ASUS ExpertBook P3 (PM3606CKA) を実機レビュー。16インチのビジネス向け Windows ノートパソコン

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ASUS ExpertBook P3 (PM3606CKA) を実機レビュー。16インチのビジネス向け Windows ノートパソコン

今回の記事では、ASUS JAPAN のビジネス向け Copilot+ PC の新モデル「ASUS ExpertBook P3 (PM3606CKA)」の実機レビューをお届けします。なお、レビューにあたり実機の貸出を受けています。

「ASUS ExpertBook P3 (PM3606CKA)」は、テンキーを搭載した 16 インチモデルで、AMD Ryzen AI 7 350 プロセッサと最大 64GB RAM を搭載し、マルチタスクを快適にこなせるハイパフォーマンスな Windows ノート PC です。

目次

ASUS ExpertBook P3 (PM3606CKA) のスペック

まずは「ASUS ExpertBook P3 (PM3606CKA)」のスペックです。

OSWindows 11 Pro
ディスプレイ16 インチ
1,920 × 1,200
ノングレア
CPURyzen AI 7 350
GPURadeon 860M
RAM32GB / 64GB
内部ストレージ1TB NVMe SSD
外部ストレージ
Web カメラ207 万画素
(プライバシーシャッター)
ポートUSB-C ×2
USB-A ×2
HDMI ×1
Ethernet ×1
3.5mm ヘッドセットジャック
バッテリー最大 17.6 時間(アイドル時)
ネットワークWi-Fi 6E
Bluetooth 5.4
その他Windows Hello (顔認証、指紋認証)
MIL-STD 810H
サイズ358.4 × 253.5 × 18.0 mm
重さ約 1.8 kg

このモデルが選択できる構成は 1 つのみとなっていますが、昨今のデバイスとしては珍しく、ユーザーによる RAM の増設に対応しており、最大 64GB まで拡張することが可能です。

なお、今回レビューしているモデルは 16 インチですが、「ASUS ExpertBook P3」シリーズには 15.6 インチモデルも用意されており、基本的な構成は共通しています。

ASUS Store における販売価格は 149,800 円となっています。

デザイン

「ASUS ExpertBook P3 (PM3606CKA)」の本体にはアルミニウムが採用され、米国軍調達規格 MIL-STD 810H に準拠した堅牢性を備え、ASUS 独自テストを含む 24 項目の堅牢性テストをクリアしています。

デザイン的には落ち着いた印象で、天板に油脂なども目立ちにくく、ビジネスシーンでも使いやすい見た目です。

16 インチでテンキーを搭載する大型モデルですが、重さは約 1.8 kg台と 2 kg を切っています。常時持ち運ぶには辛いですが、車移動やたまの持ち運びであれば許容範囲内と言えます。

ポートには 2 つの USB-C、2 つの USB-A、HDMI と Ethernet (RJ45) を搭載しており、ビジネス向けモデルとしては十分な拡張性を備えています。

左側面に USB-C と HDMI が揃ってしまっているため、外部モニタへの出力時にはケーブルの配置を気にする必要があります。

とはいえ、貴重な Ethernet ポートがあることは、安定したネットワークを求めるユーザーには嬉しいポイントです。

キーボード

本モデルもキーボードは ASUS らしい日本語配列で、エンターキーとバックスペースキー周りの配置がネックです。

特にバックスペースキーは他の文字キーに比べて小さく、隣の「¥」キーとの間隔もなく並んでおり、タイプミスが起きやすく、慣れても完全にストレスがなくなるわけではありません。ここが ASUS の配列の泣き所で、文章入力作業が多い業務では気になる場面が出て来る可能性があります。

一方、キートップはわずかに湾曲しており、指のフィット感が良い形状になっています。打鍵感も軽めでタイミングし続けても不自然な引っかかりなどはなく、文字入力そのものは快適です。バックライトも搭載しています。

タッチパッドも十分な広さがあり、操作性や精度には特に問題ありませんでした。

ただ、テンキーを搭載することでタッチパッドの位置が中央から左側にずれてしまっているため、全体的に左よりになってしまう点は好みが分かれるところです(これ自体は ASUS に限らず、多くのテンキー搭載モデルが同じ)。

ディスプレイ

ディスプレイはアスペクト比 16:10 の 16 インチを採用し、一般的な 16:9 に比べて縦方向の表示領域が確保されているため資料作成では作業しやすい印象です。ウェブブラウジングでも一度に見える情報量が多く、複数ウィンドウを並べた際にも余裕があります。

