「Google Pixel Watch 2」の実機レビュー。改善して機能は Fitbit デバイスに近づいた

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今回の記事では、Googleが2023年10月4日に発表し、日本では10月12日から発売されたスマートウォッチの新モデル「Pixel Watch 2」の実機レビューをお届けします。

「Google Pixel Watch 2」は見た目こそ大きく変わりませんが、新しいセンサが搭載されたことで測定できる項目が増え、新機能もいくつか追加されています。Wear OS 4 へとアップグレードされたことも影響していますが、前世代では物足りないと感じた部分のほとんどが改善されており、ウェアラブルデバイスの先駆者であり傘下でもある Fitbit のデバイスに近づく、良いデバイスに仕上がっていると感じます。

ただ、使い始めて数日経過した段階のため、細かいところまで使い込んでいるとは言えません。そのため、主に前世代と比較してどうか、新機能についての話題を中心に紹介していきます。

目次

デザイン

本体のデザインは前世代から変わったようには見えませんが、右側面のリューズの大きさやボタンの位置と左側面のマイクとスピーカーの位置が微妙に変更されています。リューズ(クラウン)はスクロール操作に対応、リューズもサイドボタンも単押し、2回押し、長押しの3つの操作が割り当てられています。

ディスプレイ自体に変更はなく、最大輝度1,000nits、320ppi AMOLEDディスプレイ、カスタム3D Corning Grilla Glassとなっています。ベゼルの厚みなどにも変化はありません。以下の画像は黒色バンドが前世代Pixel Watch、青色(Bay)バンドがPixel Watch 2です。

一方、本体ケース部分の素材がリサイクル ステンレス(80%)からリサイクル アルミニウム(100%)へと変更されました。これによりバンドを除く重さが約5g軽くなり、腕につけたときの負担が少し減って装着感が改善されました。わずかな違いですが、腕に乗るような感覚が和らいだ気がします。

反対に新しいセンサーが搭載されたことで底面が大きく変わっています。また充電方式がマグネットではなくピンによる接触方式に変更されました。

そのため前世代の充電器を流用することができないことと、充電するときには向きがあるため適当に置いて充電できないことに注意してください。肝心の充電は30分で12時間分、80分で100%まで充電することができます。これは前世代の発表時と変わりませんが、最近のアップデートで変更が加わり、前世代の充電速度は遅くなっています。

バンドに関しては、前世代から共通した着脱の仕組みを採用しているため流用することができます。なお、購入時にはバンドサイズSとLの2種類が同梱されている点も変わりありません。

本体機能 &測定機能

続いて本体の機能ですが、基本的にできることは変わりませんが新しいセンサーにより測定できる項目が増えたことと、より正確な情報を得られるようになっています。

ウォッチの機能としては、健康測定やエクササイズの測定、スマートフォンからの通知を受け取る、Googleアシスタントの活用、ウォッチ上のアプリを使った操作ができます。新しく追加された安全確認や緊急SOS、高心拍通知、転倒検出なども利用できます。

今回の新モデルで大きい変更は「Fitbit Sense 2」で利用できた身体反応の計測や皮膚温測定を利用できるようになり、血中酸素濃度、心拍変動、安静時の心拍数などのデータを含め、主流の健康測定機能だけでなくストレスレベルの管理をサポートしたことです。

「Fitbit Sense 2」と同じく、何か大きく身体反応の変化があったタイミングで「いまの気分」を入力するように通知がきます。これを続け、定期的に振り返ることで生活習慣などを改善してストレスに対処できるようになる、はずです。

ただ、毎回自分で入力するのが手間な点は変わりません。あとからまとめて入力しようにも何があったか忘れている可能性もあるので、意識していないと中々難しいですね。また、新たに「Fitbit Relax」というウォッチアプリも追加され、ガイド付き呼吸セッションを実施することもできるようになりました。これはマインドフルネスとしてカウントされます。

ちなみに心電図機能ですが、アプリとして「Pixel Watch 2」に組み込まれているものの、日本ではサポートされていないため前世代や他のデバイスと同様に心電図機能を使うことができません。

前世代までは Fitbit と Pixel で使える機能が分けられていた印象でしたが、Pixel Watch 2 ではその差が限りなくなくなっており、Fitbit デバイスと遜色なく使うことができるようになったと思います。

