Google は、Google Meet における AI アシスタント機能「Gemini に相談 (Ask Gemini)」を、Google Workspace の Enterprise Standard および Enterprise Plus ドメイン向けに展開を開始したことを発表しました。
この機能は今年 9 月に発表された新機能で、会議内容の要約や重要な決定事項を特定したり、途中参加した場合でもそれまでの議論の内容を把握できるようになります。
会議中に「Gemini に相談」でできること
「Gemini に相談」は、Google Meet 内でユーザー個人の AI アシスタントとして動作し、進行中の会議を支援します。主な機能は以下のとおりです。

会議内容の要約と発言の確認
長時間の会議や議論が複雑な場合でも、「Gemini に相談」に要約を依頼することで、現在の議論の流れを素早く把握できます。
また、「○○さんが言っていたことは?」のように質問すれば、特定の参加者の発言内容を確認することも可能です。
主要ポイントや決定事項の特定
会議の終了時に、Gemini は議論の中から重要なポイント、決定事項、次に取るべき行動(アクションアイテム)を自動的に抽出します。
これにより、会議後のフォローアップやタスク整理がスムーズになります。
遅刻参加時のキャッチアップ
会議に途中から参加した場合でも、「Gemini による会議メモ」が有効であれば、それまでの議論内容を要約して確認できます。
これにより、参加者は即座に会話の流れに追いつくことができます。
仕組みとプライバシー保護
Gemini に相談 は、回答を生成するために以下の情報を参照します。
- 会議のライブキャプション(文字起こし)
- ユーザーがアクセス権を持つ Google Workspace リソース(ドキュメント、スプレッドシート、スライド、Gmail など)
- Google 検索および公開されているウェブ情報
また、プライバシー保護については、次のような項目があります。
- Gemini とのやり取りは非公開: ユーザーが「Gemini に相談」と行うやり取り(質問や回答)は、他の会議参加者には表示されません。
- キャプションデータは保存されない: Gemini が参照するキャプションデータは会議終了後に保存されず、ログや文字起こしファイルとして残ることはありません。
- 録画や自動文字起こしは生成されない: 「Gemini に相談」の利用によって、会議の録画データや完全なトランスクリプトが自動的に生成されることはありません。
利用上の注意
会議に遅れて参加した場合、Gemini に相談 は参加前の会話内容については回答できません。 ただし、「会議メモの作成」機能が有効な場合は例外です。
また、 現在は英語の会議のみ対応しており、他言語サポートは今後追加予定です。
Gemini に相談 はデフォルトで有効になっていますが、会議の主催者または Workspace 管理者が無効化することも可能です。
展開スケジュールと対象プラン
Google Meet における「Gemini に相談」は、Enterprise Standard および Plus で、以下のドメイン・スケジュールで展開されます。
- 即時リリースドメイン: 2025 年 10 月 21 日から最大 15 日かけて段階的に展開
- 計画的リリースドメイン: 2025 年 11 月 3 日から段階的に展開
この展開完了後、Business Plus、Enterprise Standard、Enterprise Plus の各エディションで利用可能になります。
また、すぐに機能を試したい組織は「Google Workspace Gemini Alpha プログラム」への参加も可能です。
なお、「Gemini に相談」の管理コンソール設定や主催者・参加者側での利用手順については、9 月の初回発表時に詳しく紹介しています。

まとめ
Google Meet の「Gemini に相談」は、AI の力を活用して会議の生産性を高める新機能です。
会議の要約やアクション整理、遅刻時のキャッチアップを自動化することで、特に大規模な組織やチームでの意思決定を効率化することが期待されます。