Google は 2026 年 9 月 2 日 (現地時間)、新しい AI モデル「Gemini 3.8 Flash」と、サイバーセキュリティに特化した「Gemini 3.8 Flash Cyber」を発表しました。
Gemini 3.8 Flash は、Gemini API や Google AI Studio、Android Studio から利用でき、Gemini アプリや Google 検索の AI モードにも Google AI Pro および Ultra プランユーザー向けに展開されています。
Gemini 3.8 Flash Cyber は、新設された「Fairwind Program」経由で政府機関や重要インフラ事業者など信頼できる防御担当者に限定提供されます。
Gemini 3.8 Flash の性能向上
Gemini 3.8 Flash は、コーディングとエージェント処理、専門領域における多段階の推論で Gemini 3.7 Flash から性能が向上しています。
ソフトウェア開発能力を測るベンチマーク DeepSWE v1.1 のスコアは 73.7% で、上位モデルの Claude Opus 5 (74%) に迫り、金融分析の Vals Finance Agent V2 や法務分野の Harvey’s Legal Agent Benchmark でも Gemini 3.7 Flash や他の大規模モデルを上回りました。
また、汎用的な推論力を測る「HLE-Verified」では 54.9% を記録しています。


料金は入力 100 万トークンあたり 0.75 ドル、出力 100 万トークンあたり 3.75 ドルで、Gemini 3.7 Flash と同水準の導入価格です。
この価格は 2026 年 12 月 31 日までの適用となり、2027 年 1 月 1 日以降は入力 1.50 ドル、出力 7.50 ドルに改定されます。
Google は性能向上の要因として、複雑なタスクに対して追加の推論ステップやツール呼び出しを重ねる設計を挙げ、処理が高負荷になる場合はトークン消費量も増える傾向があり、コストを抑えたい用途では引き続き Gemini 3.7 Flash も利用できます。
記事執筆時点では、個人の Google アカウント (AI Pro プラン) での展開を確認していますが、Google Workspace アカウントにはまだ展開されていません。


Gemini 3.8 Flash Cyber の脆弱性検出とパッチ生成
Gemini 3.8 Flash Cyber は、脆弱性の自動検出とパッチ生成に特化したモデルです。
業界標準の脆弱性検出ベンチマーク「CyberGym」では、前モデルの Gemini 3.5 Flash Cyber や、より大規模な他社モデルを上回るスコアを記録しました。20 のプログラミング言語にまたがる Google 独自の実地検証ベンチマークでは、脆弱性の発見成功率が 70% を超えています。
パッチ生成では、外部ベンチマーク「CWE-Bench」で pass@1 47.2% を記録し、47.8% を記録した大規模な他社モデルに近い水準を、より低コストで達成しています。
Google 社内では、Chrome セキュリティチームの検証で、大規模な他社の商用モデルと比べて 2.6 倍多くの正しいパッチが生成されたことが確認されています。
提供状況
Gemini 3.8 Flash は、開発者・エンタープライズ向けにはすでに利用可能で、個人向けには Google AI Pro および Ultra プランユーザーに Gemini アプリと AI モード経由で展開されています。
Gemini 3.8 Flash Cyber は Fairwind Program を通じた申請制で、一般ユーザーが直接利用する機会はありません。
Google Workspace アカウントへの提供時期は明記されておらず、現時点では 3.6 Flash および 3.6 Thinking のままとなっています。











