Google は 2025 年 12 月 10 日(米国時間)、ChromeOS 143 安定版 (Stable) に関する企業・教育機関の管理者向けリリースノートを公開しました。
今回のアップデートでは、USB 接続プリンタの管理機能やプリンタごとの事前設定オプション、Google Vids のプリインストールなど、管理者の運用効率を高める改善が含まれています。
また、日本語入力の仮想キーボードに「かな/ローマ字の切り替え」が追加される予定です。
ChromeOS 143 の主な変更点
以下は、ChromeOS 143 で導入予定の主な変更点です。
USB プリンタの管理に対応
これまで管理者が制御できたのはネットワーク接続プリンタのみでしたが、ChromeOS 143 では USB 接続プリンタの管理にも対応します。
組織で利用する USB プリンタの Vendor ID と Product ID を指定することで、ネットワーク接続と同様に管理ポリシーで制御できます。詳細はヘルプページをご覧ください。
ローカル接続のプリンタ利用が残る現場では、統一的な管理が可能になる重要な更新です。
プリンタごとの印刷設定を事前構成可能に
ChromeOS 143 では、管理者が プリンタごとの印刷設定(紙サイズ、紙種、両面、カラー、DPI、画質、印刷方式など)を事前に設定できるようになります。
ラベルプリンタのように特定の設定が必要な現場では、ユーザーが都度設定を変更する手間を省き、印刷ミスの防止にもつながることが期待されます。
Google Vids がユーザーにプリインストール
以前、実装に取り組んでいることが発見されましたが、AI を活用した動画作成ツール Google Vids が、ChromeOS 143 では管理対象のユーザーに自動でプリインストールされます。
ChromeOS ランチャーからすぐに利用でき、スクリプト作成から編集、共有までワークフローに取り入れやすくなります。
なお、これまでに Gemini アプリや NotebookLM アプリもプリインストールの対象となっています。
仮想キーボードに「かな/ローマ字切り替え」を追加
日本語入力を利用する際、仮想キーボードに「かな・ローマ字切り替え」ボタンが追加されます。
特にキオスクモードでは設定画面を開けないケースがありますが、UI 上で直接切り替えられるようになるため、運用性の改善が期待できます。
今後の変更予定
以下は、今後の ChromeOS のアップデートで導入が予定されている変更です。ただし、これらはあくまでも予定であり、変更されたり廃止される可能性もあります。
「バッジベースの認証」の強化
ChromeOS にバッジ認証機能が追加され、ユーザーはバッジをタップするだけでセッションを開始し、もう一度バッジをタップするだけでセッションを終了できるようになります。
また、ChromeOS 145 以降では、次のような機能の改善が予定されています。
- スクリーンロック解除へのバッジ対応
- タップ操作を使った新しいワークフロー
- WebHID + SDK ベースのリーダーサポート
これらの機能は、小売、ホスピタリティ、製造など、様々な業界で働く従業員を対象としています。「バッジベースの認証」に関する詳細はヘルプページをご覧ください。
まとめ
ChromeOS 143 では、プリンタ管理とユーザー生産性の向上に焦点を当てた改善が実施されました。管理者は主にプリンタ関連の設定を見直しておくことをおすすめします。
一方、実際にユーザーに大きな影響を与えるものとしては、仮想キーボードの「かな/ローマ字切り替え」追加ですが、タッチ操作をしない場合には使う機会は少ないかもしれません。
ChromeOS のポリシーや管理機能の詳細は、公式ドキュメント「Chrome Enterprise Release Notes」を参照してください。
なお、ChromeOS 143 へのメジャーアップデートは、2025 年 12 月 16 日に予定されています。