あとはそれぞれのデータを表示するグラフのデザイン変更などがありますが、今回は以下の点が大きく改善されていてよかったと思っています。

おやすみ時間 / サイレントモード の同期

「Pixel Watch 2」ではストレス測定や安全確認などの機能が追加されたことだけでなく、何よりスマートフォンのおやすみ時間モードとサイレントモードが同期するようになったことが大きな改善の1つです。

前世代までは Pixel Watch 上から手動でおやすみ時間を有効・無効にする必要がありましたが、Pixel Watch 2からはスマートフォン側の設定と連動するため切り替えの手間がなくなり、し忘れを防ぐことができるようになりました。設定はスマートフォンのPixel Watch コンパニオンアプリの[通知]にあります。

エクササイズの自動検出

もうひとつは、自動ワークアウト モード を搭載したことでエクササイズの自動検出に対応しました。この機能も大体の高価格帯スマートウォッチに搭載されている機能ですが、なぜか前世代のPixel Watchにはなく、かなり不便でした。

「Pixel Watch 2」は自動的にアクティビティを検出して、エクササイズを開始・停止してくれるようになったため、設定し忘れたり切り忘れたときにも安心できるようになりました。

バッテリー駆動時間

もうひとつ改善を感じたポイントは、バッテリー駆動時間です。前世代とほぼ同じ条件で使用してみたところ、AOD(常に画面をON)を有効にした状態で、ざっくり1.2倍くらいバッテリー駆動時間が長くなったような印象です。

筆者の場合、だいたい22時に100%まで充電して、22:30から6:00までがおやすみ時間モード、日中は通知を80〜100くらい受け取り、45〜1時間程度のエクササイズを行います。これで Pixel Watch のときはAODをオフにしていても10%前後になることもありましたが、Pixel Watch 2 はAODをオンでも20%を切るくらいで残ります。

当然、まだ数日の使用なので今後変化する可能性は十分に考えられますが、少なくともAODの状態でもPixel Watchよりバッテリーは持つので、確実に改善しているはずです。

とは言え、Fitbit デバイスなど独自OSを搭載しているスマートウォッチとは違い、24時間前後しか持たないことに変わりありません。より長いバッテリー駆動時間を必要とするのであれば、「Fitbit Sense 2」や「Fitbit Versa 4」、あるいは「Fitbit Charge 6」を検討するほうが良いですね。

気になる点

「Pixel Watch」からの比較という点で見ると、大体のところが改善されているためそこまで不満はありません。ただ、前述のようにバッテリー駆動時間が延びたとは言え、24時間がやっとというところなので Apple Watch Ultra くらいにもう少し長い時間使えても良いとは思います。あとは充電器が流用できないことで、複数必要なユーザーは買い直す必要があるのは勿体ないですね。

あとは長期間使っていって問題が出るかどうかですが、問題といえば国内ではGoogleストアで購入したPixel Watch 2には修理の追加保証などがないことが挙げられます。保証や修理(交換)サービスが含まれる店舗等で購入したのであれば良いですが、そうでないと壊したら終わりなのが悩ましい点です。とは言え、それは前世代も同様でしたので、壊さないようにほどほど気をつけて使うしかありません。

まとめ

ということで、今回は「Pixel Watch 2」を数日使用してみてのレビューでしたが、前世代から改善されている点が多く、より使いやすくなっているので満足です。価格が大きく上昇しているので何とも言えない部分はありますが、現状の相場を考えたり、Fitbitデバイスとの兼ね合いを考えると、できることの多い Wear OS を搭載した「Pixel Watch 2」がこの価格になるのは仕方ないと思います。

Android スマートフォン、とくに Pixel スマートフォン ユーザーには相性の良い スマートウォッチに違いはないので、前世代からの乗り換えでも新規購入でもおすすめです。

今回、筆者は「Pixel Fold」の購入時に付与されたストアクレジットを使いたかったので Google ストアで購入しましたが、Amazonや楽天、家電量販店や携帯キャリアショップ(LTEモデル)などでも購入することができます。

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著者情報

Masahide Omuraのアバター Masahide Omura Product Marketing Manager

Professional ChromeOS Administrator 取得者。これまでに40台以上の Chromebook を試し、業務でも Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行う。本業はアクセス解析や広告運用、ときにPMM。プロフィールはこちら

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