Google は 2025 年 10 月 7 日 (米国時間)、ChromeOS 141 の安定版 (Stable) に関する企業および教育機関の管理者向けリリースノートを公開しました 。
ChromeOS 141 では、ユーザーがバッテリーの充電方法を直接制御できる UI の追加や、データリカバリ履歴の透明性向上など、ユーザーの生産性やセキュリティ、管理機能に関する複数の更新が行われます。
Chromebook などの ChromeOS デバイスを管理する企業や教育機関の担当者の方は、内容を確認し、今後の展開に備えることが推奨されます。
ChromeOS 141 の主な変更点
データリカバリの透明性向上
セキュリティ強化の一環として、ChromeOS ではデバイスのデータリカバリ履歴をユーザーが確認できるようになります。
すべてのリカバリ試行は、改ざん検知機能を備えたプライバシー保護型の台帳に記録されます。これにより、デバイス上のローカルデータへのリカバリが自分自身によって行われたことを検証でき、不正なアクセス試行を容易に検出できます。
Device Attributes API の新しい権限ポリシー
管理者は、新たに 2 つのポリシーを使用して Device Attributes API へのアクセスを制御できるようになります。
この API は、管理対象の ChromeOS デバイス上で、ポリシーによりインストールされたキオスク Web アプリおよび分離 Web アプリ(IWA)のみで利用可能です。
追加された新ポリシーは以下の 2 つです。
- DeviceAttributesBlockedForOrigins
- DefaultDeviceAttributesSetting
これらは既存の DeviceAttributesAllowedForOrigins ポリシーを補完するもので、より細かなアクセス制御が可能になります。
バッテリー充電制限設定の UI 追加
ユーザーがバッテリー寿命を自分で延ばせるよう、新たに「充電最適化」設定が UI として追加されます。
[設定] > [デバイス] > [電源] にある「最適化された充電」から以下の 2 種類のモードを選択できます。
- 充電制限 (Charge Limit):最大充電量を 80% に制限し、バッテリー寿命を延ばす
アダプティブ充電 (Adaptive Charging):使用パターンに基づき、必要時まで 100% 充電を遅らせる
また、管理者が DevicePowerBatteryChargingOptimization ポリシー(Adaptive / Limited / Standard)を設定している場合は、その設定がユーザー設定よりも優先されます。ポリシーが設定されていない場合、デフォルトでアダプティブ充電が有効になります。
なお、この機能については、以下の記事でも紹介しています。
管理プリンタの PPD ファイル対応
これまで、管理対象プリンタの設定方法は「ドライバレス構成」または「メーカーとモデル指定」の 2 通りのみでしたが、ChromeOS 141 では、3 つ目の方法として「カスタム PPD ファイル」を使用できるようになります。

これにより、管理者は組織内で使用する特定プリンタ向けにカスタム PPD ファイルを指定し、柔軟に設定・管理できるようになります。
まとめ
ChromeOS 141 では、セキュリティとデバイス管理の両面で重要な改善が行われます。特にデータリカバリ履歴の透明化とバッテリー充電制限 UI の追加は、企業・教育機関の IT 管理において実用性の高い変更です。
ChromeOS のポリシーや管理機能の詳細は、公式ドキュメント「Chrome Enterprise Release Notes」を参照してください。
なお、ChromeOS 141 安定版のメジャーアップデートは、2025 年 10 月 14 日に予定されています。