Ryzen 7 5800H搭載のミニPC「Beelink SER5 MAX」を実機レビュー

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今回の記事では、Ryzen 7 5800Hを搭載するBeelinkのミニPC(NUC)の最新モデル「Beelink Mini PC SER5 MAX」の実機レビューをお届けします。なお、このレビューはメーカーより実機の提供を受けて執筆しています

Beelinkは手頃な価格でコンパクトなWindowsデスクトップPCを多数リリースしており、「SER5 MAX」も奥行113mm×幅126mm×厚み42mm、本体のみの重さもわずか510gとコンパクト&軽量なモデルです。

現行では「Beelink SER5」シリーズに無印、Pro、今回紹介するMAXの3つがラインナップされています。それぞれの違いは搭載しているCPUや筐体のデザイン(ポート等含む)で、「SER5 MAX」にはAMD Ryzen 7 5800Hが搭載され、本体の天板部分にファブリック素材が採用されています。

まずは「Beelink SER5 MAX」のスペックから紹介。

目次

スペック

OSWindows 11
CPURyzen 7 5800H
RAM16GB / 32GB
最大64GB
※SO-DIMM DDR4 3200MHz
内部ストレージ512GB / 1TB
最大2TB
※M.2 NVMe SSD
外部ストレージ
前面ポートUSB-C(映像出力対応) ×1
USB-A(3.2) ×2
3.5mm オーディオ
背面ポートUSB-A(3.2) ×1
USB-A(2.0) ×1
Ethernet ×1
HDMI ×1
DisplayPort ×1
電源ポート
ネットワークWi-Fi 6
Bluetooth 5.2
その他(同梱品)壁掛けマウントキット
HDMI to HDMI ケーブル ×2(長、短)
サイズ113mm×126mm×42mm
重さ510g

「SER5 MAX」は購入時にRAMとストレージ容量を選ぶことができ、16GBRAMもしくは32GBRAM、500GBもしくは1TBのオプションがあります。購入後にユーザー自身でRAMとストレージをアップグレードすることも可能で、その場合は最大64GBRAM、最大2TBストレージに増量することができます。選べる構成と価格は次のとおり。

  • 16GBRAM / 512GB : 419ドル
  • 16GBRAM / 1TB : 449ドル
  • 32GBRAM / 500GB : 469ドル
  • 32GBRAM / 1TB : 489ドル

ベースモデルは419ドル(約6万円)、最上位モデルでも489ドル(約7万円)とかなり手頃な価格設定が魅力です。

コンパクトな筐体ですが、USB-C(映像出力対応)ポートが1つ、USB-A(3.2)ポートが3つと2.0ポートが1つ、HDMIとDisplayPortが1つずつ、Ethernetポートと3.5mmオーディオジャックも搭載とポートは充実しています。なお、USB-CとHDMI/DPを組み合わせることで最大3枚までのディスプレイに出力することもできます。

なお、今回のレビューでは16GBRAM/1TBのモデルを使用しています。

ベンチマーク

「Beelink SER5 MAX」に搭載されているAMD Ryzen 7 5800Hがどの程度の性能かを、実機を使って各種ベンチマークを測定しておきました。まずはGeekbenchで測定した各スコア。

Score
Single Core2,008
Muti Core8,705
OpenCL17,498
Vulkan16,846

続いて、Chromebookの性能比較でも使っているWebベンチマークなどのスコア。

Score
PASSMARK4,470
PCMARK 106,376
Cinebench Multi11,602
Cinebench Single1,421
Octane70,897
JetStream2239
Speedometer274

PCMARKとPASSMARKは細かい項目もあるので、スクリーンショットで紹介。

残念ながらWindowsでスペックを比較的できるモデルを持っていないため、Chromebookで測定している最近のベンチマークスコアと比較してみます。

GeekbenchのみWindowsアプリとAndroidアプリという違いがありますので何とも言えませんが、ブラウザベースのベンチマークスコアを見る限り、インテル第12世代Core i5-1245Uと同等以上の性能が期待できます。他メディアの比較などを見ると、インテルCore i7-11800Hなどに近い性能を持っているようで、価格を考えればRyzen 7 5800Hはかなり優秀と言えます。

デザイン

まず最初に本体の同梱品を紹介。コンパクトな電源に短めと長めの2種類のHDMI to HDMIケーブル、 V壁掛けマウント用のバーとネジが付属しています。

一般的なPCに比べて電源が小さいことはメリットだと思います。また短めのケーブルがあることで、VESAマウントを利用してモニターの背後に取り付ける場合などに便利です。

