Google が来年登場予定の Android 17 に向けて、OS 標準の「アプリロック(App Lock)」機能を開発している可能性が高いことが明らかになりました。
これは Android Authority の Mishaal Rahman 氏が最新の Android Canary 2512 ビルドを解析したことで判明したもので、Pixel を含む Android OS にネイティブで搭載される可能性が示唆されています。
アプリロック機能とは?
現在の Android には「プライベートスペース」がありますが、これはアプリを別プロファイルとして隔離する仕組みで、普段よく使うアプリだけを手軽に守る用途には向いていません。
ホーム画面に置けない、ファイル共有が煩雑になるなど、日常利用では扱いにくい点が残っています。

一方、Samsung や Xiaomi など多くのメーカー独自 UI では、アプリ単位で生体認証やパスコードを設定できる「アプリロック」がすでに標準搭載されています。
しかし純正 Android にはこの仕組みがなく、Pixel ユーザーを含む多くの利用者はサードパーティ製アプリに頼らざるを得ない状況でした。
今回コード内で確認された新しい App Lock API は、こうした差を OS レベルで解消する可能性を示しており、特定のアプリを直接ロックできる仕組みが標準機能として追加されることが期待されています。
コード解析から予想される仕組み
Android Authority の解析によると、最新の Android Canary ビルドには、アプリを個別に保護するための仕組みを OS 側が受け持つためのコードが複数確認されています。
とくにホーム画面アプリ(ランチャー)からアプリロックを呼び出すための仕組みが追加されていることが大きなポイントです。
これにより、Pixel Launcher を含むランチャーアプリが、特定のアプリに対してロック操作を直接指示できるようになると考えられています。
たとえばアイコンを長押しすると「ロック」ボタンが表示され、タップするとシステム側でロックが有効になる、といった操作が想定されます。
ロックの解除方法については現時点で明確な記述はありませんが、Android がもともと備えている生体認証や PIN、パターン認証の仕組みを利用すると見られます。
サードパーティ製アプリのように独自のロック画面を重ねる必要がなく、OS 標準の認証 UI がそのまま利用できる点はセキュリティの観点からもメリットです。
また、今回のコードにはデバイスの種類による制限も含まれており、対応するのはスマートフォンとタブレットに限定されるとみられ、Wear OS や Android TV、Android Automotive などは対象外となります。
リリースは早くても Android 17 か
Android 16 の四半期アップデート(QPR)では新しい開発者 API が追加されないため、このアプリロック機能が実際に登場するのは 最速でも Android 17 と見られます。
今回のコードはまだ初期段階のものであり、今後の開発状況によって仕様が変わったり、延期または取り下げられたりする可能性もあります。
まとめ
まだ開発の初期段階となりますが、Android 17 など今後のアップデートで、アプリ単位の保護が OS レベルに組み込まれる可能性が示されました。
プライバシー管理と利便性の向上に役立つ機能であり、特に Pixel シリーズのユーザーにとっては要望が多かった機能だけに、正式導入されれば大きな改善となりそうです。


