「Google Pixel Fold」を実機レビュー。想像よりも良く、満足できるデバイス

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今回の記事では、Googleが初めてリリースした折りたたみ式スマートフォン「Pixel Fold」の実機レビューをお届けします。

「Google Pixel Fold」は過去数年にわたり様々な情報が出ており、リリースの遅れなども指摘されるなかで2023年5月に開催されたGoogle I/O 2023にてようやく正式発表となりました。国内での販売が開始した直後にしっかり予約し、到着が遅くなる可能性も報告されていましたが、無事に2023年7月27日に手元に届きました。本当はもう少し早く投稿する予定でしたが、普通に使ってしまいレビューを投稿することを忘れていました。

筆者としては、予想していたよりも良い(マシな)デバイスに仕上がっていたため、違和感なく使え第1世代の「Pixel Fold」でも十分だと思うレベルです。むしろデバイスというよりアプリ側の対応に期待ですかね。

ということで、直前まで使っていた「Samsung Galaxy Z Fold 4」と「Google Pixel Fold」の使い勝手を比較しつつ、まとめていきます。

目次

デザイン

まずは「Pixel Fold」のデザインから。「Pixel Fold」はカバーディスプレイが5.8インチ、右側側面部分には電源ボタンとボリュームボタン、下部にUSB-CポートとNanoSIMスロットがあります。

折りたたんだときには隙間がほぼなくピッタリと閉じており、本体のサイズはパスポートと同程度のため、掴んで持ちやすいデザインになっています。また、背面部分はマットな質感になっており、「Pixel 7」シリーズのようにガラスパネルではないため滑りづらく、指紋も目立ちにくくなっています。

金属で擦ったりしなければ傷はそこまで目立たないと思いますが、カメラのフレーム部分は相変わらず傷が付きやすいように感じます(すでについている)。

筆者としては細長バータイプの「Galaxy Fold 4」も握りやすくて嫌いではありませんでしたが、幅広になった「Pixel Fold」は入力時などの操作性がより快適に感じました。ただ、どちらも開いたときにはカメラが邪魔になるので机の上にフラットに置くことはできません。

ここで「Pixel Fold」と「Galaxy Fold 4」の違いを写真で紹介。

すでに発表されている新モデル「Galaxy Fold 5」も、折りたたんだときに隙間がなくなった以外はほぼ変わらないデザインですので、幅広か縦長のどっちが好みかにもよります。

実機レビュー

「Pixel Fold」のカバーディスプレイは最大120Hzリフレッシュレートに対応した5.8インチ、2,092 x 1,080のAMOLED ディスプレイとなっています。

ある程度の幅があることで文字入力のときにもテンキーフリック、QWERTYとも違和感なく使うことができます。厚みはあるものの、ディスプレイサイズだけ見れば「Pixel 4a」くらいのコンパクトサイズになるため取り回しはしやすいです。

コンパクトなスマホを使うことに抵抗がないユーザーだと、カバーディスプレイだけでもほとんど完結してしまうと思います。折りたたみじゃなくて普通にこのサイズで出せば良いのでは、とたまに考えてしまいます。

続いてメインディスプレイは、最大120Hzリフレッシュレートに対応した7.6インチ、2,208 x 1,840 OLED パネルを搭載しています。「Galaxy Z Fold 4」と比べて縦が短く幅が広くなっています。

最初に手にしたときにはベゼルはたしかに気になったものの、使い始めてからはそこまで気になることはありませんでした。電源がオフだと結構気になるかもしれません。

折り目に関しては、「Z Fold 4」よりも目立つような印象は受けましたが、こちらも使っているうちにそこまで気にならなくなります。むしろこんなもんか、という程度で慣れてしまうというのが本音かもしれません。「Pixel Fold」が初めての折りたたみスマートフォンという人も多いかもしれませんが、とりあえず折り目は仕方ないし、そんなもんだと考えれば良いかと思います。

実際の操作性の部分ですが、Googleアプリに関してはGoogleがタブレットやフォルダブルデバイスへの最適化を進めているおかげで、そこまで不便に感じることはありません。ただ、それ以外のアプリではまだ左右に黒帯が表示されてしまったり、サイズ感がおかしいこともあるため多少の不便があります。これはPixel Foldに限ったことではありません。

また、2画面分割をすることもでき、対応するアプリなら同じアプリ(例えばChrome)を左右に分割することもできます。開いた画面で2つのアプリを使いたい場合、例えばChromeで調べものをしつつKeepやドキュメントでメモを取るといったときには便利です。

タスクバー(ドック)のアプリの配置について、カバーディスプレイ側は一般的なAndroidスマートフォンと同じく最大5個までしか配置できませんが、開いた状態であれば6個以上を配置することができます。

この場合、閉じたときには左から5個目がカバーディスプレイのドックに表示されます。上の画像で言えばGmailまで、Kindleはカバーディスプレイには表示されず、メインディスプレイのみに表示されます。

ちなみに、開いた状態で折り目から左側の画面に配置されているウィジェットと画面を跨いでいるウィジェットが、カバーディスプレイのホーム画面の1枚目にあたり、右側に配置されているウィジェットは2枚目のホーム画面の扱いになります。

