14インチコンバーチブルの「ASUS Chromebook Flip CM1 (CM1400FXA-EC0010)」をレビュー

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2021年10月1日に発表された「ASUS Chromebook Flip CM1 (CM1400FXA-EC0010)」は、14インチのコンバーチブルタイプのChromebookで、CPUにAMDを採用した新しいChromebookです。

公式ストアやAmazonなどではすでに販売が開始していますので、もうチェックした人もいると思います。14インチでバランスが良さそうなChromebookですが、CPUが珍しいせいでどの程度の性能&使い勝手かを測りかねている人もいるんじゃないでしょうか。

今回は、実機をお借りすることができましたので、「ASUS Chromebook Flip CM1(CM1400FXA-EC0010)」のレビューをしていきます。

目次

スペック

まずは「ASUS Chromebook Flip CM1(CM1400FXA-EC0010)」のスペックから紹介。

ディスプレイ14インチ グレア
1,920 × 1,080
タッチスクリーン
CPUAMD 3015Ce
RAM8GB
内部ストレージ64GB eMMC
外部ストレージmicroSD
カメラ720p HD Webカメラ
5.0MP アウトカメラ
ポートUSB-C ×2
USB-A ×1
3.5mmジャック
ネットワークWi-FI 5
Bluetooth 5.0
バッテリー最大11時間
その他MIL-STD 810H
防滴キーボード
サイズ326.5×228.8×1.86mm
重さ1.65kg
自動更新ポリシー2029年6月
価格(税込)公式 : 64,800円
Amazon : 58,909円

「ASUS Chromebook Flip CM1(CM1400)」は、タッチ操作対応の14インチ、グレアのフルHDディスプレイを採用していますが、スタイラスペンには非対応です。

CPUには珍しいAMD 3015Ceを採用し、8GBRAMと64GB eMMCストレージを搭載、Wi-Fi 5にBT5、MIL-STD-810Hと防滴キーボードを備えた、堅牢性重視のスタンダードなChromebookという位置づけです。

ただ重さが1.65kgという点がネックになるため、持ち運ぶというより家庭や職場などに置いて使うことのほうが良いモデルとなっています。

なお自動更新ポリシーに関しては、最長クラスの2029年6月までとなっています。

ではここで、AMD 3015Ceの性能を他のモデルと比較できるよう実機で測定したベンチマークを紹介しておきます。

ベンチマーク

今回も当ブログのChromebook指標でお馴染み、Octane、Geekbench、Jetstream、Speedometerでベンチマークを実機で測定しました。

Score
Octane21103
GeekBench(Single-Core )541
Geekbench(Multi-Core)1083
Jetstream 2.067.209
Speedometer59.17

続いて最近よくChromebookで使用されているCPUとGeekbenchのスコアを比較しますが、手元にちょうど良い機種がなかったためウェブ上で公開されている数値を引用して示します。

AMD 3015Ceのシングルコアスコアは541、マルチコアスコアが1083となっていて、GIGAスクール構想に採用された多数のChromebookが搭載しているCeleron N4020と近いスコアとなっています。

実際に使用したところ体感として確かに同程度には感じるので、MediaTekのMT8183のようにスコアの割に…ということはありませんでした。

またRyzen APUとは異なり、電源接続時とバッテリー駆動時のスコアに差は見られなかったので、安定した動作をする点は安心できると思います。

実機レビュー

ということでさっそく実機レビューをしていきます。

外観

天板は光沢のある硬めの樹脂製、底面は「C223NA」などに似たプラスチッキーな素材感になっています。

天板を開いて持ち上げるとやや天板側が重くなっていますが、ヒンジ部分がしっかりしているので勝手に開ききってしまうことはないと思います。

本体の左右側面にはUSB-Cポートが一つずつと、左側面のみUSB-Aポート、microSDカードスロット、イヤホンジャックが搭載されています。

右側面にはUSB-Cポートのみですが、電源ボタンとボリュームボタンがあります。

USB-Cが左右に分散されていることと一つとはいえUSB-Aポートが搭載されているので、Chromebookとしての使い勝手は悪くありません。

ちなみに天板を開いていくと、エルゴリフトによりキーボード側に傾斜がつきます。

最終的には360度まで開くことができ、タブレットのように使うことができますが、14インチサイズという大きさに1.65kgという重さのため、タブレットとして使うには少々難ありです。

キーボード&トラックパッド

まずはキーボードについてですが、「ASUS Chromebook Flip CM1(CM1400FXA-EC0010)」は日本語配列のみを選択できるようになっていて、エンターキー部分もしっかりと幅が取られているため、文字入力はしやすいと思います。

