Google が進めている ChromeOS と Android の統合、いわゆる「Android PC」プロジェクトについて、内部コードネームが「Aluminium OS」と呼ばれていることが新たに判明しました。
これは Google が LinkedIn に掲載した求人情報から明らかになったもので、これまで断片的だった Android PC の開発状況が、少しずつ分かり始めてきました。
「Aluminium OS」は Android ベースで AI を中心に設計
求人情報では、Google が “new Aluminium, Android-based, operating system” と表記しており、ChromeOS とは異なるアプローチで開発が進んでいることが分かります。
さらに「AI を軸に構築」することも明記されており、Gemini をはじめとする AI 機能が OS の根幹に組み込まれる設計になると見られます。

名称の「Aluminium」については、ChromeOS の「Chromium」と同じく金属名+ium の命名規則に沿っている可能性があるものの、名前の由来ははっきりとしていません。
様々なフォームファクター対応と新しいカテゴリ
求人情報では、Aluminium OS に対応するフォームファクタとして次が挙げられています。
- ノートPC
- デタッチャブル(キーボード着脱式)
- タブレット
- ボックス(Chromebox)
ChromeOS で採用されているデバイスと同じ構成のため、Android ベースに移行しても、従来と同様の柔軟なハードウェア展開が継続されることが分かります。
さらに、デバイスの価格帯についても細かく分類されており、次のようなカテゴリが用意されるようです。
- Chromebook / Chromebook Plus
- AL Entry
- AL Mass Premium
- AL Premium
これらのカテゴリの詳細は分かりませんが、Chromebook / Chromebook Plus はこれまでと変わらずに存在し、その上に AI をベースとした新しいハードウェアが追加される可能性を示しています。
ChromeOS から Aluminium OS へ移行する長期プラン
すでに Google は、2024 年から ChromeOS を Android ベースに移行(Android と統合)する長期のプロジェクトを進めていますが、今回の求人情報でも「ChromeOS から Aluminium OS へ移行する長期プラン」であることが改めて確認されました。
一方で、Google は「Android 上での ChromeOS エクスペリエンス」と表現するなど、Chromebook や ChromeOS を完全に廃止するとは伝えていません。あくまでも「OS の基盤が Android ベースになるが、ChromeOS の UI や管理機能は引き続き提供する」という点を繰り返し強調しています。
これは、すでに多くの学校や企業で導入されていることを踏まえたものと考えられます。日本では、GIGA スクール構想により ChromeOS は約 6 割が採用されており、全く別の OS となる場合、当然ながら影響が大きいことは分かります。
そのため、ChromeOS という UI (スマートフォンで言えば、One UI や HyperOS といったスキン)を維持する方針は現実的といえます。
現在の進行状況
今回の報告以外に、これまでに Aluminium OS (Android PC) の進行でわかっていることでは、Google が 2026 年のリリースに向けて進めているようです。
Android PC 自体が Android 16 をベースに開発ビルドが動作しており、正式リリースは次期メジャーアップデートの Android 17 のタイミングになる可能性が高いと考えられます。
また、MediaTek Kompanio 520 や Intel Alder Lake といった既存 Chromebook のプロセッサで動作テストが行われているほか、Qualcomm Snapdragon X シリーズへの対応も進められていることが確認されています。
まとめ
ChromeOS と Android を統合する「Android PC」プロジェクトの内部名が Aluminium OS であることが明らかになり、Google が次世代 OS の構築に向けて着実に動きを進めていることが確認されました。
現状では OS ベースでの話になりますが、おそらく今後はデバイスに関する情報も出てくるものと思われ、Aluminum OS をベースにしてどのようなデバイスが登場するかが楽しみです。
出典: Linkedin


