OPPO は Google と協業し、モバイル AI のパーソナライズとプライバシーを両立する新しい取り組みを発表しました。
この協業により、Gemini と統合された「Mind Space」アプリや、画像編集モデル「Nano Banana」など、Find X9 シリーズ向けの新しい AI 機能が登場します。
OPPO と Google、モバイル AI を再設計へ
OPPO は 2025 年 10 月 25 日に発表したプレスリリースで、Google と協力し「個人に合わせた安全なモバイル AI のあり方」を再定義すると述べています。
両社は Gemini を中心とした AI モデルの活用や、ユーザープライバシーを保護しながらの処理最適化を進めるとしています。
OPPO ソフトウェアエンジニアリング部門の Kai Tang 氏は次のようにコメントしています。
Google のようなパートナーと緊密に協力することで、強力かつ個人に寄り添った AI 機能を安全に提供できます。私たちはユーザーのニーズを理解し、信頼される AI アシスタントを実現します。
Gemini と連携する「Mind Space」アプリ
今回の協業の中心となるのが、Find X9 シリーズに初搭載される新アプリ「Mind Space」です。
画面上のテキストや画像、Web ページを 3 本指スワイプで保存し、Gemini と連携して整理や活用が行えます。
たとえば旅行の準備中に記事やメモを Mind Space に保存しておけば、「旅程を作成して」と Gemini に指示するだけで、保存内容をもとに自動で旅程案を作成します。
Gemini がアクセスできる情報をユーザーが細かく制御できるため、プライバシーを保ちながら利用できる点も特徴です。
画像編集モデル「Nano Banana」も搭載
Find X9 シリーズでは、Gemini の新しい画像編集モデル「Nano Banana」も利用可能になります。
このモデルを使えば、撮影した写真をプロンプトひとつで加工・修正でき、生成画像にも対応します。Gemini アプリから直接アクセスできるため、Pixel 以外の端末でも高度な生成 AI 編集が実現します。
Gemini Live でのリアルタイム支援も
Gemini Live 機能を通じて、カメラや画面の内容を共有しながらリアルタイムで質問やガイドを受けることも可能になります。
たとえば「収納アイデアを教えて」と尋ねると、Gemini がカメラ映像上に要素をハイライトしながら説明するなど、視覚的にわかりやすい支援を行います。
Google Cloud を利用した堅牢なプライバシー保護
AI 処理のプライバシー保護には、OPPO 独自の AI Private Computing Cloud (PCC) と Google Cloud の機密計算技術を組み合わせたアーキテクチャが採用されています。
これにより、AI 処理データは暗号化された安全な環境で扱われ、OPPO も含め第三者がアクセスできないよう設計されています。
この仕組みのもとで、AI Mind Space、AI Search、AI Call Summary、AI VoiceScribe、AI Recorder、AI Writer などの各機能が動作します。
Find X9 シリーズで先行提供、AI Pro 特典も
これらの AI 機能は次期フラッグシップモデル Find X9 / X9 Pro および ColorOS 16 で提供開始予定です。
また、対象デバイス購入者には Google AI Pro プラン(3 か月無料) が付属し、Gemini の拡張機能や 2TB のクラウドストレージが利用可能となります。
まとめ:Pixel 以外にも広がる Gemini の展開
これまで Gemini の深い統合は Pixel デバイスをはじめ Samsung や Xiaomi などの一部デバイスに限られていましたが、今回の OPPO との協業により、Android メーカー間での AI 機能格差が縮まる可能性があります。
Google の生成 AI「Gemini」が Pixel 以外のスマートフォンにも標準機能として広がっていくことが期待されます。
出典: OPPO


