Google は、Android 純正電話アプリ(Google 電話)のベータ版向けに、通話の緊急度を相手に伝える新しいオプション「Call Reason(通話の理由)」の提供を開始したことが報告されました。
これは 2025 年 12 月のアップデート(Android 16 QPR2)に関連して発表されていたもので、一部のユーザーで実際に機能が有効化され始めています。
「急用」を相手に伝える新しい手段
今回テストが確認された「Call Reason」は、電話をかける側が「この電話は緊急である(Urgent)」というフラグを立てて発信できる機能です。
Google の公式説明によると、例えば「家から締め出されてしまった」といったトラブルや、「コンサートのチケット発売直前」といった今すぐ話したいタイミングで、友人にその切迫度を伝えるために利用されることを想定しています。

この機能は、単に着信画面に「緊急」と表示されるだけはなく、もし相手が電話に出られなかった場合でも、通話履歴に「緊急」というメモが残り続ける仕様になっています。
これにより、着信に気づいたユーザーは履歴を見た瞬間に「これはただの不在着信ではなく、急いで折り返す必要がある」と判断できるようになります。
サイレントモードを無視するかはユーザーが設定可能
通常、サイレントモード中は通知音が鳴りませんが、「Call Reason」で緊急フラグが立てられた着信については、設定次第でサイレントモードを無視して着信音を鳴らすことが可能になります。
ユーザーからの報告によれば、受信側の設定画面で「緊急の通話理由を表示するか」、「サイレントモードを解除して音を鳴らすか」を個別に制御することができます。

保存された連絡先だけが有効になる
この「Call Reason」は、スパムや第三者による悪用を防ぐため、「緊急」フラグを付けられるのは保存された連絡先に対してのみとなります。
つまり、全く知らない番号や営業電話が勝手に「緊急」として着信音を鳴らすことはできません。この制限があることで、誤って機能を開放してしまい通知に悩まされるリスクは最小限に抑えられていると言えそうです。
とはいえ、単純にサイレントモードを無視してでも連絡を受けたい場合には、通知フィルタ設定の「人物」に登録することで割り込みが可能になるため、そちらを使う方が安全かもしれません。
まとめ
今回、Google 電話アプリに導入された「Call Reason」が海外の一部ユーザーで実際に展開され始めました。
現時点ではベータ版としての提供であり、日本国内での具体的な利用開始時期や、日本語環境でどのように表示されるか(「緊急」「急用」など)は明らかになっていません。
おそらく、今後のアップデートで一部地域に安定版として展開され、その後に日本でも利用可能になるというパターンだと予想されます。
日本では、相手の都合を気にして電話を躊躇するシーンも多いですが、事前に「急用」と伝わることが保証されていれば、かける側も受ける側も心理的な負担が減るかもしれません。


