Google は 2025 年 12 月 10 日(米国時間)、Android に新しい安全機能となる「Emergency Live Video(緊急ライブビデオ)」を導入し、米国を中心に提供を開始したことを発表しました。
この機能は、緊急通報時にスマートフォンのカメラ映像を指令センターへ共有できる仕組みで、交通事故や医療危機、災害などの状況をより正確に把握するためのサポートとして利用されます。
緊急時に現場映像をリアルタイムで共有
Emergency Live Video は、ユーザーが緊急通報(電話またはテキスト)を行った際、指令員が映像が必要だと判断した場合にのみ有効になります。
ユーザーのデバイスにはビデオ共有を求めるプロンプトが表示され、これを承諾するとスマートフォンのカメラ映像が暗号化された状態でリアルタイム配信されます。
この機能を使うために事前の設定は不要で、ユーザーはいつでも共有を停止できます。カメラ映像の制御権はユーザー側にあり、誤って共有され続けることを防ぐ配慮がされています。
Google によれば、指令室では現場の状況を迅速に評価できるほか、必要に応じて CPR(心肺蘇生)などの応急処置を視覚的に案内することも可能になります。
これにより、これまで音声だけでは判断が難しかったケースでも、より正確な対応が期待できます。
対応地域と要件
この機能は、現時点では以下の地域で利用可能です。
- 米国全土
- ドイツの一部地域
- メキシコの一部地域
利用には Android 8 以降のスマートフォンと Google Play 開発者サービス(Google Play services)が必要です。
Google は世界中の公安機関と協力しており、今後も対応地域を拡大するとしています。導入に関心のある組織向けにはパートナーシップ情報も提供されています。
また、この機能の開発段階で Pixel 限定の機能になる可能性も示唆されていましたが、正式版では Android 8 以降の幅広いデバイスが対象となっています。
まとめ
緊急通報の現場判断を支援する「緊急ライブビデオ」は、緊急位置情報サービス(ELS)や自動車衝突検知、転倒検知、衛星 SOS といった既存の安全機能を補完する位置づけにあります。
これらと組み合わせることで、緊急時の判断と対応をより強化する狙いがあるとしています。
ただし、現時点では日本での展開については不明で、導入の可否についても明らかにされていません。
安全性と緊急情報、衛星関連の機能については、各国の法規制なども異なるため、導入にはばらつきがあります。
出典: Google Blog


