Zoom は、ビデオ会議で自分の代わりに写実的な AI アバターを参加させることができる新機能を発表しました。
この機能は、カメラの前に出る準備ができていない時でも、本人がいるかのように会議に参加できるもので、2025 年 12 月に Workplace ユーザー向けに提供が開始される予定です。
AI アバターで会議に参加
ユーザーは、事前にアップロードした写真やアプリ内で撮影した写真をもとに、自分そっくりの AI アバターを生成できます。生成されたアバターには、複数の服装を着せ替えることが可能です。
ミーティング中、アバターはユーザー自身の動きや話す様子をリアルタイムで追跡し、自然な振る舞いを再現します。
CEO が描く「デジタルツイン」構想
Zoom はこれまでも、事前に録画したメッセージを AI アバターで配信する機能を提供していましたが、今回のアップデートはリアルタイムの会議に対応することで、その活用範囲を大きく広げます。
Zoom の CEO である Eric Yuan 氏は、2024年6月のインタビューで、AI が本人に代わって会議への出席やメールへの自動返信などを行う「デジタルツイン」の将来像について言及しており、新機能はこの構想に一歩近づくものとなります。
悪用を防ぐための安全対策
Zoom の最高製品責任者である Smita Hashim 氏によると、他人の写真を使ったなりすましを防ぐため、アップロードされた画像が本人であることを確認するための「ライブカメラ認証」が用いられます。
また、会議中はアバターを使用していることが他の参加者にわかるよう、タイルに通知が表示される予定です。
その他の AI 新機能
Zoom が発表している、その他の AI を活用した新機能は次のとおりです。
リアルタイム音声翻訳
AI アバター機能とあわせて、AI を活用したリアルタイムの音声翻訳機能も 12 月にリリースされます。
この機能により、話者の発言がリアルタイムで翻訳され、参加者は各自が選択した言語で音声を聞くことができるようになります。
現在、英語、ドイツ語、中国語、フランス語、スペイン語、アラビア語、日本語、ポルトガル語、イタリア語に対応しています。
AI アシスタントの機能拡張
Zoom の AI アシスタントは、今月(9月)から Microsoft Teams や Google Meet といった他社プラットフォーム上での対面会議やカンファレンスに AI アシスタントを「参加」させ、議事録を作成するなどの機能が利用可能になります。
まとめ
Zoom は、写実的な AI アバターによる会議参加やリアルタイム音声翻訳など、AI を活用した複数の新機能を発表しました。
これらの機能は主に 2025 年 12 月のリリースが予定されています。同時に、AI アシスタントを Microsoft Teams などの他社プラットフォームでも利用可能にすることも明らかにしました。
今回の発表は、AIを軸としてコミュニケーションツールを強化・拡充していく同社の方向性を示すものです。