Google の最新折りたたみスマートフォン「Pixel 10 Pro Fold」が、耐久性テストで知られる YouTuber の Zack Nelson 氏が行った過酷な耐久性テストで破損し、発煙するという結果が報告されました。
「Pixel 10 Pro Fold」は初の IP68 等級の防塵・防水性能を備えた折りたたみスマートフォンとして注目を集めていただけに、その設計と耐久性について大きな疑問が投げかけられています。
JerryRigEverything の耐久性テストで発煙
今回公開された動画によると、Pixel 10 Pro Fold は屈曲テストの際に、本体中央のアンテナライン部分から簡単に折れ曲がってしまいました。
さらに深刻なのは、本体が破損した際に内部のバッテリーが損傷し、発煙する事態に至った点です。Nelson 氏自身も「10年以上のテストキャリアの中で、大手ブランドのスマートフォンがこのように爆発したのは初めてだ」とコメントしています。
指摘される設計上の問題点
今回の破損は、単なる偶発的な事故ではない可能性が指摘されています。
破損の起点となったアンテナラインの配置は、初代 Pixel Fold や Pixel 9 Pro Fold から変更されていません。Nelson 氏は、この構造的な弱点が過去のモデルから改善されることなく引き継がれている点を問題視しています。
競合である Samsung が Galaxy Z Fold シリーズで年々耐久性を向上させているのとは対照的に、Google は同じ弱点を放置している形となり、折りたたみスマートフォンに対する開発姿勢が問われています。
IP68 防塵防水と新しいヒンジへの疑問
Pixel 10 Pro Fold は、折りたたみスマートフォンとして初めて IP68 等級の防塵・防水性能を実現したことが大きな特徴でした。しかし、テストではヒンジ部分に砂や埃が容易に侵入し、「ジャリジャリ」という不快な音が発生することが確認されました。
この問題は実験室でのテストだけでなく、テクノロジー系メディア The Verge の記者がビーチで写真撮影を行った際にも同様の現象が発生したと報告されており、実使用環境での懸念が高まります。
Google が新たに採用した「ギアレスヒンジ」は、薄型化や大容量バッテリー搭載に貢献したとされていますが、防塵性能という観点ではその効果に疑問が残る結果となりました。折りたたみスマートフォンの要であるヒンジの信頼性が損なわれれば、他の優れた機能もその価値を失いかねません。
Pixel 10 Pro Fold の信頼性への影響
「史上最も頑丈な折りたたみスマートフォン」という評価もあった中で、今回の衝撃的なテスト結果は、製品への信頼を大きく揺るがすものとなりました。267,500 円という高価なフラッグシップモデルが、基本的な耐久性テストで破損・発煙した事実は、購入を検討しているユーザーに大きな不安を与えます。
Pixel 10 Pro Fold は、美しいディスプレイや洗練されたソフトウェアなど、多くの魅力を持つ製品です。しかし、スマートフォンの根幹である耐久性に深刻な懸念が示された今、Google にはハードウェア設計の根本的な見直しと、ユーザーの信頼を回復するための真摯な対応が求められます。
出典: YouTube