Google は 2025 年 12 月 11 日(米国時間)、Web 版の Google チャットが 従来の「mail.google.com/chat」から「chat.google.com」へドメインを移行することを発表しました。
アプリ自体の UI や操作性は変わりませんが、読み込み時間を短縮し、より高速で安定した動作を提供することが目的とされています。
個人の Google アカウントユーザーを含むすべての利用者が対象となり、段階的に展開される予定です。
なお、この変更は 11 月の ChromeOS 142 の管理者向けリリースノートでも言及されていましたが、当初の予定から遅れて展開されています。
Google チャットの Web アドレスが変更へ
今回の変更で、Web版 Google チャットのアクセス先が新しいドメインへと置き換えられます。ユーザー側の見た目や操作方法に変化はなく、日常的な利用に影響はありません。
また、既存の「mail.google.com/chat」へのブックマークやリンクも引き続き利用でき、必要に応じて新しい URL へ自動的にリダイレクトされる仕組みが用意されています。
管理者・開発者が対応すべきポイント
ドメイン移行は UI に影響しないものの、組織管理者や Chrome 拡張の開発者にとっては調整が必要なケースがあります。
特にアクセス制限や拡張機能の挙動にドメイン依存の設定を行っている場合、新しい URL を含めることが必要になります。
Chrome 拡張機能の対応
Google チャットと連携する Chrome 拡張機能は、新しい「chat.google.com」でも正しく動作するよう更新が求められます。
ユーザー側でも、拡張機能がうまく動作しない場合はアップデートを確認しておくと安心です。
URL の許可 / ブロックリストの更新
組織で URL を用いたアクセス制限を行っている場合、新しいドメインを許可リストに追加する必要があります。
注意するべきは、chat.google.com をブロックすると Gmail や Google Meet 内のチャット機能にも影響する点です。
既存のワークフローを維持するためにも、必ず設定を確認しておくことが推奨されます。
権限ポリシーの見直し
カメラ・マイク・通知といったブラウザ権限をサイト単位で管理している場合、新ドメインに対しても同等の権限を付与するようポリシーを更新する必要があります。
PWA(プログレッシブウェブアプリ)の強制インストール
PWA を管理者が強制配布している場合も同様で、新しい URL を設定リストに追加する必要があります。
これにより、ユーザーは従来どおりアプリとして Google チャットを使用できます。
展開スケジュール
今回のドメイン移行は段階的に進められ、即時リリースドメインは 2025 年 12 月 11 日から、計画的リリースドメインは 2026年 1 月 7 日頃から展開される予定です。
記事執筆時点では、筆者の管理する Google Workspace アカウントで変更を確認することはできませんでした。
まとめ
Google チャットの Web アドレスが chat.google.com に移行することで、読み込みの高速化と信頼性向上が図られます。
また、URL が独立することで、管理者はポリシー管理をより明確に行えるようになり、拡張機能の開発者にとっても扱いやすい構成となります。
UI や操作性は変わらず、既存リンクも引き続き使えますが、組織管理者や開発者はドメインを扱う設定の見直しが必要です。


