Google は 2025 年 11 月 11 日(米国時間)、Chromebook などのサポートされる ChromeOS デバイスおよび ChromeOS Flex デバイスに向けて、ChromeOS 142 安定版(Stable)のメジャーアップデートをリリースしました。
今回のアップデートにより、Chrome ブラウザのバージョンは 141.0.7390.135 から 142.0.7444.147、プラットフォームのバージョンは 16404.61.0 から 16433.41.0 へと更新されます。
アップデートの状況
筆者の所有する複数の Chromebook (Lenovo Chromebook Plus 10 / Chromebook 11 Gen 9、ASUS ExpertBook CX54 Chromebook Plus など)や ASUS Chromebox 5 でのアップデートを確認しており、cros.tech においてもほとんどのデバイスがアップデートされています。
しかし、HP Elite Dragonfly Chromebook や Samsung Galaxy Chromebook Plus といった一部のデバイスではまだ展開されていません。
現時点での公式リリースノートでは、新機能や変更点の記載はなく、セキュリティ修正を中心とした内容となっています。一方、事前に公開されている管理者向けリリースノートでは、いくつかの管理者向けの変更が明らかにされています。
ChromeOS 142 のセキュリティアップデート
今回のアップデートでは、ChromeOS 本体および内蔵の Chrome ブラウザの両方で、複数の脆弱性が修正されています。
深刻度が「High」と評価されるものを含むため、すべてのユーザーにとって重要なアップデートです。
ChromeOS のセキュリティ修正
現時点で ChromeOS 本体に関する個別の CVE は公開されていません。
ただし、関連する Android セキュリティ修正が含まれています。詳細はAndroid のセキュリティに関する公開情報 を参照してください。
Chrome ブラウザのセキュリティ修正
ChromeOS に内蔵されている Chrome ブラウザでは、JavaScript エンジン V8 や WebXR、Extensions などに関する脆弱性が多数修正されています。
主な修正内容は以下の通りです。
- CVE-2025-12727 (High): V8 における不適切な実装
- CVE-2025-12428 (High): V8 における型の混同(Type Confusion)
- CVE-2025-12429 (High): V8 における不適切な実装
- CVE-2025-12430 (High): Media におけるオブジェクトライフサイクルの問題
- CVE-2025-12431 (High): 拡張機能における不適切な実装
- CVE-2025-12433 (High): V8 における不適切な実装
- CVE-2025-12036 (High): V8 における不適切な実装
- CVE-2025-12443 (Medium): WebXR における範囲外読み取り
- CVE-2025-12437 (Medium): PageInfo における解放済みメモリの使用
- CVE-2025-12438 (Medium): Ozone における解放済みメモリの使用
これらの修正により、ブラウザレンダリングや JavaScript 実行時の安全性が強化されています。
ChromeOS 142 のユーザー向けの新機能と変更点
一方で、ユーザーが直接利用できる新機能の追加は確認されていません。
今回、ChromeOS 142 のアップデートにおいて、ユーザー向けの新機能と変更点については明らかにされていません。
管理者向けリリースノートにおいても、次のような管理者向けの変更点のみが記載されています。
- 証明書プロビジョニングの刷新
- 自動ログアウトポリシーの導入
- Google チャットの提供元ドメイン変更
筆者の環境でも引き続き確認を進めていますが、現時点では明確に変更された点は見つかっていません。
発生している問題について
記事執筆時点では、ChromeOS 142 へのアップデートに関連する大きな不具合や報告は確認されていません。今後、問題などが発生した場合には改めてお知らせします。
もしアップデート後に一般的なトラブルシューティングでも解決できない問題が発生した場合は、以下の手順で Google にフィードバックを送信できます。
- [設定] > [ChromeOS について] > [フィードバックを送信] または Alt + Shift + I
また、既知の問題について解消されたことが明示されているものはありませんでした。こちらも今後、追って報告します。
まとめ
今回の ChromeOS 142 へのアップデートは、主にセキュリティ修正を目的としたリリースです。
特に V8(JavaScript エンジン)や拡張機能関連で複数の「High」評価の脆弱性が修正されているため、すべてのユーザーにとって重要なアップデートです。
なお、アップデートはすべてのデバイスに同時に配信されるわけではなく、数日かけて順次展開されます。通知が届かない場合でもしばらく待ってみてください。管理されているデバイスでは、管理者がアップデートを制御している場合もあります。
お使いの Chromebook でアップデートを確認するには、[設定] > [ChromeOS について] > [アップデートを確認] に進んでください。
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出典: Chrome Releases


