Google は 2025 年 12 月 2 日（現地時間）、Gmail と Google チャットの連携を強化し、Gmail に届いたメールの内容をそのまま Google チャットのダイレクトメッセージ（DM）やスペースへ共有できる新機能を正式に発表しました。
これにより、メールでのやり取りが長くなりがちなケースでも、ワンクリックでチャットに切り替えて、関係者とすぐに議論を進められるようになります。
ただし、この機能を利用するためには Gmail で Google チャットを表示している必要があります。
Gmail から直接 Google チャットへ共有できるように
今回のアップデートにより、Gmail のスレッド画面に共有オプションが追加され、既存のメール受信者、受信者の一部、あるいは新しいメンバーを指定して Google チャットを開始できます。
メールの内容は自動で転送され、チャット内にはメールへのリンクが生成されるため、共有を受けた側はすぐに内容を確認できます。
また、メールとチャットの間に双方向リンクが設定されることで、メールで始まったやり取りを文脈を保ったままチャットに移行できる点も利点です。
返信を作る前に関係者と相談したい場面や、顧客メールをチームで確認したい場面など、ビジネスで役立つシーンが多く考えられます。
なお、この機能を利用するためには、Gmail で Google チャットの使用を有効にしている必要があります。
業務で想定される利用シーン
Google はこの機能が役立つケースとして、例えば次のような状況を挙げています。
- メールの往復で対応が滞り、チャットの方が早く解決できる場合
- 返信する前に一部のメンバーと確認したい場合
- 顧客・取引先からのメールをチーム全員で共有したい場合
- 会議のメモやアクション項目をすぐに共有したい場合
Gmail から直接チャットに切り替えられることで、日常のコミュニケーション効率が大きく向上します。
デスクトップで利用可能。モバイルは「近日公開」
この新機能は、現時点ではデスクトップ版で利用できます。モバイル版は「近日公開」予定で、一部ユーザー向けの限定テストがすでに始まっています。
管理者による追加設定は必要ありません。組織で Gmail と Google チャットの両方を有効化していれば機能が表示され、エンドユーザー側でも Gmail のチャット機能をオンにしていればデフォルトで利用可能です。
なお、HelenTech で管理する Google Workspace アカウントでもこの機能の展開を確認しています。
展開スケジュールと対象プラン
この機能は、即時リリースドメインでは 2025 年 12 月 2 日から 3 日以内に展開され、計画的リリースドメインでは 2025 年 12 月 9 日から段階的に展開される予定です。
対象となる Google Workspace プランは次のとおりです。
- Business Starter / Standard / Plus
- Enterprise Starter / Standard / Plus
- Frontline Starter / Standard / Plus
- Nonprofits（非営利団体向け）
Google Workspace for Education は現時点では対象外ですが、数ヶ月以内の提供を予定されています。
Gmail と Google チャットをあわせて活用する組織にとって、メールからチャットへの移行がこれまで以上にシームレスになり、業務効率の向上につながるアップデートです。
