm x 244mm
x 14.5mm
重さ1.297kg1.560kg

13.5インチと15インチで選択できるCPUに違いがありますが、今回のレビューでは「Surface Laptop 5」はベースモデルと言えるインテル第12世代Core i5-1235Uと8GBRAMを搭載したモデルを試用しています。

なお、前モデル「Surface Laptop 4」の13.5インチモデルから、USB-CポートがUSB4.0/Thunderbolt 4へと変更されています。この変更でより高速なThunderbolt 4対応ハブなども利用することができるようになっています。あとはAMD Ryzenを搭載するモデルがなくなってインテルのみとなりました。

Geekbench ベンチマーク

ここで先に実機で測定したGeekbenchのベンチマークスコアを紹介しておきます。本機「Surface Laptop 5 13.5″」で測定したものと、昨年の実機レビューで測定した「Surface Laptop 4 13.5”」のスコアです。

「Surface Laptop 4」は、インテル第11世代Core i5-1135G7と8GBRAMを搭載しており、今回の「Surface Laptop 5」ではインテル第12世代Core i5-1235Uへと変更されています。シングルコアスコアは大きな変化はありませんが、マルチコアスコアが電源接続時で約28%、バッテリー駆動時で約38%と大きく向上していることがわかります。

もちろん、ベンチマークですべてを語れるわけではありませんが、ハードウェア的には大きく変化がなかったものの内部的にはしっかりと性能向上をしており、快適な動作をしてくれるという一つの目安になるかと思います。

実機レビュー

では「Surface Laptop 5 13.5」の実機に移ります。今回レビューしているモデルの外装はメタル(ブラック)のタイプで、触り心地や質感なども前モデルと同じです。

メタルボディのモデルは重さが約1.3kgと最軽量な部類ではありませんが、見た目の質感やサイズ感などを考えれば比較的軽めなモデルだと思います。筆者としては質感含めて雰囲気はわりと好みではあるものの、ベタベタ触ると指紋が目立ってくるのが難点でしょうか。

本体側面にあるポートも前モデルから変化はなく、左側にUSB-A、USB-C(TB4)、ヘッドフォンジャックが搭載され、右側にはSurface Connectポートがあります。

USB-CポートがThunderbolt 4をサポートしたことは喜ばしいですが、このポート数では何かと不便で、複数の周辺機器をレシーバーやUSBで利用しようと思うとハブやSurface Dockが必須となってしまう点は相変わらずいただけません。Surface Connectポートがあるのは良いですが、せめてUSB-Cポートをもう一つ増設してもらいたいと思います。さすがに「Laptop 5」になったら増えるだろうと期待していたにも関わらず…これが一番残念なところでした。

続いてキーボードとトラックバッドですが、こちらも基本的には前モデルと同じで、キーボードは日本語配列を採用しています。トラックパッドは反応も滑りも良く、スムーズな操作が可能です。

エンターキーやその周辺もちゃんと幅もあり、日本語配列としては割と素直なキーボードかと思います。普段は英語配列しか使っていない筆者ですが、このシリーズのキーボードはわりと抵抗なく使うことができています。唯一気になるとすれば、バックスペースが他のキーに比べて小さめなので、たまにミスって「¥」キーを入力してしまうくらいでしょうか。筆者としては英語配列モデルを、せめて法人だけでも選べるようにしてもらいたいと思っています。

ちなみに「Surface Laptop 5」シリーズは、バックスペースキーの上は電源ボタンではなくDelキーとなっています。そのためバックスペースと間違って電源ボタンを押してしまう心配はほとんどありません。なお、デフォルトでは電源ボタンを押すと即時スリープが有効になっているため、間違って入力して毎回画面がオフになるのが鬱陶しいと思う人は、[コントロール パネル]の[電源オプション]から、電源ボタンを押したときの動作を変更することで押してスリープになるのを防ぐことができます。

ディスプレイも前モデルから変更はありませんが、13.5インチ Pixel Senseディスプレイとなっていて、3:2のアスペクト比を採用した2256×1504解像度のため、作業領域が一般的なフルHDディスプレイに比べて広いことが特長です。

タッチスクリーンやSurface ペン(Microsoft Pen Protocol / MPP)といったペンにも対応しています。ディスプレイ上部には720pのWebカメラがあり、Windows Hello 顔認証カメラも採用しているためログインやスリープからの復帰がスムーズです。Webカメラは最近のハイエンドモデルに多く採用されている1080pでも良かったと思いますが、720pでも実用上には問題はありません。

実際の作業について

数日間、この記事を執筆する目的だけでなくいくつかのブログ関連の作業やWordによる簡単な文章作成、エクセルによる簡単な表計算、パワポで15枚程度の資料作成を「Surface Laptop 5 13.5」で行いましたが、ほとんどの作業で問題はありませんでした。

