Google は、YouTube Premium の利用規約を更新し、VPN (Virtual Private Network) を利用してサブスクリプション料金が安い国から契約する、いわゆる「抜け道」を事実上ブロックする方針を明らかにしました。 この新しい利用規約は、2025 年 9 月 26 日から施行されます。
この変更は、これまで VPN 経由で安価にサービスを利用してきたユーザーだけでなく、長期の旅行者や海外駐在員などにも影響を及ぼす可能性があります。
契約国からのアクセスを義務化
更新された利用規約では、「Premium サービスへのアクセスおよび利用は、お客様がその Premium サービスに登録した国または地域から主に行われる必要があります」と明記されています。
これまで、一部のユーザーは VPN を利用してインドやアルゼンチンといった月額料金が安価な国から YouTube Premium に登録することで、料金を大幅に節約していました。
新しい規約では、登録国外からのアクセスが predominant (主である) と判断された場合や、現在地を偽っていると見なされた場合、アカウントが停止される可能性があると警告しています。

VPN ユーザー以外にも影響の可能性
この規約変更は、意図的に料金を回避していたユーザーだけでなく、正当な理由で海外からアクセスするユーザーにも影響が及ぶ可能性があります。
例えば、以下のようなケースが考えられます。
- 長期の海外出張者
- デジタルノマド
- 海外に移住したものの、母国のサブスクリプションを維持しているユーザー
これらのユーザーは、新しい居住国で再契約する必要が生じ、結果としてより高い料金を支払うことになるかもしれません。
ユーザーからの反発と Google の収益化戦略
この変更に対し、Reddit などでは、多くのユーザーから不満の声が上がっています。 あるユーザーは、Google が税制上の優遇措置のためにヨーロッパでの事業拠点をアイルランドに置いていることを指摘し、今回の措置はダブルスタンダードだと批判しています。
今回の VPN 対策は、YouTube が広告表示を増やし、広告ブロッカーへの対策を強化している近年の流れと一致しています。 ユーザーに対して、広告を視聴するか、あるいは居住地に基づいた正規料金での Premium 契約を結ぶかの選択を迫ることで、収益の最大化を図る狙いがあると考えられます。
まとめ
YouTube Premium の新しい利用規約は、VPN を利用した安価なサブスクリプション契約を制限します。
この変更は 2025 年 9 月 26 日から有効となり、規約に違反したユーザーはアカウント停止のリスクを負うことになります。