Google は AI リサーチ支援ツール「NotebookLM」において、チャット機能を中心とした大幅なアップデートを発表しました。
このアップデートによる、Gemini モデルによる性能強化に加え、チャットの目標設定や会話履歴の自動保存に対応します。
NotebookLM がより「賢く」進化
今回のアップデートでは、NotebookLM のバックエンドが刷新され、会話の自然さや理解力が向上しました。Gemini による新モデルを採用し、処理性能と品質が大幅に向上しています。
Google によると、ユーザー満足度はこれまでより 50% 向上しており、特に複数のソースを参照する長文回答で改善が顕著です。
Gemini の 100 万トークンのコンテキストウィンドウが NotebookLM のチャットで有効化され、より大規模な文書コレクションを扱えるようになりました。また、会話メモリもこれまでの 6 倍に拡張され、長期的な対話でも一貫性を保ちながら情報を整理できます。
会話履歴の自動保存とプライバシー保護
長期プロジェクトを想定し、チャットの履歴が自動的に保存されるようになりました。作業を中断しても、後から同じセッションを再開できます。履歴はいつでも削除可能で、共有ノートブックでも自分のチャット内容は他の参加者には表示されません。
この機能は今後 1 週間以内に順次展開される予定です。
目標設定でチャットをカスタマイズ可能に
すべてのユーザーがチャットの「目標(Goal)」を設定できるようになりました。これにより、NotebookLM の応答を特定の目的や役割に合わせて調整できます。
「チャットを設定」の設定画面から「目標」を入力すると、たとえば以下のようなモードを定義できます。
- 研究者向け:「あなたは私の指導教官です。仮説を厳しく検証し、論理的な欠陥を指摘してください。」
- マーケティング戦略家:「最短で成果を出すための具体的なアクションプランを提示してください。」
- 批評家・レビューア:「資料を 3 つの視点(学術的・創造的・批判的)から分析してください。」
このように、NotebookLM がユーザーの目的や文脈に適応することで、研究・企画・執筆など多様な用途に活用できます。
以下は筆者の環境で確認できた実際の「チャットを設定」のカスタム設定画面です。

まとめ
NotebookLM の最新アップデートにより、Google は AI アシスタントを「より文脈を理解し、目標に沿って行動できる研究パートナー」へと進化させました。
Gemini による拡張コンテキストと目標設定機能の追加により、NotebookLM はクリエイティブにも分析にも強い、より実践的な AI ツールとなっています。
出典: Google