「Beelink SER5 MAX 5800H」の本体はかなりコンパクトサイズで、以前愛用していた「Intel NUC8i7BEH」とほぼ変わらないサイズ感です。

天板にはファブリック素材が使われており、ただのプラスチックよりも少し高級感があります。底面からはネジを外すだけで簡単に内部にアクセスできます。

なお、ストレージの拡張はすぐ行えますが、RAMと既存のストレージを入れ替える場合にはファンを取り外す必要があります。こちらもネジを外すだけで簡単に取れますが、ケーブルが接続されているため持ち上げるときには注意してください。

ポートは前面にUSB-Aが2つ、Cが1つ、3.5mmコンボジャックがあります。裏面にはUSB-Aが2つ、HDMI、DisplayPort、Ethernetとなっています。Aポートは裏面の1つが2.0、残り3つは3.2の規格になっています。

Cポートは映像出力にも対応しているため、HDMIとDP合わせて最大3台のモニターに出力できますが、それなら前にあるよりも後ろにある方が嬉しかったかなと思います。またUSB-Cコネクタの周辺機器の利用とCによるモニタ出力が共存できないので、背面にもうひとつUSB-Cポートがあっても良いかもしれません。とは言え、周辺機器であればCtoAで代用できるので大きな不満ではありません。あと、細かいことですがUSB-Aポートを使うと上下逆さまになってしまうのがネックしょうか。

使用感

実際に「Beelink SER5 MAX 5800H」を使って、この記事で利用しているRAW写真の編集や書き出しをはじめ、普段どおりChromeブラウザを利用した作業を行いましたが、ほとんどの場合で特段の問題やスペック不足を感じることはなく、安定して動作していました。

例えば、Lightroomで2〜30枚程度の写真編集を軽めに行い、Photoshopを立ち上げて簡単な文字入れをするとか、Google Meet を利用使ったオンライン会議中にスライドの共有や画面共有、並行してドキュメント作成といった内容であれば快適です。CPU使用率で言えばだいたい10〜20%以下で収まり安定しています。

ファンもアイドル中はほぼ音が聞こえないくらいに静かで、例えばChromeを立ち上げたときやタブを複数ひらくときなどには一瞬ファンの音が大きくなるものの総じて静かな印象です。ベンチマークなど継続して負荷がかかる場合にはさすがにかなり回りますが、一般的なデスクトップに比べれば静かですし、大型のノートパソコンと比べても静かな部類だと思います。

その他に細かい点で良かったと思うのは、RAMとストレージが拡張できること、怪しげなプリインアプリなどはなくシンプルなOS構成になっていること、電源が小さめであることでした。

6〜7万円台で購入できるミニデスクトップPCとして見れば不満はほぼなく、完成度の高い1台だと思います。Windowsなので、セットアップに手間がかかることと大量のアップデートで時間がかかるというくらいですね。

あとは写真編集には十分対応できますが、グラフィックス性能を必要とするゲームや動画編集作業には向かないため、そういった用途に使うことが目的の場合は「SER5 MAX」では厳しいと思います。

まとめ

「Beelink Mini PC SER5 MAX」は事務作業やブラウザベースの作業が中心であれば、安心・安定して作業ができるため、すでにノートパソコンを持っている人や家庭ではデスクトップを使いたいけどできる限りコンパクトにしたいという人には良い選択肢になります。。もちろん、軽めのRAW写真や画像編集にも対応できるため、活用の幅広いこともポイントです。

家庭用として場所を取らずにWindowsPCが欲しい人、リモートワークなど仕事のためにWindows PCが必要な人、基本は別のデバイスを使うけどWindowsが必要になることがある人などにはおすすめです。

BeelinkのミニPCは日本国内でもAmazonなどで販売されていますので、将来的に「Beelink SER5 MAX」の販売も期待できます。デザインや一部ポート違いですが、同じAMD Ryzen 7 5800Hを搭載した「Beelink SER5 Pro」は購入できますので、そちらを検討することもアリだと思います。

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著者情報

Masahide Omuraのアバター Masahide Omura Product Marketing Manager

Professional ChromeOS Administrator 取得者。これまでに40台以上の Chromebook を試し、業務でも Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行う。本業はアクセス解析や広告運用、ときにPMM。プロフィールはこちら

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