キーの打鍵感はやや軽めでバネのクリック感を少し感じますが、入力自体は快適です。公式サイトによればキーストロークは1.4mmとなっています。

なおキーボードは防滴仕様となっているため、濡れた手で触ってしまっても安心して操作が可能です。

トラックパッドは反応や滑りはわるくありませんが、ややプラスチック感が強く濡れた手で触るとコントロールしにくくなるものの実用上はとくに問題はありません。

ちなみにキーボード側の素材感も光沢はあるもののプラスチック感がつよく、筐体を押し込むとわずかにたわみます。

と言っても文字入力中にフワフワしてしまうわけではありませんので、タブレットモードなどで手に持つときだけ気になるかもしれません。

ちなみにキーボード側に5MPのアウトカメラが搭載されています。

基本的にはタブレットモード時にカメラアプリを使って撮影することになると思いますが、例えばホワイトボードや紙の資料などであれば問題なく撮影が可能です。

ただキレイに撮影できるわけではありませんので、あくまでオマケ程度に考えておくほうが良いと思います。

ディスプレイ

ディスプレイは14インチのフルHD、グレア液晶で広視野角となっていますが色味が若干大人しく、やや薄く(白く)見える印象があります。

これも実用上大きな問題があるわけでもなく、文字ベースや動画閲覧などであれば気にすることはありません。

横からでも見やすく、文字などもクッキリと表示されますので、文書作成などでは快適に作業することができます。

前述してあるように360度回転するヒンジでタブレットのように使うことができるためタッチスクリーンとなっていますが、スタイラスペン(USIペン)には対応していない点に注意してください。

バッテリー駆動時間について

バッテリー駆動時間はかなり長く、負荷をかけすぎなければ私の使い方でも間違いなく5〜6時間はもちます。

なので電源のないところでの作業でも安心できますし、USB-Cポートによる充電対応なので様々なデバイスのものを流用すれば困ることもないと思います。

ただ、持ち運び用デバイスとして考えると1.65kgはわりと辛く、ほとんどの場合は定点的に置いて使うことになると思うので、このバッテリー駆動時間を活かすチャンスは少ないかもしれません。

問題点を挙げるとすれば…

ここで「ASUS Chromebook CM1(CM1400)」の問題点をいくつか挙げておくと、14インチクラスなのに1.65kgと重たいこと、スタイラスペンに非対応であること、価格が6万円を超えている(Amazonでは辛うじて6万円以下ですが)ことです。

また細かく見るとプラスチックな感じがあってチープに感じることや機能面、例えばWi-Fiなど一部の性能が最新ではないこともあります。実際に使ってみると悪い選択肢ではないと思いますが、6万円前後の価格が正直ネックで、他ハイエンドモデルなどが比較対象となりますのでどこまでこの価格を許すことができるかだと思います。

全体的な使用感について

使用していての快適さですが、ベンチマークのとおりCeleron N4020などと同程度の快適さで作業することができますので、かなり実用的だと思います。

例えばAndroidアプリのLightroomを使ったRAW写真の編集などは、書き出しや読み込みに若干の重さはあるものの、問題なく作業ができます。

もちろんインテル第10世代や第11世代のCore iシリーズに比べると少しもったりとしますが、それでも十分使えます。

ちなみに公式サイトのスペックシートでは外部ディスプレイへの出力は1,920×1,080と書かれていましたが、34インチの3,440×1,440ディスプレイへも問題なく出力ができました。

この状態でブログに関わる一切合切(Chromeブラウザのタブを〜20個くらい開いてPixlr EやLightroomを使ったり)をしても気になるような引っ掛かりはなく、普通にできます。正直驚いた。

そのため、間違いなくMT8183やCeleron N3350&N4000、Core m3-8100Yなどより体感としても性能は上であると言えます。

と言うのも以前、Celeron N5205Uを搭載した「ASUS Chromebox 4」を購入しているんですが、それだと34インチの3,440×1,440ディスプレイに出力するとその時点でかなりカクつきが発生しました。それに対してAMD 3015Ceを搭載した「ASUS Chromebook CM1(CM1400)」はカクつきなく動きましたので、それだけでも十分な性能です。

これまでChromebookに採用されているインテルやAMD Ryzen以外のCPUは皆エントリークラスに思えてしまいましたが、「ASUS Chromebook CM1 CM1400」のAMD 3015Ceはそうではなく非常に良い選択肢だと思います。

まとめ

というわけで、ここまで「ASUS Chromebook CM1(CM1400)」についてレビューしましたが、”思っている以上に良い機種だった”という印象です。

ただ実際に使えば悪くない機種だとわかりますが、どうしても価格が高めの印象を受けてしまい、さらに言えばもう少しお金を出すことで問題点に挙げた部分が解消している機種も選ぶことができるため、悩ましい立ち位置であることも事実です。

このあたりのメリットやデメリット、立ち位置を考えなければなりませんが、もしハイエンド寄りの14インチモデルをできるだけ安価で探しているのであれば、「ASUS Chromebook CM1(CM1400)」も検討してみることをオススメします。

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著者情報

Masahide Omuraのアバター Masahide Omura Product Marketing Manager

Professional ChromeOS Administrator 取得者。これまでに40台以上の Chromebook を試し、業務でも Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行う。本業はアクセス解析や広告運用、ときにPMM。プロフィールはこちら

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