Google は、10 月に発表した「Privacy Sandbox プロジェクトの正式終了」に続き、関連 API を Chrome 144 以降で段階的に削除し、Chrome 150 で完全に廃止する計画を明らかにしました。
開発者向けフォーラムへの投稿によると、主要な Privacy Sandbox API は Chrome 144 で非推奨となり、Chrome 150 で完全に削除される予定です。
対象は Topics や Attribution Reporting など主要 API
対象となるのは、Topics API や Attribution Reporting API、Protected Audience API など、サードパーティ Cookie の代替として導入された技術です。これらはいずれも採用率が低く、他のブラウザベンダーでも実装が進んでいません。
Google のエンジニアは、Topics API に関するスレッド内で次のように説明しています。
Chrome ではサードパーティ Cookie のサポートを維持することを発表しました。そのため、この API の利用率(現在はページ読み込みの約 13%)は今後減少すると見込まれます。他のブラウザエンジンも実装の意向を示していません。
M144 で非推奨となり、M150 で削除されます。
このコメントからも分かるように、Google は Privacy Sandbox の代替策としての役割を事実上終え、今後は「ユーザー自身によるプライバシー設定の管理」を中心としたアプローチに移行します。
Cookie モデル維持の方針を正式化
今回の発表により、Chrome は引き続きサードパーティ Cookie を既定で有効とし、ユーザーが手動で制御できる構造を維持します。シークレットモードではこれまでどおり自動でブロックされる仕組みが続く予定です。
Google は 2025 年 4 月時点で、すでに「Cookie 廃止計画の中止」を表明しており、今回の API 削除計画はその延長線上に位置づけられます。
Privacy Sandbox のブランド名自体も廃止されるため、6 年にわたるプロジェクトは完全に幕を閉じることとなります。
今後の Chrome は「トラッキング保護」とユーザー選択重視へ
Google は現在、Chrome の設定内で「トラッキング保護」を一時的にオフに戻すテストを進めており、プライバシー管理をユーザーが直接コントロールできる方向に舵を切っています。
これにより、プライバシー保護を API で担保する構想から、ユーザーが自ら制御するコントロールモデルへと完全に移行する方針が明確になりました。
なお、この変更は Chrome ブラウザ全体の変更でもあるため、Chromebook (ChromeOS) ユーザーにも影響します。
出典: Windows Report