画面は反射の少ないノングレアタイプで、屋内の明るい環境でも見え方が安定しており、長時間の作業でも負担が少ないと感じました。色味などにも不満はなく、ビジネス用途では十分です。

タッチスクリーンは搭載されていませんが、用途としては事務作業が中心になると思われるため、これがなくても問題はありません。

パフォーマンス

レビューしている実機は、AMD Ryzen AI 7 350、Radeon 860M GPU、32GB RAM を搭載しています。デフォルトで 32GB RAM を搭載しているため、多数の Chrome タブを開いたり、アプリを複数開くなどのマルチタスクでも快適に動作します。

例えば、Google Meet を使いながらスライド共有・作成や Looker Studio の作業を並行して行う程度であればパフォーマンスに不足はなく、Microsoft 365 を利用した文書作成や資料作成でも問題ありません。

軽い画像・写真編集や FHD 程度の軽めの動画編集であれば対応できる性能を備えています。

ベンチマークスコア

参考までに、以下は実機で測定したベンチマークスコアの結果です。

ベンチマークソフトスコア
Geekbench Single2,733
Geekbench Multi11,322
Geekbench OpenCL23,264
Geekbench Vulkan26,543
PCMARK 107,182
PASSMARK5,034
Octane 2.0 Plus Single116,844
Octane 2.0 Plus Multi699,943
JetStream2439
Speedometer 2543
Speedometer 330

法人向けモデルとして考えると十分なパワーを持っており、複数のアプリケーションを並行して利用するような状況でも動作は安定していました。

Web カメラ・AI・バッテリー

Web カメラは 1080p に対応しており、オンライン会議での利用は問題ありません。Google Meet を標準設定で使用した場合、少し白く映るように感じましたが、実用上は支障のない範囲です。

プライバシーシャッターも搭載されているため、不要なタイミングでカメラが作動する心配が少なく、法人向けモデルとして適切な装備だと思います。

ログイン認証は Windows Hello による顔認証に加えて、電源ボタンに内蔵された指紋センサも利用できます。どちらも反応が速く、用途に応じて使い分けられる点は便利です。

また、ビジネス向けの ASUS ExpertBook に独自の AI 機能が使える AI ExpertMeet が搭載されています。前回のレビューでもいくつかの機能を紹介していますが、例えば会議の内容をリアルタイムで文字起こし・翻訳、画面共有時の画面内にウォーターマークを入れる機能、カメラとノイズキャンセリングの強化機能などがあります。

これらの機能は追加費用なしで使えるという点が魅力です。これ以外にも Windows に標準搭載されている Windows スタジオエフェクトや「リコール」なども利用できます。

バッテリー駆動時間については、「最適な電力効率」にしてブラウザベースのいくつかの業務で使用してみたところ、1 時間あたり 15 ~ 20% あたりの消費でした。

途中アップデートが走るなどもあったためバラつきましたが、ブラウザベースであれば 5 ~ 6 時間は安定して使うことができます。バッテリー駆動で丸 1 日連続して使うのは難しいかもしれませんが、ちょっとした作業で持ち出すといった場合であればほぼ問題はありません。

まとめ

今回はビジネス向けの 16 インチモデル「ASUS ExpertBook P3 (PM3606CKA)」をレビューしましたが、前回の 14 インチモデルと同様に業務で利用しやすいモデルです。

高めの性能を持つ Ryzen AI 7 350 と 32GB RAM、16 インチで 1,920×1,200 解像度を備えたテンキー付き、指紋センサあり、ポートも充実と、特に事務や経理など据え置きで使う機会の多いビジネスユーザーにはおすすめです。

堅牢性を備えていて 1.8kg 台の重さと持ち運びもギリギリ許容範囲といったところなので、オフィスと自宅などを行き来するハイブリッドワーカーでも選択肢になるかもしれません。

現在、「ASUS ExpertBook P3 (PM3606CKA)」は ASUS Store でのみ販売されており、販売価格は 149,800 円となっています。個人ユーザーでも購入することができますので、興味のある方はチェックしてみてください。

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著者情報

尾村 真英のアバター 尾村 真英 Technical Writer

HelenTech を運営している 尾村 真英 です。これまでに 50 台以上の Chromebook をレビュー しており、主に小規模事業者を対象に Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行っています。
現在は、Chrome Enterprise 公式ユーザーコミュニティのモデレーターとしても活動し、Professional ChromeOS Administrator 資格を保有しています。

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