Google は 2025 年 10 月 16 日(現地時間)、Google スプレッドシートに搭載されている AI 機能「Gemini in Google スプレッドシート」のアップデートを発表しました。
今回の更新により、1つのプロンプト(指示)で複数の操作を同時に実行できるようになり、サポートされる編集機能も大幅に拡充されました。これにより、データ整理やシートの書式設定といった時間のかかる作業を、自然言語での指示一つで、より速くかつ直感的に完了できるようになります。
1つのプロンプトで複雑なタスクを自動化
これまで、Gemini に複雑な作業を依頼するには、指示を分割して複数回プロンプトを入力する必要がありました。今回のアップデートで Gemini は複合的なリクエストを理解できるようになったため、複数のステップからなる作業を一度にまとめて指示できます。
複数の書式設定を一度に適用
例えば、シンプルなプロジェクト管理シートを一度の指示で本格的なトラッカーに変換できます。
- プロンプト例: 「”ステータス” と “優先度” の列にドロップダウンを追加し、”期日までの日数” を計算する数式列を挿入してください。さらに “完了” のチェックボックス列を追加し、ヘッダー行を固定してください。」

分析と構造変更の組み合わせ
データの整理と分析的な書式設定も同時に行えます。
- プロンプト例: 「活動していない営業担当者の行を削除し、目標達成率が 120% を超える上位の担当者を緑色でハイライトしてください。最後に、フォローアップ用の “メモ” 列を追加してください。」

複雑な構造の更新
シートの構造を次のプロジェクトサイクルに向けて一括で準備することも可能です。
- プロンプト例: 「”アーカイブ済み” の行をすべて削除し、チーム名のドロップダウンリストを持つ “チーム” 列を新たに挿入してください。最後に “更新後の期日” 列を追加してください。」

サポートされる編集アクションが拡大
Gemini がサポートするアクションのライブラリも拡張され、より多くの編集作業を自然言語で実行できるようになりました。
新たに追加された主なアクションは以下の通りです。
- 書式設定:
- 条件付き書式
- 数値形式の設定
- テーブルとしての書式設定
- ディメンション(行・列)の固定
- データ入力と操作:
- チェックボックスの追加
- ドロップダウンの追加(またはセルから変換)
- 数式で範囲を埋める
- 検索と置換
- 構造と整理:
- ディメンション(行・列)の挿入または削除
- データの並べ替え
- ピボットテーブルの追加
- フィルタリング:
- フィルタの作成またはクリア
これにより、例えば「シート上の ‘Software’ と ‘Web Hosting’ をすべて ‘IT Services’ に置き換えてください」といった、複雑なデータ置換作業も簡単な言葉で指示できます。

これらのアップデートにより、Google スプレッドシートにおける Gemini は、時間のかかる複雑なタスクを代行できるようになり、ユーザーはデータ整理の手間から解放され、より本質的な分析や意思決定に集中できます。
展開スケジュールと対象プラン
Google スプレッドシートにおける Gemini のアップデートとこの機能は、即時リリースドメインおよび計画的リリースドメインの両方で、すでに利用可能です。
ユーザーが Workspace アプリで Gemini を利用するには、スマート機能とパーソナライズ設定が有効になっている必要があります。また、管理者が管理コンソールからこれらの設定をオンにする必要があります。
対象となるプランのユーザーは、次のとおりです。
- Google Workspace:
- Business Standard および Plus
- Enterprise Standard および Plus
- Google AI Pro for Education
- 個人向け:
- Google AI Pro および Ultra
- 旧アドオン購入者:
- Gemini Business
- Gemini Enterprise
最近、Google スプレッドシートでは以下のようなアップデートも展開されています。
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