Google は、開発者向けの AI ツール「Google AI Studio」から、軽量オープンモデル「Gemma」を一時的に削除したことを明らかにしました。
同社は「Gemma は開発者や研究者向けに設計されたモデルであり、一般ユーザーによる利用を想定していない」と説明しています。
Gemma は引き続き API を通じて利用可能で、今後も開発者向けの改良が継続される予定です。
AI Studio から「Gemma」が削除。API 提供は継続
Google は 2025 年 11 月上旬、AI Studio のモデル選択リストから「Gemma」シリーズを削除しました。この変更により、AI Studio のウェブインターフェース上では新規プロジェクトで「Gemma」を直接呼び出すことができなくなっています。
同社によると、Gemma は引き続き API を通じて利用可能であり、開発者や研究者が独自アプリケーションを開発するための環境は維持されています。
開発者向けモデルであり、一般利用は想定せず
Google は公式 X アカウントの投稿で、Gemma の提供方針について次のように説明しています。

また、AI Studio は本来「開発者ツール」であり、利用には開発者であることへの同意が必要です。
Google は「一般ユーザーが誤って事実質問などに使用するケースが見られたため、混乱を防ぐ目的で Gemma を一時的に削除した」としています。
オープンモデルとしての貢献と課題
同投稿では、Gemma モデルが研究・開発分野で果たしている役割についても触れられています。
たとえば、Gemma C2S-Scale 27B モデルは新しい癌治療法の研究に貢献するなど、オープンモデルが科学分野のイノベーションを支えているとしています。
一方で、Google は「ハルシネーション(誤情報生成)」や「迎合的応答(sycophancy)」といった課題が依然として存在すると指摘しています。特に軽量なオープンモデルではこれらの問題が起こりやすく、同社は今後も最小化に向けた改善を継続する方針です。
安全性と透明性を重視した運用へ
今回の削除措置は、Google が AI モデルの一般利用と開発利用をより明確に区別し、安全性と透明性のバランスをとるための対応とみられます。
Gemma の API 提供は今後も続くため、開発者はこれまで通りコードや API 経由での利用が可能です。
まとめ
Gemma モデルの削除は、Google がオープンモデルの提供範囲と責任を再定義する動きの一環といえます。
AI Studio での直接利用は停止されましたが、開発者向け API での実装や研究開発には引き続き活用可能です。
Google は今後も AI モデルの信頼性と安全性の向上に取り組む姿勢を示しています。
出典: Google(NewsFromGoogle on X)


