Microsoft が現在、Android 向けの Edge ブラウザ(Canary 版)で、YouTube の動画をバックグラウンドで再生できる新機能をテストしていることが明らかになりました。
この新機能は、X ユーザーの Leopeva64 氏によって発見され、正式にリリースされれば、YouTube Premium に加入していなくても、アプリを閉じたりスマートフォンの画面をロックしたりした状態で動画の音声を再生し続けられるようになります。
Edge Canaryでバックグラウンド再生と広告ブロックが可能に
この新機能は、Android 向け Microsoft Edge のテスト版である Canary ビルドにおいて、試験運用機能の設定(flags)ページから「Video Background Play」という項目を有効にすることで、YouTube を含むさまざまなサイトの動画をバックグラウンドで再生できるようになるものです。
この機能を有効にすると、Edge ブラウザで他のタブに切り替えたときや、別のアプリに切り替えたとき、さらにはデバイスの画面をロックした場合でも、再生中の動画が一時停止することなく音声が流れ続けます。
実際に HelenTech でも試してみたところ、機能を有効にすると Edge 内のタブを切り替えるだけでなく、別のアプリを使用中でも音声(音楽)を流し続けることができました。
さらに、Edge Canary は YouTube の広告をブロックする機能も内蔵しています。アプリの初回起動時に表示されるポップアップで「広告ブロッカーをオンにする」を選択するだけで、YouTube を含む多くのウェブサイトで広告が表示されなくなります。
設定方法
このバックグラウンド再生の機能を試すには、以下の手順が必要です。
- Google Play ストアから「Microsoft Edge Canary」をダウンロードします。
- アドレスバーに
edge://flags
と入力してアクセスします。 - 検索ボックスで
Video Background Play
を探し、設定をEnabled
に変更します。 - ブラウザを再起動します。
- ブラウザの右下にあるメニューアイコン(ハンバーガーメニュー)から [設定] > [サイトの設定] > [バックグラウンド ビデオ再生] の順に進み、トグルをオンにします。


YouTube Premium への影響と Google の対応
バックグラウンド再生と広告ブロックは、月額 1,280 円(2025 年 9 月現在)の YouTube Premium が提供する主要な特典です。もしこれらの機能が Edge の安定版に正式搭載されれば、YouTube Premium の加入者数に影響を与える可能性があります。
なお、Microsoft は 2013 年にも Windows Phone 向けに独自の YouTube アプリをリリースした過去があります。このアプリは広告を非表示にするだけでなく、動画のダウンロードも可能でしたが、これらが YouTube の利用規約に違反するとして、最終的に Google によってブロックされました。
今回も Microsoft が同様の機能をブラウザに統合する取り組みを進めていますが、これに対して Google が何らかのアクションを取る可能性もあります。