そのため、折りたたみ時と展開時のアプリやウィジェットの配置は引き継がれるということになります。折りたたみ時と展開時で使うアプリが違うこともあると想うので、このあたりは配置されるアプリやウィジェットを個別に設定することができる「Galaxy Fold」シリーズのほうが扱いやすかったです。

キーボードに関しては、デフォルトのGoogle Gboardを使っていれば、閉じているときにはテンキーフリック、開いてQWERTYと分けたり、どちらも共通させるという設定ができます。

通常の中央寄りの配置、スプリット(左右分割)、フローティングなどの配置も使うことができるため、文字入力にはそこまで不便は感じませんでした。このサイズでのQWERTY入力に慣れていないと、最初が少し不便という程度です。

バッテリーについてですが、テザリングを1.5時間程度・Spotifyで音楽再生を2時間程度、デフォルトカメラアプリで写真撮影(40〜50枚くらい)、ニュースやチャットなどを1時間程度といった感じで使い、最終的に約9時間程度でバッテリー残量が43%となりました。似たような条件で「Galaxy Fold 4」は30%を切ったので、「Pixel Fold」は健闘したと思います。

テザリングを使わず、Kindle代わりにしてブラウザやニュースチェック、コミュニケーション、音楽再生などがメインであれば朝から晩までは持つと思います。

カメラ

野良でPixel Foldを使って撮影した写真のサンプルです。通常、広角、2倍ズーム、5倍ズーム順で撮影しています。

2倍ズームまでは、色も含めてしっかりと撮影できていると思います。一方、5倍ズームにすると少し色がボケている印象があります。とは言え、5倍ズームを使う機会はそこまで多いとは思いませんし、そういう機会がそれなりにとすれば、それに合うスマホやカメラを選ぶ方が良いかと思います。

続いて、メインディスプレイのフロントカメラを使って自撮りをしてみました。通常と、1.4倍のズームです。

本気で撮影するのであれば色など物足りなさは感じるかもしれませんが、筆者としては十分かと思います。また、Pixel Fold はリアカメラをフロントカメラ代わりに使うことができますので、よりキレイに撮影したい場合にはそちらを利用するほうが良いですね。

物足りなかったところ

「Pixel Fold」を使っていて物足りなかったところと言えば、直前まで「Galaxy Fold 4」を使っていた影響もあって、スタイラスペンに非対応なことでしょうか。「Pixel Tablet」がUSIスタイラスペンに対応していたこともあって、「Pixel Fold 」も実際に触るまでペンが使えるような気でいたので肩透かしを食いました。対応していなくても不便なわけではありませんが、USIペンに対応していればChromebookとの相性も良く、もっと便利になったと思います。

ホーム画面のアプリ配置の同期も、「Galaxy Fold」のように折りたたみ時と展開時で分けられれば、それぞれのスタイルに合うアプリを使いやすくなるので、これも惜しいと感じました。

もともとGalaxy Fold 4で折りたたみ式スマートフォンはこんなものというイメージが出来ていたことや、勝手に想像していたイメージよりも「Pixel Fold」が良く出来ているという印象だったこともあって、そこまで不満や後悔はありません。

ただ、それでも25万円の価値があるかと言われるとすごく悩ましいですね。筆者は「Pixel 7 Pro」を下取りして残っていたストアクレジットを使い、実質18万円ほどで購入しています。18万でもなかなかのお値段ですが、Google初の折りたたみ式スマートフォンということでとりあえず買ってみようと思えます。他のフラッグシップハイエンドスマートフォンも高くなっていますので。

できればもう少し安価であれば多くの人の手が届きやすいとは思いますが、何となく折りたたみ式スマートフォンを買うことは少ないでしょうし、ある程度の使い方を考えておかないと勿体ないことになります。筆者もカバーディスプレイ側の操作が8割くらいなので、折りたたみである必要があったのかは未だに悩みます。

しかし、コンパクトなスマートフォンと小さめのタブレットという2役を1つのデバイスで兼ねて、できる限りシンプルな構成にしたいという人であれば検討する価値はあると思います。とくにGoogleサービスがメインでChromebookを使っているユーザーには面白い選択肢になるはずです。

まとめ

ということで、「Google Pixel Fold」はハマる人にはハマるけど、金額的にも許容できる人は限られているデバイスです。しかし、合う人は合うので、予算が許せばオススメできる1台ですね。

Google謹製ということもあってGoogleサービスやAndroidの最適化は進んでいるものの、それ以外のアプリなどはまだ道半ばなので、思ったような挙動にならない可能性があることや第1世代のデバイスなので次に来るデバイスはより完成度が高くなっているはず、という点でオススメしづらいところはあります。

いずれにしても、用途がイメージできて価格に納得できるのであれば、検討してみる価値はあります。

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著者情報

Masahide Omuraのアバター Masahide Omura Product Marketing Manager

Professional ChromeOS Administrator 取得者。これまでに40台以上の Chromebook を試し、業務でも Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行う。本業はアクセス解析や広告運用、ときにPMM。プロフィールはこちら

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