フランスの通信事業者 Orange が、モバイル通信や Wi-Fi が利用できない場所でも衛星通信を使用して SMS の送受信を可能にする新サービス「Satellite Message」を発表しました。
サービスはフランス本土に加え、欧州や北米など 36 カ国で 2025 年 12 月 11 日より順次提供されます。ただし 本サービスは Orange 加入者向けの提供であり、現時点で日本国内での提供予定はありません。
なお、このサービスは対応デバイスが現時点で Google Pixel 9 シリーズと Pixel 10 シリーズに限定されています。
Pixel 9 と 10 シリーズだけが最初に対応
Satellite Message はまず Pixel 9 / 10 シリーズでのみ利用でき、これは「期間限定の独占」と説明されています。
技術的には Direct-to-Device 方式を採用し、端末の専用インターフェースを通じて、追加のアンテナやアクセサリなしで衛星通信が可能になります。
Google は Pixel 10 シリーズで「衛星 SOS」も提供しており、これらの衛星機能はすべて非地上系ネットワーク(NTN)事業者 Skylo のネットワークを利用しています。今回の Orange との取り組みも同じ Skylo を通じて実現しています。
提供地域・開始時期・利用条件
Satellite Message は、フランス、ドイツ、ベルギー、スイス、アメリカ、カナダなど 36 カ国で提供されます。一般向けは 2025 年 12 月 11 日 から利用可能で、法人向けには 2026 年に展開される予定です。
利用には Orange の 5G / 5G+ プランの加入が必須。料金は最初の 6 か月が無料で、以降は 月額 5 ユーロ(約 800 円) の追加オプションとして提供されます。
衛星 SOS と共通する技術基盤
Pixel スマートフォンと Pixel Watch 4 は、2025 年より「衛星 SOS」が利用可能になり、緊急サービスへの連絡や位置共有が衛星経由で行えるようになりました。
こちらも Skylo の NTN を使用しており、今回の Orange の SMS サービスと技術的なルートは同じです。
日本ユーザーへの影響は?
残念ながら、現時点で日本国内キャリアによる同等サービスの発表はありません。また、Skylo の衛星ネットワークが日本の通信事業者に統合されるかどうかも不明ですが、開発に取り組まれているという情報は過去に出ていました。
Google が Pixel における衛星通信の標準機能を継続強化していることは事実で、今回のような商用サービスの実例が増えれば、日本のキャリアが同様の仕組みを導入する可能性も高まります。
Pixel 10 以降の世代では、衛星通信はより一般的な通信手段として扱われることが期待されます。
まとめ
Orange が Pixel 9 / 10 向けに提供する「Satellite Message」は、Pixel シリーズの衛星通信対応がより実用的な段階へ進んでいることを示す重要なアップデートです。
日本での展開は未定ですが、Google と Skylo の連携拡大を見る限り、将来的に導入される可能性もあると考えられます。
出典: 9to5Google, Orange


