Google が次期 Android 17 にて、「常に表示状態のディスプレイ (Always-On Display : AOD)」機能を拡張する新要素「Min Mode」を開発していることが明らかになりました。
この機能により、Google マップなどのアプリが独自の最小限インターフェースを AOD 上で全画面表示できるようになり、端末の画面を点灯させずにアプリの情報を確認できるようになります。
アプリが独自 UI を AOD 上に常時表示可能に
Android では以前から AOD に時刻や通知を表示する機能が搭載されていますが、従来は通知を基点とした簡易的な表示にとどまり、詳細を確認する際には画面を点灯させる必要がありました。
今回発見された「Min Mode」は、その制約を超えて アプリ自身が AOD 上に独自 UI を常時表示できる仕組み を追加するもので、低消費電力のままアプリの情報を継続して表示できるようにします。
この機能は、Android の SystemUI パッケージ内に追加されたコードから確認されたもので、通常の AOD と同じ超低消費電力ディスプレイ状態を利用しつつ、時刻や通知の代わりにアプリ専用の画面を全体に描画します。
アプリは Manifest ファイルに “MinModeActivity” を登録し、SystemUI 内の “MinModeProvider” にリクエストを送ることでこのモードを利用できます。
さらに、画面焼き付き防止のために 60 秒ごとに 1 ピクセルずつ表示位置をシフト する処理も組み込まれており、電力効率とディスプレイ保護の両立が図られています。
Google マップが最初の対応アプリとなる可能性
Android Authority の分析によると、Google マップのコード内に “com.google.android.apps.gmm.features.minmode.MinModeActivity” という記述が見つかっており、AOD Min Mode を活用した低電力ナビゲーション表示の準備が進められていると考えられます。
このモードでは、画面をモノクロ化し UI 要素を最小限にすることで、従来のナビゲーション表示に比べてバッテリー消費を大幅に抑えられるとみられます。
また、縦画面のみの対応や電源ボタンによる簡易起動など、AOD 向けに特化した制約も確認されています。

現時点では「Min Mode」はシステムレベルで無効化されており、一般公開は 2026 年にリリース予定の Android 17 からになる見込みです。
Google は開発者向け API として提供する可能性があり、今後は他社アプリもこの仕組みを活用して AOD 上での情報表示を実装できるようになると予想されます。
Pixel での先行実装にも期待
Android 17 の新機能は例年通り Pixel シリーズから順次展開されることが多く、今回の「Min Mode」も Pixel 10 シリーズなどの Pixel デバイスで先行実装される可能性があります。
とくに Google マップの低電力ナビゲーション機能との連携は、車載モードやスマートディスプレイ機能との親和性が高く、Google 製デバイスでの動作検証が進められている可能性があります。
Android 17 で AOD がより多機能に進化
AOD にアプリ表示を可能にする「Min Mode」は、時計や通知だけでなく、地図、健康情報、音楽コントロールなどの情報も常時表示できる仕組みとして位置付けられます。
Android 17 ではこのほかにも、パフォーマンスやバッテリー効率の改善、新しい開発者向け API の拡充が予定されています。



 
			 
			 
			 
			