Google Pixel 10 シリーズのハードウェアにおける大きな追加機能の一つとして、Qi2 ワイヤレス充電への対応が挙げられます。
これにより、市場に広く普及している MagSafe アクセサリーとの互換性が向上しますが、さらにアクセサリーを安定して固定するための「ロック」用マグネットが搭載されていることが明らかになりました。
これは、iPhone に採用されている仕組みと同様のものです。
MagSafe と Qi2 の基本
Apple の MagSafe は、スマートフォン背面に内蔵された磁石によって、ワイヤレス充電器や対応アクセサリーを最適な位置に固定する技術です。
この技術を業界標準としたものが Qi2 であり、充電コイルが正確に位置合わせされることで、より高速で効率的なワイヤレス充電が可能になります。
この磁石を利用する仕組みは充電だけでなく、ウォレット、マウント、グリップ、キックスタンド、バッテリーバンクといった多様なアクセサリーをサポートしています。
Qi2 の普及により、Android スマートフォンでもこれらの便利なアクセサリーが広く利用できるようになることが期待されます。
Pixel 10 における「ロック」マグネットの存在
MagSafe や Qi2 対応アクセサリーをスマートフォンに装着する際、円形の磁石だけではアクセサリーが回転してしまう可能性があります。この問題を解決するため、iPhone には円形リングの下に、アクセサリーの回転を防ぐための小さな「ロック」用マグネットが配置されています。

今回、9to5Google が Pixel 10 Pro XL を磁気フィルムで確認したところ、メインの Qi2 リングの下に、iPhone と同様の「ロック」用マグネットが存在することが確認されました。これにより、ウォレットなどのアクセサリーが不意に回転することなく、安定して固定されるようになります。
Qi2 規格における「向き」マグネット
この「ロック」用マグネットは、Google が独自に実装したものではなく、Qi2 規格の一部として定められている「向き(orientation)マグネット」です。

Qi 2.1 の仕様書には、この向きマグネットの配置場所が明確に図示されており、Qi2 規格に準拠するデバイスの標準的な機能であることがわかります。Google がこの規格に準拠したことで、今後登場する他の Android スマートフォンメーカーも追随する可能性があります。
Android デバイスへの影響
現状、Android デバイス向けの一部のマグネット対応アクセサリーやケースでは、この「向き」マグネットの搭載は一貫していませんでした。
例えば、Galaxy S25 Ultra や OnePlus 13 の一部のケースでは非搭載でしたが、筆者が使用している S25 Ultra や Pixel 9 Pro シリーズ向けの PITAKA 製ケース や dbrand 製ケースなどでは搭載されているなど、製品によって対応がまちまちでした。

Pixel 10 が Qi2 規格に完全準拠することで、Android デバイスにおいてもアクセサリーの互換性と安定性が向上し、ユーザーはより安心してマグネット対応アクセサリーを選べるようになることが期待されます。
出典: 9to5Google