Lightroomを利用して20〜30枚程度の写真編集や書き出し、Photoshopを利用して画像にテキスト挿入やぼかしなどの作業を行ったところ、爆速というわけではありませんが、大きなストレスなく操作できるレベルでした。

ただ、最上位モデルや外付けグラボを搭載するようなモデルと比べたら読み込みや反映まで若干の時間がかかるため、Macも含めてグラフィック性能の高いモデルを利用したことがあると待ち時間が長く感じるかもしれません。とは言え、ライトな作業であればCore i5/8GBRAMでも十分にこなせています。

またバッテリー駆動ですが、Chromeでブログ編集作業、Lightroomで10〜20枚の簡単な写真編集、Photoshopで画像リサイズ+テキスト挿入といった作業を1時間行ったところ、大体17〜20%の消費となりました。この使い方で5〜6時間程度でしたので、筆者が普段行うブラウザベースの作業であればもう少し行けそうな気がします。案外バッテリーは持ってくれますので、性能面も含めて持ち運びするデバイスとしても十分なレベルだと思います。

全体的に悪くはありませんが、使って行くにつれて最後まで勿体ないと感じていたのはやっぱりポートが不足しているという点です。

自宅で作業をするときは、USB-Cケーブル 1本で出力できるディスプレイを使っているためさほど影響はありませんが、それでもUSB-Cポートがもう一つ欲しいと思いました。というのも、普段から業務でJabra Evolve2 85を利用しており、ディスプレイ側のUSBポートもWebカメラやマウスのレシーバーなどで埋まっているため、ディスプレイ出力するとJabra Link(筆者はUSB-Cタイプ)を差すところがなくなってしまいます。ハブを付け足せ&Surface Connect使えと言われればそれまでですが、汎用性のあるUSB-Cを活用したいところですし、やっぱこれがとても不便でした。

むしろハブを使うことが前提となってしまうので、ある程度環境が整っている場所なら良いですが、出先などでは少々苦労します。これは前モデルから変化がない点ですので、ぜひとも次には改善してもらいたいと強く願っています(Surface Pro シリーズですら2つになったのに)。

価格

最後に価格についてですが、「Surface Laptop 5 13.5インチ」の公式ストアの販売価格は以下のようになっています(いずれも税込)。

  • 13.5インチ
    • Core i5/8GB/256GB : 151,580円
    • Core i5/8GB/512GB : 194,480円
    • Core i5/16GB/512GB : 223,080円
    • Core i7/16GB/512GB : 251,680円

このモデルはCore i5/8GBRAM、512GBストレージモデルとなりますので約20万円です。前モデル「Surface Laptop 4」と比べると、円安の影響も受けていると思いますが同スペックで実質3.3万円ほど値上げとなっています。またRyzenモデルがなくなったことで、16GBRAMモデルを選ぶためには20万円以上を出すしかなくなってしまいました。

仕方ないことではありますが、主な変更点がCPU(とRAMの規格)、Thunderbolt 4サポートというくらいに留まっているため、少々お値段が高めという印象です。正直、インテル第11世代を搭載した「Surface Laptop 4」の時点でベースモデルでも十分実用的な性能となっていると感じており、価格も据え置きかつセールなどで大きく値下げされるタイミングも出てきているので悩ましいところですね。

性能が向上したことやThunderbolt 4をサポートしたことが大きなメリットであると感じたのであれば、多少高くても「Surface Laptop 5」を選ぶべきだと思いますが、それ以外に大きな変化がないことから、セールなどのタイミングを狙って「Surface Laptop 4」の上位モデルを狙うという選択肢もアリだと思います。このあたりは予算や目的次第とも言えますが、筆者としては前モデルでも悪くないと感じています。

まとめ

ということで「Microsoft Surface Laptop 5 13.5インチモデル」の実機レビューをまとめると、性能面では大きく向上していることは確実で、Core i5/8GBRAMモデルでもさらに十分実用的になったと思いましたが、やはりハードウェアへのテコ入れもして欲しかったというところですね。

とは言え性能が向上した新モデルですので、長く使いたい場合やできる限り性能の良いものを選びたいのであれば「Surface Laptop 5」を検討する価値はあります。普段使い、ビジネス、学校でブラウザ、Office利用といったライトな使い方であればベースモデルでも十分ですが、あくまでもそれなりにこなせるという意味ですので、予算が許せば16GBRAMあるいはCore i7モデルを選ぶ方が何かと安心です。

「Surface Laptop 5」シリーズはMicrosoft StoreもしくはAmazon、家電量販店などで購入することができますので、チェックしてみてください。

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著者情報

Masahide Omuraのアバター Masahide Omura Product Marketing Manager

Professional ChromeOS Administrator 取得者。これまでに40台以上の Chromebook を試し、業務でも Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行う。本業はアクセス解析や広告運用、ときにPMM。プロフィールはこちら

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