Google は公式ブログにて、Google Workspace に統合されている画像生成モデル「Nano Banana Pro（Gemini 3 Pro Image）」と動画生成モデル「Veo 3.1」を、実際の業務の中でどのように活用できるかを示す 5 つの事例を紹介しました。
いずれも既存の Workspace の操作環境に組み込まれている機能で、資料作成やマーケティングにおけるビジュアル制作を効率化することを目的としています。
Nano Banana Pro と Veo 3.1 について
Nano Banana Pro は、Google 検索のナレッジベースと連携し、現実世界の構造や性質を踏まえた正確な画像生成を行うモデルです。製品の外観や資料向けの図示など、正確さが求められる用途での利用を想定しています。
Veo 3.1 は動画生成に対応したモデルで、静止画から短い動画を生成したり、ビジュアル素材に動きを加えたりする場面で活用できます。SNS や社内資料の補助動画として利用しやすく設計されています。
Google スライドでの資料作成を効率化
Google スライドでは、スライド内から Nano Banana Pro を利用できます。
画像の高画質化や背景調整、要素の追加が可能で、資料をまとめる際の編集作業をより簡単にします。
また「このスライドの見栄えを良くする」を使えば、フォントやレイアウトを自動で調整し、資料全体の統一感を整えられます。
プロンプト入力でインフォグラフィックを生成できる点も特徴で、製品データや調査結果などを正確に図示する用途に向いています。
プロモーション向けの商品画像生成（Nano Banana Pro）
商品写真をアップロードし、背景や設置シーンなどをプロンプトで指定するだけで、異なるバリエーションの画像を生成できます。
撮影環境を用意する必要がなく、Web サイト・広告・カタログなどに統一したビジュアルを提供しやすくなります。
「Google AI Ultra for Business」契約者はウォーターマークなしで利用できるため、実務素材としても使いやすい仕様です。
マルチフォーマットでのキャンペーン展開（Gemini アプリ）
Gemini アプリでは、生成した画像を SNS や広告プラットフォーム向けに自動調整したり、画像内テキストを多言語に翻訳したりと、キャンペーン制作に必要な対応を一括で行えます。
また、細かなプロンプト調整によってバリエーションを生成し、A/B テスト素材を短時間で準備できる点もメリットです。企画から出稿までの作業負担を軽減することを目指しています。
画像から短い動画を生成（Veo 3.1）
Veo 3.1 を利用すると、最大 3 枚の画像を基にした短尺動画を生成できます。
動きの方向やつながり方を指定するだけで、SNS や製品紹介ページ向けの簡易プロモーション動画として利用できます。
Google Vids と Gemini アプリの両方から利用できるため、用途に応じて制作環境を選べます。
社内トレーニング資料を動画化（Google Vids）
Google Vids は、スライドやドキュメントをもとに自動で動画教材を生成する機能を備えています。
標準のストック素材に加えて、Nano Banana Pro や Veo で作成したビジュアルを差し替えることで、組織独自の内容に合わせた研修動画を短時間で準備できます。
複雑な概念を短いクリップで視覚化できるため、理解促進を意図した資料として活用しやすい点も特徴です。
利用条件
これらの機能は、Google Workspace のビジネスアカウントを持つユーザーが利用できます。
利用可能なモデルや生成上限はプランによって異なり、システム状況に応じて上限が変動する場合があります。
まとめ
今回紹介された 5 つの利用シナリオは、画像制作や資料作成、キャンペーン運用など、日常的な業務で求められる作業を効率化することを目的としたものです。
すでに Google Workspace に組み込まれているため、追加ツールを使わずに AI を活用できる点が特徴と言えます。
