今回は ASUS Chromebook CM30 Detachable (CM3001) の 8GBRAM Wi-Fi モデルの実機レビューをお届けします。なお、今回もレビューにあたり実機の貸出を受けています。
昨年12月に 4G-LTE に対応する機種として au Online Shop 限定で 4GBRAM モデルが発売されていますが、今回の機種は Wi-Fi のみをサポートした 8GBRAM モデルで、ASUS Store や Amazon などでも購入できるようになりました。なお、価格は69,800円で 4G-LTE モデルと同じ価格に設定されています。
ネットワークを気にせず外に持ち運んで使うのであれば 4G-LTE に対応した CM3001 がおすすめですが、筆者のように常に Wi-Fi がある環境で使うことが多いと宝の持ち腐れとなってしまいます。もちろんあれば便利ですが、そのために回線契約をする必要もありますし、しないのに4G-LTEを使うのは勿体ない、と思ってしまいます。
しかし、今回 Wi-Fi モデルが出たことで、自宅や職場、カフェなどネット回線を確保できる場所で使うことを想定したユーザーにはより良い選択肢になります。さらに RAM 容量も 4GB から 8GB へ、ストレージ容量も64GBから128GBへと変更されているため、同じような作業でも動作に少しゆとりが出るようになっています。
とは言え、RAM 容量とストレージ容量が変更されただけで、外観やその他の性能・機能は 4G-LTE モデルと共通しています。そのため、今回は実際の使用感を簡単にまとめて紹介していきます。
スペックとベンチマーク
まずはじめにスペックとベンチマークから紹介しますが、4G-LTE モデルも Wi-Fi モデルも同じ Kompanio 520 を搭載しており、結果としてベンチマークには大きな差はでませんでした。
ディスプレイ | 10.5インチ 1,920×1,200 グレア |
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CPU | Kompanio 520 |
RAM | 8GB |
内部ストレージ | 128GB eMMC |
外部ストレージ | – |
アウトカメラ | 5MP AF |
Webカメラ | 5MP |
ポート | USB-C(3.2 Gen1) ×1 3.5mm コンボジャック |
対応バンド | [4G-LTE] B1/B3/B8/B18/B19/B26/B28 B39/B41/B42 [3G/WCDMA] B1/B6/B8/B19 |
バッテリー駆動時間 | 約12時間 |
その他 | 本体収納式USIペン 着脱式キーボード キックスタンド付きカバー |
サイズ | [本体のみ] 259.5×169.2×8.95mm [全部セット] 259.5×178.6×17.1mm |
重さ | [本体のみ] 614g [全部セット] 993g |
正直に言ってしまうと、4GBRAMから8GBRAMになったとしても劇的な変化があるわけではありません。一方、ストレージは64GBから128GBへと変更されたことで、ローカルストレージにデータを保存したり Android アプリを多くインストールするユーザー、Linuxを使うユーザーには安心感が出ています。
Kompanio 520 は前世代「Detachable CM3」に搭載されていた MT8183 よりも性能が向上しており、Celeron N4020 などここ数年のスタンダードな Chromebook と比べてもベンチマークスコアではほぼ上回っています。
ベンチマークがそのまま使用上の快適さに直結するわけではありませんが、実際に使ってみても体感としては Celeron N4020 よりもスムーズに動作し、今回のモデルのように 8GBRAM を搭載していることで負荷がかかったときの許容量が増えていることから動作が4GBRAMより安定していると思います。
使用感
デバイスの素性は共通しているのほぼ LTE モデルと同じ使用感となっています。これまでの CPU の性能が向上したことでこれまでのエントリークラスのモデルに比べ、例えば Google Meet でプレゼンテーションを行ったり、同時に数個のタブを開いて調べ物をする場合などでもカクつきがなく安定して動作するようになりました。
例えば、グラフを多用したスプレッドシートを開いたときの描画や他のシートから戻ってきたときの再描画などがスムーズで、読み込み時に他の操作をするとやや重たいと感じることがなくなっていたり、やや重たいアプリを動かしているときの不安定さがなくなったり、たまに負荷がかかるとアプリが終了したり固まるといったことが軽減されています。
また、Android アプリでペンを利用して手書きをしたときにも、描画までのラグが少しマシになっています。実際に ASUS Chromebook CM30 Detachable の 8GBRAM モデルでスタイラスペンを使った筆記テストの動画です。
もちろん LTE モデルと同じ CPU を採用しているので、スピードそのものが向上したり大きな変化があるわけではありません。それでもクラッシュしそうになる雰囲気が薄れて安定するようになったことは体感としてありました。
4G-LTE モデルは外に持ち運んで場所を気にせず利用できるという点が魅力でしたが、筆者のような使い方ではやはりWi-Fiモデルで十分です。とくに Android スマートフォンを利用している場合、 Chromebook と同じ Google アカウントであればインスタントテザリングを使うことでモバイルネットワークに繋げることもできます(やや手間ですが)。また、自宅や職場などでサブデバイスとして使いたい場合には、わざわざ 4G-LTE 対応モデルを購入することも悩ましいですよね。
そういったユーザーにとって、今回発表された 8GBRAM の Wi-Fi モデル ASUS Chromebook CM30 Detachable CM3001 はおすすめできる1台です。
価格
最後に Wi-Fi モデルの ASUS Chromebook CM30 Detachable の価格についてですが、冒頭でもお伝えしたように本体価格は 4G-LTE モデルと変わらない69,800円(税込)となっています。
Wi-Fi モデルは回線料金が加算されないので本体料金のみで済むことがメリットです。もちろん LTE モデルを買って回線契約しなければ同じですが、その場合は RAM とストレージが Wi-Fi モデルに比べて少ないのでやや割高になります。また販路も au Online Shop に限られているというのもやや不便ですね。
一方で今回の Wi-Fi モデルは ASUS Store や Amazon、家電量販店などでも販売されるため購入先を選べることもメリットの1つになります。すでに公式より価格が下げられている販売店もあり、案外お手頃価格で購入できるのも嬉しいですね。
ちなみに Kompanio 520 と似た性能を持つ Snapdragon 7c Gen 1 は 4GBRAMを搭載したモデルが6〜7万円の定価でこれまでに販売されていたので、8GBRAM モデルで6万円台というのは中々良い落とし所のモデルです。
まとめ
8GBRAM と Wi-Fi のみになった ASUS Chromebook CM30 Detachable CM3001 は LTE モデルほど持ち運びに特化していませんが、自宅や職場などネットワーク環境のある場所でのサブデバイスとして使いやすい1台になりました。持ち運び先もネット環境が整っているという場合にはオススメの1台ですので、使い方に合うユーザーはぜひ検討してみてください。
ちなみにいまだと Amazon がお買い得です。
なお、今回は Chromebook Plus モデルを含めて複数の機種をレビューしています。ぜひそちらもご覧ください。