Google Pixel の 6GHz テザリング、米国モデルで解禁の報告。日本ユーザー向けの違いを整理

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米国の Pixel ユーザーから、テザリング(Wi-Fi ホットスポット)の周波数帯に「6GHz(Wi-Fi 6E/7)」を選べるようになったという報告が増えています。

これまで米国モデルでは 6GHz が利用できず、設定画面でもグレーアウトされていましたが、最新の Android ベータ版、そして一部の安定版を利用するユーザーでも有効化されている例が見られます。

ただし、この動きはあくまで「米国モデル」の話であり、日本の Pixel ユーザーには状況が異なり、日本では以前から 6GHz のテザリングが利用できる一方で、5GHz は選択できなかったという背景があります。

この記事では、日本のユーザーに関係するポイントを中心に、6GHz テザリングの現状を整理します。

目次

米国版 Pixel で 6GHz テザリングが有効化されたとの報告

Android Authority など複数の海外メディアは、Pixel 9 Pro XL や Pixel 10 シリーズの米国モデルで 6GHz が選択できるようになったという報告を取り上げています。

  • 以前:米国版は 2.4GHz / 5GHz のみ使用可能
  • 現在:最新ビルドでは 6GHz オプションがタップ可能になった事例が確認

この挙動は Reddit でも多数共有されており、Android ベータ版のユーザーを中心に、安定版でも選択できたという声が見られます。なお、Google から正式なアナウンスは出ていません。

米国で 6GHz が制限されていた理由は?

米国で 6GHz のテザリングが制限されていた背景には、AFC(Automatic Frequency Coordination) に関連する FCC(米連邦通信委員会)の規制があると考えられています。

6GHz 帯では、既存の固定マイクロ波通信との干渉を防ぐため、利用可能な周波数と出力を自動調整する仕組みが必要になります。

昨年、FCC は低電力デバイス向けに 6GHz を広く許可しましたが、テザリングのようなアクセスポイント動作は電力制限の観点から対応が遅れていた可能性があります。

Android 自体は AFC をサポートしていると見られるものの、Pixel の米国国コードでどのタイミングで有効化されたかは不明です。

日本では以前から 6GHz テザリングが利用可能(ただし 5GHz は不可)

一方、日本の Pixel では以前から 6GHz テザリングが利用可能です。筆者の環境でも Pixel 9 シリーズおよび Pixel 10 シリーズで「2.4GHz」と「 6GHz」を選択できることを確認しています。

つまり、日本の事情と米国とは異なり、ある意味で逆転構造となっています。

これは日本の電波法に関係しており、6GHz 帯は VLP(Very Low Power)として屋内利用が認められている一方、5GHz のテザリングには屋外制限が強く、Pixel では無効化されているためと考えられます。

6GHz テザリングのメリットと設定方法

6GHz 帯には次のようなメリットがあります。

  • 混雑が少なく安定した通信が期待できる
  • 2.4GHz や 5GHz と干渉しにくく、スループットを確保しやすい
  • Wi-Fi 6E / Wi-Fi 7 対応デバイスで性能を発揮しやすい

なお、対応する Pixel デバイスで 6GHz を選択する手順は次のとおりです。

  1. [設定] アプリを開く
  2. [ネットワークとインターネット] をタップ
  3. [アクセス ポイントとテザリング] をタップ
  4. [Wi-FI アクセス ポイント] をタップ
  5. [速度と互換性] をタップ
  6. [6 GHz] をタップ

キャリアやデバイスによって表示が異なる場合がありますが、簡単な手順で 6GHz を有効にすることができます。

筆者も Google Pixel 10 Pro と Lenovo Chromebook Plus Gen 10 で利用可能なことを確認しており、以下は実際のデバイスで確認した周波数の違いです。

周波数はそれぞれ、6GHz(6135MHz)、2.4GHz(2462MHz)と表示され、周波数帯の違いが数字でも確認できます。

実際に使うと、6GHz は 2.4GHz に比べてデバイスとの接続がやや不安定な印象があります。そのため、2.4GHz のほうが実用的かもしれません。

まとめ

米国版 Pixel で 6GHz テザリングが利用できるようになったという報告が増えていますが、日本では以前から 6GHz が利用可能で、むしろ 5GHz が使えないという逆の事情があります。

今回の変更は米国の電波規制緩和と Android の対応によるものと見られますが、Google から正式な案内はなく、今後のアップデートで挙動が変わる可能性もあります。

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著者情報

尾村 真英のアバター 尾村 真英 Technical Writer

HelenTech を運営している 尾村 真英 です。これまでに 50 台以上の Chromebook をレビュー しており、主に小規模事業者を対象に Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行っています。
現在は、Chrome Enterprise 公式ユーザーコミュニティのモデレーターとしても活動し、Professional ChromeOS Administrator 資格を保有しています。

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