Google は 2025 年 9 月 26 日 (現地時間)、長期サポートチャンネル候補 (Long-term Support Candidate: LTC) を利用しているほとんどの ChromeOS デバイスに対し、新たなマイナーアップデートの展開を開始しました。
このアップデートは主にセキュリティ修正を含んでおり、バージョンは 138.0.7204.262 (プラットフォームバージョン: 16295.77.0) へと更新されます。LTC チャンネルに設定しているデバイスは、この新しいバージョンにアップデートされます。
なお、現在の長期サポートチャンネル (Long Term Support: LTS) は、2025 年 10 月 14 日までバージョン 132 が維持される予定です。
セキュリティ修正の内容
今回のアップデートで修正された主なセキュリティ脆弱性は次のとおりです。
- CVE-2025-8881 (深刻度: Medium): ファイル選択機能 (File Picker) における不適切な実装
「不適切な実装」とは、プログラムの設計やコードに意図しない欠陥がある状態を指します。
今回のケースでは、ChromeOS のファイルを選択する機能において、この脆弱性を悪用されると、本来は許可されていない動作を引き起こす可能性がありました。この修正により、システムのセキュリティが向上します。
ChromeOS の LTC と LTS とは
ChromeOS では、アップデートの頻度と安定性に応じて複数のチャンネルが提供されています。その中でも、特に企業や教育機関での利用を想定したものが LTC と LTS です。
- LTS (Long-term Support): 安定性を最優先するチャンネルです。約 6 ヶ月ごとに機能のアップデートが行われ、その間はセキュリティ修正を中心としたマイナーアップデートが提供されます。
- LTC (Long-term Support Candidate): LTS チャンネルでリリースされるバージョンの候補版です。LTS へのメジャーアップデートが行われる約 3 ヶ月前にリリースされ、システム管理者が事前に新しいバージョンでの動作検証やテストを行うことを目的としています。
つまり、今回の LTC-138 へのアップデートは、将来 LTS チャンネルが LTS-138 へ更新されるための準備段階と位置づけられます。
まとめ
今回のアップデートは、ファイル選択機能に関するセキュリティを改善する重要な更新です。LTC チャンネルを利用している管理者は、今後の LTS へのスムーズな移行に備え、アップデートを適用し、管理下のデバイスでの動作を確認することが推奨されます。
アップデートは、今後数日から数週間かけてすべての対象デバイスで利用可能になる見込みです。
LTC-138 のより詳細なリリースノートについては、公式情報をご確認ください。
出典: Chrome Releases