Google は 2025 年 10 月 23 日 (現地時間)、安定性を重視する長期サポートチャンネル (Long-term Support: LTS) を利用しているほとんどの ChromeOS デバイスに対し、新たなマイナーアップデートの展開を開始しました。
このアップデートは主にセキュリティ修正を含んでおり、バージョンは 138.0.7204.295 (プラットフォームバージョン: 16295.80.0) へと更新されます。LTS チャンネルに設定しているデバイスは、順次この新しいバージョンにアップデートされます。
セキュリティ修正の内容
今回のアップデート (138.0.7204.295) で修正された主なセキュリティ脆弱性は次のとおりです。いずれも深刻度は「High」と評価されています。
- CVE-2025-10502: ANGLE におけるヒープバッファオーバーフロー
- CVE-2025-11458: Sync におけるヒープバッファオーバーフロー
「ヒープバッファオーバーフロー」は、プログラムが確保したメモリ領域を超えるデータを書き込むことで発生する脆弱性です。悪用されると、プログラムの予期せぬ動作や、最悪の場合、攻撃者による任意のコード実行につながる可能性があります。今回の修正により、システムのセキュリティが強化されます。
ChromeOS の LTS とは
ChromeOS では、アップデートの頻度と安定性に応じて複数のチャンネルが提供されています。その中でも、特に企業や教育機関での利用を想定し、安定性を最優先するのが LTS チャンネルです。
LTS チャンネルでは、約 6 ヶ月ごとに機能アップデートが行われ、その間はセキュリティ修正を中心としたマイナーアップデートが提供されます。安定した環境で ChromeOS デバイスを運用したい場合に最適なチャンネルです。
なお、LTS チャンネルでリリースされるバージョンの候補版として LTC (Long-term Support Candidate : 長期サポート候補) チャンネルがあります。LTC は LTS へのメジャーアップデートが行われる約 3 ヶ月前にリリースされ、管理者が事前に動作検証を行うことを目的としています。
まとめ
今回の LTS チャンネルへのアップデートは、複数の深刻な脆弱性に対処する重要なセキュリティ更新です。LTS チャンネルを利用している管理者は、管理下の Chromebook などのセキュリティを維持するため、速やかにアップデートを適用することが推奨されます。
ChromeOS LTS は 2025 年 10 月 15 日に 138 へのメジャーアップデートが展開されており、次回のメジャーアップデートは 2026 年 4 月 21 日に ChromeOS LTS 144 が予定されています。
なお、現在 ChromeOS 安定版の最新バージョンは 141、LTC は 138 となっています。詳しくは以下の記事をご覧ください。
- 関連記事:
出典: Chrome Releases



