Google は Android Deveolpers Blog で、Android 17 におけるシステムのパフォーマンス向上を目的とした新しい仕組み「DeliQueue」の詳細を公開しました。
これはアプリやシステム UI のフレーム落ち(カクつき)を減らすための技術的な変更であり、最新の Android 17 Beta 1 ですでにテストされています。
フレーム落ちの原因と DeliQueue による解決策
Android デバイスを使用していて画面が一瞬止まったり、スクロールがスムーズでなかったりする現象は、多くの場合システム内部の処理待ちによって発生します。
これまでの Android のシステム(MessageQueue)では、一つの処理(スレッド)がメモリへのアクセス権を一時的にロックしてしまうため、他の処理が完了するのを待つ必要がありました。
例えば、優先度の低いバックグラウンド処理がロックを持っている間、優先度の高い画面描画処理が待機させられ、結果としてフレーム落ちが発生していました。
Android 17 で導入される「DeliQueue」は、このロック機構を廃止した新しいデータ構造で、Google はこれをデリ(惣菜売り場)の整理券システムに例えています。
例えば、従来のように列に並んで順番を待つのではなく、整理券を受け取ることで各スレッドは中断することなく処理を進められるようになります。これにより、システムのボトルネックが解消され、効率的な処理が可能になるとしています。
テスト環境で確認された数値上の改善
Google が公開した Android 17 のテストデータによると、DeliQueue の導入によって以下の改善が確認されています。
- アプリのフレーム損失(カクつき): 平均 4% 減少
- システム UI とランチャーのフレーム損失: 平均 7.7% 減少
- アプリの起動速度: 95 パーセンタイル(遅いケース)で 9.1% 短縮
数値上では数パーセントの改善ですが、システム UI やホーム画面(ランチャー)における 7.7% のフレーム損失減少は、日常的な操作感に影響を与える可能性があります。
実際に Pixel スマートフォンでも高負荷時にアニメーションの引っかかりを感じる場面がありますが、今回の変更はそうした微細な遅延をシステムレベルで解消するものとなります。
リソース効率と旧モデルへの影響
DeliQueue は CPU の性能を上げて解決するのではなく、処理の待機時間を減らすことで効率化を図っています。Google のベンチマークによると、処理が混雑している状況下でのデータ挿入速度は、旧来の仕組みと比較して大幅に高速化されたケースも報告されています。
この仕組みは、Pixel の最新モデルだけでなく、ハードウェアリソースが限られている旧モデルや、Chromebook 上で動作する Android アプリなどにおいてもメリットがあると考えられます。
無駄な処理待ちが減ることは、結果としてバッテリー消費の抑制にもつながる可能性があります。
まとめ
Android 17 の DeliQueue は、目に見える新機能ではありませんが、OS の基礎的な動作を改善するアップデートです。
アプリ開発者が新しい SDK に対応することで、このパフォーマンス改善の効果がより広範囲に適用される見込みです。
現在 Android 17 はベータテスト段階にあり、Android ベータプログラムに登録して Pixel シリーズで試すことができます。


